昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(352)第30回読書ミーティング⑤

2019-07-25 05:00:31 | 三鷹通信
 ボクの推薦本は、山本周五郎「樅ノ木は残った」です。
 *江戸時代前期に仙台藩伊達家で起こったお家騒動を題材にしている。
 *過酷な幕府の大藩取り潰し策と、藩家の内外に渦巻く我欲、反目、誹謗の中に最後まで非道の逆臣を装い、権勢に抗すべく奔走する家老、原田甲斐の忍耐と辛苦に満ちた悲劇の生涯。

 *しかし、ボクが着目したのは、主人公が両親を暗殺された悲運の女の子、宇乃に注ぐ目線だった。
 *保護した宇乃を前にして甲斐は語った。「私はこの木が好きだ。この木は何も語らない。だから私はこの木が好きだ」
 *宇乃は甲斐が、樅ノ木に己の生き様を重ね合わせているように思えた。
 *タイトル「樅ノ木は残った」は、まさに主人公の思いを一言で表したものだったのだ。

 *太宰治とともに、三鷹市を代表する小説家、山本周五郎の愛情深い心根を知った思いです。

 1歳8か月のお子さんを連れて参加されたKさんの推薦本は、「月刊Moe」です。
 *絵本のある暮らしを提案している月刊誌。
 *実際に、会議室の中を自由奔放に振る舞うお子さんに向けるお母さんの視線が魅力的で素敵でした。

 ・・・母性の男性に与える魅力・・・
 
 これを痛感した今回の読書ミーティングでした。






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