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キカクブ日誌(アーカイブ版)

このブログは旧版です。
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グラナダ版ホームズ『マスグレーブ家の儀式』

2012年09月16日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕無し鑑賞日記。英語だけで頑張ってマス。

原作ではホームズがワトスンに若いころに手がけた事件を語って聞かせる体裁ですが、このドラマでは現在進行形の事件になっており、ワトスンも一緒にマスグレーブ家に招待されます。

他の出演者の服装からするとそんなに寒くない季節のようですが、ホームズは寒がりなのでしょうか?それともジェレミー・ブレットが寒がったのかな?馬車の上でも屋敷の中でも大きなショールに包まっていますね。
これほかのエピソードでもぐるぐるもこもこホームズが見られますから、中の人の都合だったのかもしれませんね。

この週末旅行(?)になぜかホームズは古い事件の記録が詰まった、ブリキの箱をもちこんでいます。ワトスンが興味津々で聞きたがってるのに、その箱の上にドンと足を投げたしたりして、けちんぼホームズです。


ワトスンがホームズを部屋に呼びに来て、ブリキの箱がノーマークになってたのを見て、うきうきするんですけど、すぐにコカインの注射器を発見して。暗い表情になるところが、愛情を感じてとても素敵です。
そしてコカインを打ったホームズはやたらハイ。
うーん、見てる方が辛いなぁ。
そしてその反動なのか、翌日はワトスンたちが朝から狩に出かけていっても、自分だけベッド(しかもブラントンの?!)でごろ寝。調子出てないですね。
正しい週末の過ごし方ともいえますが・・・・。


ところで、英語のわからないところが沢山あります。
聞き取れないところが80%ですけども。
聞こえてきたところでも意味がわからないのが沢山。

冒頭、ホームズが馬車の上で
「屋敷はFreezing!」...寒いっていってるの?
古いから、底冷えしそうではありますねー。

ブラントンがクビを言い渡されるところ。
「たった1週間ですか?せめてフォーナイトお願いします」
って4晩じゃおかしいですよね。
しかも複数形に聞こえない。

仕方がないので、原作の英語版を見ながら聞き取ってみました。
わ~~~!
なんとこのグラナダ版は登場人物の台詞まで忠実なんですね。
原作と同じようにしゃべっているので、とても理解の助けになります。

フォーナイトって聞こえた部分は「fortnight」でした。
意味は?
調べたら、2週間のことだって!イギリス英語らしい。

マスグレーブの儀式は原作も大好きです。宝探しのわくわく感がなんともいえない面白さ。
映像化は成功していますね。
ロケ地の関係でか宝探しのルートは原作どおりではないですが、船に乗ったりして更に素敵になっています。

それと、このエピソードは音楽もいいですね。
いつものテーマ曲がシェークスピアの時代の音楽のようなアレンジになっていました。チェンバロ演奏で、更に時代がかった雰囲気たっぷりでした。。

もひとつ、ブラントンの俳優さん、声が素敵ですね。


グラナダ版ホームズ『ボスコム谷の惨劇』

2012年09月14日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕無し鑑賞日記。

きれいにまとまったお話でした。
冒頭以外はほぼ原作通り。
グラナダ版ではワトスンは結婚していない設定らしいので、ワトスンの家庭の描写は無く、休暇で田舎で釣りをしているワトスンのところにホームズがやってくるという始まり方。

旅先ーしかも魚釣中ーで、あと35分で汽車が出るよってきつい。
相変わらずのマイペースなホームズ。


目撃者の聞き込みで、お茶を振舞われて、嫌な顔してるホームズ。
「ミルクはいらない」って断ってます。
ホームズはもともとミルクを入れないのでしょうか?
それとも、あそこの農場のミルクの衛生状態に不安を抱いて断ったんでしょうか?
----せっかく淹れてもらったお茶ですが、カップの中を見て「こんなもの飲めるか?」といわんばかりの表情するんですよね。
このときは、ワトスンも同じような顔するので、よっぽどだったんだと思います。

ジェームズの留置所で、希望を捨てるなって励ます一瞬の表情。
あれはよかったですね。
映像化の醍醐味ですよ。


丁寧に作ってあるようで、いろいろと見所がありました。
ホームズとワトスンが滞在している「ボスコムアームズ」というホテルの建物きれいでしたね。チューダー様式。庭も素敵でした。うっとり。

