昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

運が悪いことから全てが始まった(41)大学時代(24)

2013-11-14 04:55:43 | 小説、運が悪いことから全てが始まった
「就職先は決まったのか?」
 
 久しぶりで聞くオヤジの声は太く、愛情に満ちているように感じた。
「まあ・・・」
 そのうち決まるだろうというようなニュアンスで応えたが、即、虚ろな感情が気持を支配した。
「佐川さんがなんなら就職先を紹介すると言ってきているんだが・・・」
 ボクは心底を見抜かれているような気がした。
「佐川さん?」
 ・・・ああ、そうか、節子の嫁ぎ先の・・・
 
「友だちが経営している貿易会社から誘いがあるんだそうだ」
「貿易会社?」
 わるくないなと思った。
「その前にND公社を受けてみないかとうんだ」
「ND公社?」
 ボクにとってはあまりにレベルの高い会社名にびっくりした。
「しかも本社採用枠だ」
「本社採用枠?」
「50名限定の幹部候補生を採用するんだ」
 オヤジの声が弾んでいる。

 というわけでボクはND公社の採用試験に挑むことになった。
  
 試験は日比谷のお堀端の圧倒されるような本社ビルで行われた。
 
 面接は、旧華族のお屋敷だったという公社の接待所で行われた。

 ─続く─

 アメリカの新駐日大使として明後日日本に赴任するキャロライン・ケネディさんがメッセージを発表した。
 
 「美しい国の歴史と文化を学び、広島や京都を訪れましたが、その頃から日米両国が共通の価値観で結ばれていることを実感してきました」
 そして「米国の大切な同盟国・友好国の日本で、母国を代表する貴重な機会にめぐまれました。日米は力を合わせ、これからも世界に貢献していきましょう」
 と述べた。
 シンパシイを共有できる新大使に期待したい。


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