昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(76)文明の進化路線に逆らえるのか(12)

2011-06-18 05:31:28 | エッセイ
<釜石の奇跡>
 背後を気にしながら高台を目指す子供たち。小学生は中学生に手を引かれているこれは東日本大震災の大津波から避難する鵜住居小学校(361人)、釜石東中学校(222人)の避難の様子を住民が撮影した貴重な写真だ。釜石市内の児童・生徒はほぼ全員が無事逃げ延びた。
 (産経ニュースより)


 地元の整形外科医によれば、釜石市が平成17年から専門家(群大・大岡先生)と相談して防災教育に年間5~10時間さいて、避難三原則を徹底させたことが成功した。
 その(1)想定にとらわれるな
 その(2)最善をつくせ
 その(3)率先して避難せよ
 鵜住居小は海岸から約1KM,地震直後、小学生は校舎3階に自動集合(地震で校舎に被害がなかったのと、浸水想定区域外だったので)、その頃隣接の釜石東中では生徒は校庭に駆けだした。停電のため校内放送はなかったが、これを見た小学生たちは、日ごろ同中との合同訓練を思い出して、自らの判断で校庭に駆けだした。その後600人が一緒に高台のグループホームに避難、その直後裏山の崖崩れに気づき、さらに500M後方の介護施設に避難した。避難した約30秒後にグループホームは津波にのまれた。



 最後の介護施設の100M前で津波は止まった。
 すべての行動は10分足らずの出来事だった。

 一方、河口から4KMに存在する石巻市立大川小では、児童108名死亡・行方不明74名の参事。明暗を分けたのは<教育>だった。
「私が感心したのは、やはり最初の<想定にとらわれるな>です。緊急時にはむしろマニュアルは邪魔する場合もあります」と同医師は述べている。

 <保育所の3つの信念>
 5/11テレビ<みのもんたの朝の番組>で津波被害にあいながら、一人の犠牲者も出さなかった2つの保育所の取材が放映され、ここでは<三つの信念>が子どもたちを救ったと報道されました。

 その(1)早く逃げる
 その(2)避難場所やルートは自ら考える
 その(3)地震発生で津波がなくても逃げる
 実は、岩手県、宮城県、福島県の1045か所の保育園では犠牲者はゼロでした。
 上記の<3つの信念>は、釜石の<避難3原則>とよく似ています。

 この事実に関連して、知人の医師からコメントをいただきました。
 これが<人類の文明論>ともかかわる、なかなか興味深いものなので明日紹介させていただきます。

 ─続く─