ロケ地はここらしいです。
http://www.gawsworthhall.com/
マンチェスターの近くですね。

そういえば、近所にチューダー様式の外観のおうちあるんですよ。
先日アップした「ノッティングヒルゲート」のプレートの近所です。
この辺何気にちょっとイギリスっぽい。


それから、アリスとジェームズが恋人同士っていう設定は、ドラマの発展的解釈。
原作では、「これからそうなるかもしれないけど・・・」というさりげなさ。
この辺は、好みが別れるところですね。
私は原作の慎ましさが好きですが、ドラマ化の際にはこういうラブシーンもはさみたいかなというのはありますね。

ジェレミー・ブレットと渥美清

2012年08月31日 | ☆グラナダ版ホームズ
今日はグラナダ版のボヘミアの醜聞を見た。

そして、youtubeでマイフェアレディのジェレミー・ブレットの登場シーンだけを編集した動画を見た。

若いせいもあるけれど、全くホームズではないジェレミーがいた。

ああこの人は渥美清のような人なんだな、と思った。

日本人なら同じ感慨を抱く人も多いかもしれない。

あまりにも、自分にぴったりの役と巡り合ってしまった役者と言う意味で。

またその最期があたかも役と心中してしまったように見えるという意味で。


役者としてみたら、そんな最高の当たり役に出会えるなんてコトは無上の喜びだろう。
命を削ってでもその役と向き合いたくなるのかもしれない。



渥美清はいわゆる二枚目役者じゃないけれど、たたずまいも演技力も一級の、すばらしい役者さんだった。浅草の喜劇俳優から出発して、映画やテレビで活躍し、そのキャリアの後半は何十年も寅さんだけを演じ続けた。
寅さんを演じ続けた渥美清をすごいと私が思う部分は、本来の渥美清は怖い人だと感じるところ。
もちろん寅さんではその怖さはそんなに表に出ないわけだけど、渥美清って役者にはどこか鋭い怖さを感じる。その怖さがあるから、あの何ともいえないお可笑しさや孤独の哀しさの演技がただそれだけの薄っぺらなものでなく、心にズーンとくるんじゃないかと思う。

役者渥美清としては他の役をやりたいという気持ちもあったんじゃないかとも思うけど、他の役をやるエネルギーなど全く残らないほど、全存在を寅次郎に捧げ尽くしてしまったのではないか。
そしてずっと病をおして最後は息も絶え絶えになりながら演じていた。
寅次郎と全く違う素のキャラクターが世間に見えてしまうのを嫌って、プライベートを全く明かさなかったという渥美清。
その死も仕事仲間にすら、ひた隠しにされた。


渥美清の寅さん以前の作品をみると、ほんとに、寅さん以外の役(特に悪い人や犯罪者みたいな怖さを表に出せる役)もたくさん見たかったと思うけど、
でも役者としては最高の人生じゃなかったのかな。


役者ジェレミー・ブレットとホームズもそんな幸せな運命のめぐり合いではなかったろうか。
そしてジェレミーという人間の寿命を縮めてしまうほどの猛烈な濃密な付き合いになったのではないか。


そんなことを感じました。

グラナダ版ホームズ『犯人は二人』2時間スペシャル

2012年08月30日 | ☆グラナダ版ホームズ
2時間スペシャルです。
すごいですね~。
何がすごいって、「犯人は二人」のあのあっさりした原作を2時間ドラマにしてしまったことですよ。

確かに、私も大好きな話です。
だって、ホームズが変装して、敵の使用人の女性とデートを重ねて婚約しちゃうんですよ!(敵の家の情報が欲しいから)
さらに、ホームズ&ワトスンが最新式の泥棒道具を使って、夜盗に出かけるんですよ!

