友人からのお誘いで、小澤征爾指揮の水戸室内管弦楽団川崎公演に行ってきました。友人は愛知からこのためにやってきました。演奏会なんてそれほど出かけない私ですが、水戸室内管弦楽団は同級生が働いていることもあり、二回目の鑑賞。前回はサントリーホールのチャリティーコンサートでした。
今回は、小澤征爾さん指揮です!テレビでは何度も拝見してますが、生演奏を聴くのは初めて。会場はミューザ川崎。駅直結のステキなコンサートホール。渦巻状の客席が斬新な印象です。
演目は、メンデルスゾーンのシンフォニア第二番。
モーツアルトのオーボエ協奏曲。
ここまでは指揮者無しでの演奏です。
コンチェルトはソリストが指揮してました。吹き振りっていうのかな?24歳のソリスト、フィリップ・トーンドゥル氏。顔を真っ赤にしてオーボエを吹く様子が可愛かった!オーボエは最近とても気になっている楽器で、オーケストラからオーボエの音が響いてくると嬉しくなってるので、コンチェルト聞けて幸せでした。しかも黒木君(のだめカンタービレ)のピンクのモーツアルト(*^^*)。
フィリップさんは、アンコールの前に日本語で「アリガトウゴザイマス!」って挨拶して、自分でアンコールの曲紹介をしていました。ますます可愛かった!オーボエ王子と呼ばせていただきます。アンコール曲は、「マルチェロのオーボエ協奏曲 ニ短調 第二楽章」でした。
オーボエの音きれい。うっとり。
そして、小澤征爾指揮でベートーヴェンの交響曲第7番。のだめカンタービレのテーマ曲ですね。オーボエ協奏曲といい、のだめコンサートだ!
今回は、チケットは友人任せで席が取れればどこでも!と言っていたのですが、前から7列目というステージにとても近い席になりました(15000円)。こんな席で聞くの初めてです。つい一番安い席を買ってしまうのでNHKホールの3階席とかばかり。しかもここミューザ川崎はステージと1階席がとても近く、高さもほとんど変わらないのです。
感想はいろいろあるのですが、とにかく小澤征爾さんのエネルギーがすごかったです。ご病気されてましたがそんなことを感じさせないパワーでした。終演後話を聞いた人は皆「完全復活!」と言ってました。そして、楽団との呼吸。その空気感。
楽団の結束みたいなものは、小澤さんが登場する前から感じていて、指揮なしの2曲もすごくまとまった雰囲気で、特にコンチェルトでは若いソリストをベテランの楽団員さんたちが見守るような感じで演奏していてすごく温かい空気がありました。
水戸室内管弦楽団は小澤征爾さんが総監督をしている楽団ですし、後で聞いた話なのですが楽団員の中には子供の頃からの音楽仲間もいて、とにかく「ホーム」なんですね。
前半2曲のあと休憩が終わってベートーヴェンが始まる前にオーケストラが入場してくるのですが、急に拍手が一際大きくなったので??と思ってたら、小澤征爾さんは、楽団員と一緒にステージに入ってきたのでした。普通はオーケストラが着席して、満を持して指揮者登場ですよね?オーケストラの一員のように紛れて後方から現れたのでびっくりしました。
あとから聞いた話だと、この水戸と、サイトウキネンだけはこのスタイルなんだそうです。これが「ホーム」感を表していました。そして、指揮台に乗らずオーケストラに食い込んで指揮してました。コンマスなどは指揮者の後ろ姿しか見えない状態。そのくらい前に攻めてくような指揮でした。これもオザワスタイルなのかな?
今回前の方の席だったので、オーボエ協奏曲の時はソリストの指がレバー(キー)をタッチする音まで聞こえました。
交響曲では、各パートがそれぞれ独立して聴こえ、音がとても立体的でした。例えは変ですが「もぐらたたき」みたいな感じに、音がポコポコ盛り上がるのが見えるようでした。
指揮者はこの音を聴きながら音楽をつくだているんだなー。と感じました。3階席では気付くことができなかった生の音です。3階席も音が綺麗にまとまって(レコードと近い音)聞こえるので悪くはないですけど、今回聴いたのは、生の会場ならではの不思議な音でした。これは楽しい!私は音楽は全くの素人なので、演奏の良し悪しとか技術とか全然わかりませんが、感じたのはそんなことでした。
ベートーヴェンの交響曲7番はこれまでも聞いたことありましたが、今回聴いて、第一楽章の終わり近くにある、木管金管の短いソロリレーがとても素敵に感じました。今までは第一楽章の華やかさが好きだなーと思っていましたが、今回は第二楽章の魅力炸裂でした。いつまでも聴いていたいと思いました。
第三楽章から第四楽章に移るときのマエストロの気迫はすごかった。どどど!それまでは楽章ごとに椅子に腰かけ休憩を取ってましたが、4楽章に移るときは一気に行きました。こいうのを「アタッカ」というのだそうですね。知らなかった。
ほえ~。
ネットで見かけた情報。
1楽章が終わった後に、オーケストラがチューニングを始めたんです。あれ~っと思ったんですけど、あれは小澤さんの体を気遣うオケの優しさだったのだとか。
ほえ~。
ミューザ川崎始まって以来初の満場スタンディングオベーション(ミューザのスタッフの方がそう言ってたそうです)で、カーテンコールも何度も繰り返されました。小澤征爾さんは、指揮が終わったあと楽団員全員の席を回って握手しているのが印象的でした。小さめの編成の楽団ということもあると思いますが、楽団横一列になってのお辞儀が新鮮に感じました。客席が360度あるので、後ろ向きにもお辞儀してたのが面白かった。マエストロお疲れだろうと思うのにやっぱり拍手をしてしまって何度も呼び出してしまい、申し訳ありません。という気持ちになりました。
小澤征爾さんはとてもお元気そうでパワーにあふれていました。皆口々に「完全復活だね!」といってましたよ。私は初めて生で拝見しましたが、ほんとにそうだと思いました。