昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(333)大久保喬樹講師からのメール

2019-03-17 10:23:38 | 三鷹通信
 「下記の内容につき不都合な表現がありましたらご指摘ください」という小生のメールに対し、大久保先生から下記のようなご丁重なご返信を頂きました。

 「丁寧なご感想ありがとうございました。時事問題から文明論まで幅広い関心を示されているご様子に脱帽しました。文明論的SFまで手がけておられるのですね。
  今回の市民大学では皆様の積極的な運営に感心いたしました。三鷹の市民文化はレベルが高いですね。」


 昨日は、三鷹市民大学・日本の文化コース、メイン講師の大久保喬樹東京女子大学名誉教授の最終講義と食事をしながらの懇談があった。
 
 最終講義は、先生の大好きな文化人類学者レヴィ・ストロースが取り上げられた。
 *ポストモダン(フランス革命の後、19~20世紀前半、文明の転換期)に当り、彼は思想界に衝撃的な影響を与えた。
 *ヒントになったのは未開民族アマゾンの裸族との体験だった。『悲しき熱帯』
 *西洋近代文明の<人間中心>に対し<自然の摂理・環境の保護>を訴えた。『野生の思考』
 *1977年より来日、日本文化調査(労働観、食、芸術)を行っている。
 *西欧の<神教文化=自己中心>に対し、日本の<自然の一部としての自己>を評価。

 *<労働観>に関しては西欧では<神から与えられた罰>と捉えるのに対し日本では<自然からの恩恵>と捉える。

 *象徴的なのは、レヴィストロースはユダヤ人であるが、ダビデの神殿よりは天の岩戸に感動を受けたということだ。

 *西欧文明(キリスト)は排他的で、それまでの文明を排除することで成り立っているが、日本文明はそれら原始から続く人間文明を柔軟に取り入れるという柔軟性、連続性がある。

 *この日本の文化コースの趣旨は「現在では、近代西欧型文明が行き詰まりをみせており、それに代わる新たな文明のあり方が模索されています。今こそ、日本人固有心情や日本文化の特質を考えることで、改めて大きなヒントを一緒に探してみませんか!」です。
 
 *私事で恐縮ですが、ママとレロレロしかしゃべれない超難病の少女が東日本大震災で大変身し、自然界からの使者として、「傲慢な人類は自然界の癌だ」という趣旨の「レロレロ姫の警告」という本を4年前に出版しました。
 アマゾンで高評価いただいたこともあり、続編「還って来たレロレロ姫」の出版を目論んでいます。

 *ピエール・ロチェの「お菊さん」から始まり、今回のレヴィ・ストロースで締められた一連の講義で小生は大きなヒントを頂いた気がします。本当にありがとうございます。
 「昭和のマロ」こと大澤 隆

-->


最新の画像もっと見る

コメントを投稿