いろいろレアな出来事が盛りだくさんで、想像力を書きたてられるエピソードなんですよね。
これが2時間スペシャルに選ばれたのはわかる気がします。

2時間という映画みたいな長さになったことで、強請られる側のドラマを丁寧に描いています。かなり楽しめました。貴族のお嬢さんの結婚前の友達づきあいとか、婚約してる軍人さんが、実は同性の恋人もいるとか、同性愛者のためのお店も登場!!
原作に無い設定もありました。へ~。

ミルヴァートンの造形は原作挿絵にそっくりでしたね。

舞踏会のシーンなどもあり、また221Bの部屋も同じセットなのになんだか違うように見えて(陰影が際立ってたからかな?)さすがに2時間スペシャルだな~と言う見ごたえありました。


アガサ(ドラマではアギーになってました)とエスコット(変装したホームズ)の恋愛模様くだりは、かなり遊んでましたね。
原作の印象だと、ホームズの方から純真なアガサを口説いていたんだろうと(勝手に)思ってましたけど、グラナダ版ではアギーがむしろ積極的で、ホームズたじたじって感じでした。
この描き方はちょっと気に入らなかったな。
キスシーンもあるんですけど、そういう力関係なもんだから、ホームズがうぶに描かれてて、なんか見てるほうが居心地悪くなってしまった。

やっぱりアガサに対しては、徹底的に別人格なホームズを演じて欲しかったな~。
そっちのほうが楽しい。
ホームズの変装ポテンシャルをもってすれば、女扱いに慣れた遊び人キャラでも何てこと無かったと思うんですよね。
どうせならそういうの描いて欲しかったけど、それじゃぁスーパーマン過ぎるかしら?


でもこのグラナダ版の解釈にはそれなりのよさがあって、アギーを積極的なたくましい女性として描き(酒場にも一人で出かけちゃうし、どうもホームズ扮するエスコットに熱を上げる前には、同じ館の使用人ともなんかあったっぽい。)
ホームズがアギーに正体をばらす(ばらしてますよね、あれ)シーンを挿むことで、またひとつのドラマを感じさせました。
原作では、「かわいそうだけど仕方が無かったんだ」とワトスンに言い訳するホームズの言葉だけで済まされてて、アガサがどうなったかフォローされて無かったんですが、グラナダ版では、すべてを悟ったアギーのその後の生き方も想像できる奥深さがあります。

原作には最後にレストレードからミルバートン殺しの捜査に応援を頼まれて断るシーンがあるのですが、それは無かったですね。
あそこちょっとコミカルで好きだったのに。
重みを持たせる終わり方でした。



英語音声だけで見てるので、カン違いや理解不足もあると思うのですが、いずれまた日本語版を手に入れて検証したいと思いまする。
とりあえず、第一印象を書き記します。


グラナダ版ホームズ『高名の依頼人』トルコ風呂

2012年08月29日 | ☆グラナダ版ホームズ
「事件簿」に収録されている話。
これはなかなかドラマチックな展開で、原作でも大好きな話です。

身分の高い人の代理の依頼人
ほんとの依頼人は誰か言えない
→ミステリーが両側にあるのは混乱の元。
 お断りします。
バイオレット嬢にキティーウィンタ嬢とともに会いに行きます。
説得失敗。

やや!またバイオレット嬢登場です。
バイオレットさんが出て来すぎなので、きっとホームズの母親はバイオレットだとか言われてますね。初恋の人かも・・・^^

今度は、グルーナ男爵に会いに行きます。
脅されて帰ってきます。

作戦練り直し・・・弊店間際のレストランでご飯。
帰り道にホームズ暴漢に襲われます。
れれ、ちょっと弱い・・。
ポーキーちゃんは女連れでも二人あっという間に伸しちゃったのに。
ホームズあっけなくやられます。
(敵を油断させる作戦ですか?)

新聞でホームズが襲われたことを知るワトスン。
ベーカー街に駆けつけます。
新聞では「危篤」扱いですが、意外と元気そう。
でもタバコはダメといわれてます。
ワトスンさすがお医者さん、ホームズも素直にいい子にしてるみたい。

これから24時間中国の陶器の知識を吸収してくれ。
とお願いされ、徹夜で詰め込み勉強するワトスン。
なんて素直なんでしょう。
ハドスンさんもかいがいしくホームズの面倒見てます。
お母さんみたいです。

ヒルバートン医師の名刺と、ホンモノの骨董の名品を渡されグルーナ男爵宅へ乗り込むワトスン。うわ~ドキドキする・・・。
名品に目を輝かせるグルーナ男爵。
でもワトスンの付け焼刃の知識では、あっという間に化けの皮がはがされます。
書斎に忍び込むホームズ。

