昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(69)囲碁教室、打って返しの法

2013-01-26 06:58:00 | 三鷹通信
 ぼくは小学校の課外クラブの囲碁教室のサポーターをやっているのだが、前回とんでもないことをやらかした。
 
 主宰者のAさんが3月まで海外に出かけるので代役を仰せつかったのだが、その第一回目をすっぽかしてしまったのだ!
 
 もうひとりの代役の先輩にお詫びの電話をしたら、彼も忘れていた。
  しかも昨日の予定日は、先輩が風邪を引いて出られないという。
 たぶん、今回は生徒たちも出てこないだろうなとひとり暗い気持ちで出かけた。
 クラブの係りの女性といつも顔を見せる近所のオジサンが来ていたので、ともかくお詫びをする。

 前回はオジサンが道具を用意して指導は出来なかったけど対局をさせましたと言われちょっとホッとする。
 それでも今回生徒の参加者が出てこなかったらどうしようと思っていたら、ぽつりぽつりと少ないながらも男子4人、女子1人が現れた。

 Aさんのような正統な指導は出来ないので、ぼくらしく囲碁というものを斜めから見た指導を始めた。
「囲碁はいわゆる勝負を争うゲームだけれど、他にもいろいろなゲームがあるね? キミたち他にどんなゲームをやっている?」
 という問いかけから始めた。
 しかし、「どういう目的で囲碁をやる気になったの?」と聞いたが反応は鈍い。ほとんどが「何となく・・・」だ。

 これから大人になる彼らに社会生活が厳しいものだという例として、<トゲアリ>の話をする。 
 
 動物でも昆虫でも、生きるためにいろいろな努力をしている。アリは子どもを産む女王アリを中心に働きアリ、戦うアリなど役割分担して一族を守り、大きくしていく。
 その中で、トゲアリという特異な行動をするアリがいる。
 策略をもって相手の巣窟を乗っ取ってしまうのだ。
 アリは目が見えないので臭いで食料を集めたり、敵味方を見分ける。
 トゲアリは標的とするムネアカオオアリの働きアリに近づき身を擦りつけて彼らの臭いを自分にくっつける。
 
 そして味方と思わせて彼らの巣に忍び込み女王アリに戦いを挑む。
 アリの弱点、頭と体を繋ぐ細いところに噛みつき切断してしまうのだ。
 トゲアリより大きいムネアカオオアリに勝てるのは、トゲアリにはトゲという武器がある。
 まんまと女王アリを殺したトゲアリがムネアカオオアリの女王になりすまし自らの子どもを生み、彼らの巣を乗っ取ってしますのだ。

 囲碁において戦略的な考え方を学んでみよう! と締めくくり、
 身を捨てて、相手を葬る<打って返し>の法を指導。
 それから後は各自実戦対局を楽しみ何とか一時間半の授業を終えた。