昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(153)多情な仲間のささやかな新年会

2013-01-24 05:06:21 | エッセイ
 金沢の中学校を卒業して、現在東京に住まう男4名、女5名が新橋の居酒屋<南洲>でささやかな新年会を開いた。
 

 今回ささやかに集まったのは9名だが、毎年1回、湯本とか熱海の温泉場でひらかれる<あじさい会>には金沢からの参加もあって、20名ほど集まる。
 5年前伊香保で開催した<古希を祝う会>には30名も集まった。
 地方の中学校出身者で、東京近辺で開かれる同窓会に、これだけの数が集まって、この歳まで30年近くも続いているケースは珍しいのでは?
 
 これはひとえに幹事に人を得たからだ。
 今回の新年会を招集したEくんもその幹事役の一人だ。
 しかも彼は左腕を吊ってやってきた。先の東京の雪ですってんころりんやっちゃったのだ。
 それでもへこたれない彼の幹事魂に乾杯!

 参加者はみんな70歳をはるかに超えたがみんな元気。
 特にお嬢さん(昔の)方がスゴイ!
 宮古島で3日連続、ハワイでもというゴルフレディ。
 ラジオ体操祭で何百人という参加者を取り仕切ったという地域活動ウーマン。
 今でも、これからも山歩きという山ガール。

  

 しかし、今回の極めつけは、こんなささやかな新年会にわざわざ金沢からはせ参じた元マドンナ!
「まさか来るとは思わなかったけど誘ってみたんだ」
 彼女が初恋の相手だったことを告白した男が言った。
「それでわざわざやってきたんだ・・・」
「違うのよ。そんなこと言われたことあったけど、彼のことは小学校からのお付き合いで子どもだと思っていたから」
 たしかに彼はその頃は小さくて引っ込み思案のぼうやという印象がある。今では一流証券会社で鍛え上げられ、会社経営もこなして、背も高くイケメンの立派な大人に成長したが。

「彼から誘われたけど東京の雪が心配だったし思い悩んでいたの。でもみなさんに会いたかったし、特にXくんが参加すると言うので・・・」
 何? Xくん? Xくんて誰だ! 幸せ者め!
「60年ぶりだね。それにしても当時とはイメージががらっと変わっちゃったね」
「そうなの。小学校のころはよくおしゃべりしたんだけど、中学校に入ったら思春期の所為か人としゃべらなくなったの。顔ももっと丸かったし・・・」
「憂いを秘めた乙女という感じで近寄りがたかった。今はスマートになってがらりと明るくなった」
「わたしって、もともと多情だからいろいろな人が好きになるの」
 ・・・なんじゃそれ!・・・
「今回のように、思い立ったら行動する! それが若さの秘訣かな・・・」

 この他にも多情多感な乙女、少年時代の暴露話が飛び交ったが、今回はこれまで。
 幹事役の一人で、今は病の床に臥せっているHくんを偲びながらも、楽しいひと時でした。