見つかって形勢不利。
そこへキティウィンタ嬢登場。
硫酸浴びせ、ぎゃーーー!
手当てするワトスン。

依頼人に「愛欲日記」を渡して一件落着。
馬車の紋章で依頼人の正体わかるワトスン。



ほぼ原作どおりで、何も付け加えなくても十分にドラマになるお話でした。

体温計って今と変わらないのね~とか。
キティーウィンタが可愛いよ~とか。
新聞記事でホームズの怪我を知るワトスンの気持ちはんなだったろうとか。
ポーキーちゃんかっこいい!
とか。
いろいろ楽しかった。


ところで、この話は冒頭で「トルコ風呂」のシーンから始まります。
原作通りです。
今なら「サウナ」っていうのがぴったりでしょうか。
お風呂があって、スチーム風呂があって、休憩室があって、マッサージ受けられる。
そんな施設が、この時代のロンドンにはあったんですね。

というか、この文化は遠くローマ時代から続いてたんでしょうか?
イギリスにも、バースっていうローマ時代の浴場から名付けられた地名もありましたね。


初めて原作を読んだ当時「トルコ風呂」という言葉には、日本独特の別の意味がついていました。
今の若い人にはわからない感覚かもしれませんが、今ならソープランドっていうものです。

「ホームズも私もトルコ風呂には目のない方だった」

なんて言われたら、中学生の私でもドキッとしたものです。
延原謙の解説にも、日本で営業されてるような店ではない旨の断りがあったような気がします。
恐らく、延原氏が訳出した時代ー昭和20年代でしょうか?ー
には「トルコ風呂」にはそれ以上のイメージはなかったんでしょう。
でも版をかさねていくごとに、日本社会に特殊浴場としてのそれが広まってしまって、慌てて解説に書いたんだろうと想像しています。

そしてさらに時代が移り、トルコ風呂と言わなくなりました。
トルコ政府からクレームがついたとかつかなかったとか。

今出版されている本なら、解説に何か書いてあるのでしょうか?


そして、トルコ風の浴場もまた日本に入ってきました。
今は女性向けでおしゃれな施設です、名前は「ハマム」などとよんでいますね。
これで日本とトルコの関係も一安心ですね。




The Secret of Sherlock Holmes(舞台劇)

2012年08月28日 | ☆グラナダ版ホームズ
諸事情によりグラナダ版ホームズにあまりなじんでなかった私ですが、ジェレミー・ブレット主演の舞台劇を偶然1989年のロンドンで見てます。
調べてみると、1985年から始まったグラナダのホームズドラマで大人気になった主演二人による舞台劇で、1988年~1989年に1年にわたり上演されたのだそうです。
私が見たのは、1989年の2月15日ですから、ちょうど真ん中くらいの時期でしょうか。

どういうきっかけで見ることになったのか、記憶が定かでありません。
日本で情報をつかんでいたわけではないはずです。
今みたいにネットで世界中の情報が手に入る時代ではないし。
「行ってみたらやってた」と言う感じだったのではないでしょうか。
全くラッキーでした。

詳しいいきさつは覚えていないし、書き残してもいないのですが、多分たまたま宿で知り合った日本人旅行者(やっぱりホームズファンだった)から聞いたのでしょう。

「ホームズの舞台やってるみたいだから一緒に行く?」的なノリで。
「行く行く!じゃ、私チケット買って来るね!」

とチケットを買いにいったら、トラベラーズチェックが使えなくて、手持ちの現金ではチケット2枚しか買えなかったというオチ。
私も入れて3人だったのに。
もう一人の人には涙を呑んであきらめてもらっいました。
今思うと申し訳ないです。


お芝居の前に3人でチャリングクロスのシャーロックホームズパブに行きました。
このパブは2階にホームズの下宿の再現をしてありました。
このパブは、たとえ一人でも行くつもりでしたが、
ホームズのわかる人とわいわい見られて、楽しさ倍増でした。
今でもあるようですね。
グーグルストリートビューでロンドン散歩してるときに偶然通りかかりましたw。
2階もそのままなのかしら?


