昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(314)三鷹市民大学「伝統日本への反逆と現代」②岡本太郎

2019-01-20 05:50:05 | 三鷹通信
 三鷹市民大学「伝統日本への反逆と現代」②
岡本太郎 
 講師は大久保喬樹東京女子大名誉教授

 岡本太郎は政治漫画家岡本一平、歌人で小説家の岡本かの子との間に生まれ、1930年(S.5)から10年間フランスで暮らす。その間、抽象美術運動やシュールレアリスム運動とも接触した。
 戦後、日本で絵画など芸術作品制作のかたわら、合理的世界観を超えるものを求め日本の各地を回り、<なまはげ>などにも関心を示し、<縄文土器論>などの文筆活動にも携わった。

 1952年(S27)「四次元との対話・縄文土器論」を発表。
 <縄文土器> ─民族の生命力─「いやったらしい美しさ」
 はじめて縄文土器を突きつけられたら、その奇怪さにドキッとしてしまう。
 どこの野蛮人が作ったんだろう、ものすごい、へんてこなものだ、と思うにちがいありません。
 それこそじつは日本人、正真正銘のわれわれの祖先のつくりだしたもの、大事な文化の遺産なのだ。

 じっさい、不可思議な美観です。荒々しい不協和音がうなりをたてるような形態、紋様。そのずさまじさに圧倒される。
 はげしく追いかぶさり、重なりあって、突き上げ、下降し、旋回する隆線紋(粘土を紐のようにして土器の外がわにはりつけ、紋様をえがいたもの)
 これでもかこれでもかと、執拗にせまる緊張感。しかも純粋に透った神経のするどさ。
 つねづね芸術の本質は超自然的なはげしさだと言って、いやったらしさを主張する私でさえ、思わず叫びたくなる凄みです。
 さてこの点を、次代の農耕文化である弥生式の土器と比較してみましょう。
 この期には技術的にははるかに進歩し、分別もつき、形もととのってきたにもかかわらず、あのたくましい空間的取りあつかいは影をひそめ、形態も紋様も、ともにきわめて幾何学的、静的に平面化されています。

 1970年(S45)岡本太郎は日本万国博覧会のテーマ展示館<太陽の塔>を完成する。
 時代は、写実の名手ピカソがリアリズムを変形し、キュービズムを経由アフリカの民族芸術にも影響を受けるようになっていた。 
 (ピカソ・アヴィニヨンの娘たち)

 昨日、春風亭小朝の落語を聞いてきた。
 三鷹市公会堂光のホールは、立錐の余地もないほどの超満員だった。
 前座を務めた春風亭勢朝風刺の効いた現代小咄を披露したが、<落語>ってなかなかのものですね。
 
          





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