キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

『銃・病原菌・鉄』 ジャレド・ダイアモンド著

2020年11月06日 | ☆読書
アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。現在の世界に広がる富とパワーの「地域格差」を生み出したものとは。1万3000年にわたる人類史のダイナミズムに隠された壮大な謎を、進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など、広範な最新知見を縦横に駆使して解き明かす。 


知り合いが読んでいたので、気になって読み始めた本。
図書館で借りたのだけど、予約人数が何十人と多かった。
むかしの本だけど、話題なのかな?

タイトルだけ見てたらきっと読むことはなかったと思うのだけど、まさに私が読みたかった本でした。

13000年前に人類に何があったか?
それは食糧生産を行うようになったことです。
農耕や家畜を飼うことなど、食べるものを育て始めた人類は、それからどんどん社会を変えてきました。でも、世界の文明の進度(?)には濃淡があり、それには地理的な条件が非常に重要なカギを握っていると、著者は圧倒的説得力をもって論じていきます。

翻訳の問題か、文章が固くて読みにくいのですが、それでも非常に面白かった!!



えええーっと思ったのは、いま太平洋の島々に広がる人びと、このルーツは台湾にあるという話。台湾にこんなに通いながら全然知りませんでした。
「オーストロネシア人」は遺伝子の分類で4つに分けられるらしいのだけど、台湾には4つすべてがあり(うち3つは台湾にしかない)、太平洋中の広範な範囲に広がる人々はすべて同じ分類の人々なのだそう。

今は、こういう研修はゲノムで進んでるのだけど、以前は言語学の分野で分類研修が進んでいたそう。で、その言語学の研究成果をゲノムが裏付けしているのだそうです。なんか、すごい・・・・。






高校生のころ、世の中に「人類学」という学問があると知り、漠然と憧れて大学へ進みました。いそいそと人類学の講義をとりましたが、当時の私にはなにがなんだか・・・・・???の連続で、結局人類学には進みませんでした。

読めと言われたレヴィ・ストロースとか難しすぎて全くページが進まなかったし、おそらく人類学を学ぶ基礎ができていなかったのだと思います。



それからン十年が経ち、やっぱりこの分野に惹かれます。
いまからもう一回学んでみよう。レヴィストロースにはまだきっと歯が立たないと思うけど、いまは解説書とか周辺書籍を読むという「ズル」も覚えたし、
人類の歴史の大ロマンを味わう楽しみと、今の自分がどう生きていくかについて、学ぶことができそうな気がします。





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