さて、肝心のお芝居ですが・・・
ウィンダム劇場と言う、レスタースクエアにある劇場です。
当日券で見ました。
記録してないのですが、多分当日券専門の窓口TKTSみたいなところで買ったんじゃないかと思います。
チケットには13.9ポンドと書かれてますが、小遣いメモには「チケット8.2」と書いてて、割引で買ったのかもしれませんね。
学割かもしれません。


劇場の中は重厚な雰囲気だったような気がします。
でも英語力が無くて、何の予備知識も無かったしで、内容はちんぷんかんぷんでした。
あろうことか、居眠りしてしまった!!
1日中歩き回った後だったし、お酒も飲んでたしで、ちょうどいい子守唄になってしまったようです。
非常にもったいない過去です。
ただ「テレビの人がそこにいる~!」的な感動だけはありました。



いったいどんな舞台劇だったのか、いまさらながら気になってきて調べてます。
でも20年以上も前の舞台だと情報少ないです。


「The secret of Sherlock Holmes」

詳しく解説してあるサイトを見つけました。
http://www.h7.dion.ne.jp/~holmes/page013.html

http://homepage3.nifty.com/clacton/s-secretofsherlockholmes01.htm


http://jeremybrett.info/st_holmes.html
このサイトには音声ファイルもあります。
もしやこれは客席での盗録?
昔よくこういうのありましたね。
カムデンの露店でもロックコンサートのアンオフィシャル録音カセットテープ(ブートレグ)がじゃかじゃか売られてて、いろいろ買いあさったような記憶が・・・(でも帰国してちゃんと聞くと、録音状態悪いし、テープの質も悪いしで、ほとんど聞きませんでしたケド)

今聞いてみると、聞き取れる箇所があります。
原作で語られている内容ですね。
ワトスンの軍人年金、ホームズの知識棚卸、ディオゲネスクラブ....
グラナダ版を吹き替えでなく、英語で聞いていたら、もっと慣れて聞き取れるようになりそうです。
せめて今の私ならもっと楽しめたな~って無いものねだりですね。

あ、Youtubeにも当時の音声がありました。

Jeremy Brett - The Secret of Sherlock Holmes (audio)


Jeremy Brett - The Secret of Sherlock Holmes (part 2)


Jeremy Brett - The Secret of Sherlock Holmes, (Part 3)



グラナダ版ホームズ『ボール箱』

2012年08月26日 | ☆グラナダ版ホームズ
グラナダ版をyoutubeで見てます。
(字幕無くて厳しい・・・)


今回見たのは「ボール箱」
最後の1作です。

この「ボール箱」と言う話、原作では印象が薄くて「耳」が送られてくること以外あまり覚えていませんでした。
というわけで、一回見てから、原作を読み、さらにもう一度見てみました。

原作ではあまりホームズたちは活躍しなくて「こんな簡単な事件、かかわったなんて公表しないで欲しい」なんてレストレードに言ってますね。

でもドラマのほうは、なかなか面白かったです。
原作では「オーブンの中にいるような」暑い8月のロンドンを抜け出す・・って言う話になってます。ロンドンで華氏90度越えって摂氏32度くらいですか?
ワトスンはインド経験者なので、暑いのは平気だそうです。
最近ロンドンの天気予報とかよく見てるんですけど、30度なんて超えないみたいですよね。でもそんな暑いときもあるんですね。

そして、お金が無いから避暑にいけないって、情けないことも書いてます。
それで事件でロンドン郊外(クロイドン)に出かけたら、いくらかしのぎやすいって。
やっぱりヒートアイランド現象がここにも?!

変わって、ドラマの方はどうかと言うと。
こちらはなぜかクリスマスシーズンの出来事になってます。
クリスマスプレゼントを買いに行くホームズとか、家具の配置(?)でハドソンさんと言い合いする(?)ホームズとか、ワトスン君がコート(ポンチョみたい)をもらって、大喜びするとことか、原作に無いシーンがてんこ盛りで楽しめました。

一番楽しめたのは、依頼人ミス・クッシン(?)が来てる時に、気乗りしないのか、フラスコやらメスシリンダーなどの化学の実験器具にクリスマスの飾りを始めるホームズですね。
なんだなんだこれは?
かわいらしすぎるじゃないか~~!!

グラナダ版って、まじめに原作を映像化してるって印象で見てたんですけど、こんなお茶目なシーンがいろいろあるのですね。
これから見て行くのが楽しみです。

早くDVDかBDでそろえよ・・

グラナダ版ホームズ『空家の冒険』ワトスンの孤独

2012年08月20日 | ☆グラナダ版ホームズ
「シャーロック」ブームはまだまだ続いてます。
NHKオンデマンドの見放題は8/20まで。
Gyao!のは期限が切れました。
この間、1日に2作品は平均で見てます。


今日はグラナダ版を見たり、原作を読み返したり。
どちらも久しぶり。
特に、グラナダ版は、諸事情(当時テレビ無かったとか、ビデオ無かったとか、いろいろ)あり全作は見てないし、運よく見ることができた作品も繰り返し見てるわけではないので新鮮です。
グラナダ版はこれから、ゆっくり前作見るという楽しみが残ってる。
そう思うとなんとも愉快な気持ちになります。


で、選ぶ作品が 「空家の冒険」になってしまったのは、完全にBBCドラマ「シャーロック」の影響でしょうね。
早く帰ってきて欲しいもんね。



で、今日、ワタシ的に大いなる発見があったんです。
あ~気がつかなかった!

いまシャーロックホームズの和訳(しかも全作!)をネットで公開している大変すばらしい方がおられます。
サイトの名前は、「コンプリート・シャーロック・ホームズ」
シドニーパジェットの挿絵入りで、無料でホーム全作品が読めるんです。

「空家の冒険」のグラナダTV版を見て、なんか原作と違う・・・
と思った箇所があったので、このサイトに原作を読みに行きました。
(本棚まで移動するのがめんどくさかったのです、狭い家なのに)

TVドラマと原作が大きく違うのは、ワトスンが検死をしたり、検死審問で証言したりすることです。原作では、ワトスンも事件に興味は持つものの、情報はあくまでも新聞などから得ており、検死審問などには出ていません(もちろん、レストレードに検死に呼ばれたりもしない)。本収集家の老人とぶつかるのは殺人現場に「野次馬」として行った際で、裁判所前ではありません。

ま、ドラマならではの脚色で、それもありかなとは思います。



それはいいとして、驚いたのは、この部分です。
スミマセン、ちょっと引用します。


ホームズとの再会のあとの部分です。

「何らかの方法で、彼は私の悲しい別離について知っていた。」

?!
これは、どういうことでしょう?
このあとのホームズの台詞「悲しみには仕事が最良の解毒剤」というのはよく覚えていたのですが、この文章だと、ワトスン君の身になにか不幸があったことになりますよね。
シャーロキアンの研究によれば、ワトスンは最低2回、もしかすると3回結婚していて、ホームズの失踪期間に妻と死別している。と言うことになってるそうです。
でも原作の中にそんな記述があるとは思ってませんでした。
「私の悲しい別離」というのは、身寄りが無いワトスン君ですから、奥さんだと見るのが自然ですね。

でもなぜ今の今まで気がつかなかったんでしょう?
「空き家の冒険」ホームズ物語の中でも特に好きで、数え切れないくらい読み返していたのに・・・・。

私が読んでいたのは、延原謙訳の新潮文庫版です。
この訳文にはどう書かれているのでしょう?

「私の孤独の悲哀については、いくぶん聞き知っていたらしい。」


となっていました。
それでか!
私はこの部分を、ずーっと30年以上、「ホームズ不在による孤独」だと思っていました。
他の訳文も読んでおけばよかった。
それより、英語の原文はどうなってるんでしょう?
読んでもわからないかもですが・・・。
一応、調べてみます。



In some manner he had learned of my own sad bereavement

in some manner
【副詞】
1.若干の明らかでない方法または状態で

bereavement
【名詞】(近親に)先立たれること,死別.


これはやはりワトスン夫人との死別と理解するのが順当ですね。
ホームズ失踪の3年間のワトスン君かわいそ過ぎます。

YOKOの好きなもの羅列

(順不同)地図、河岸段丘、保存樹木、宮本常一、縄文時代と日本の古代、文明開化と江戸時代、地方語、水曜どうでしょう、シャーロック・ホームズ、SHERLOCK(BBC)、陳昇、John Mellencamp、Kate Bush、イ・スンファン、カンサネ、1997年以前の香港映画、B級コメディー映画、SNL、The Blues Brothers、台湾、旅行の計画、イタリア、エステ、宮部みゆき、ショスタコーヴィチの交響曲5番、森川久美、のだめカンタービレ、くまモン
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