マル鉄・鉄道写真館

鉄道・バス・航空機・はたらくクルマなど、乗り物全般の歴史をご紹介しています。

東武鉄道 熊谷線:キハ2000

2020-06-12 08:00:00 | 私鉄(大手)
東武鉄道 熊谷線:キハ2000


東武鉄道熊谷線は、埼玉県熊谷市から北へ伸びる、わずか4駅間のミニ路線でした。
本来は、終点の妻沼(めぬま)から利根川を渡り、反対側から建設していた小泉線とつながる計画でしたが、第二次世界大戦の影響や利根川橋梁の工事に困難さから建設は休止になり、結局は利根川を越えることはできませんでした(昭和49年に正式に工事中止決定)。

同線は、東武鉄道の旅客営業線では最後まで残った非電化路線としても有名な存在でした。キハ2000型が3両配置され、原則単行運転でラッシュ時には重連が組まれていたこともあったようです。全線が1閉塞(へいそく)区間で、途中に交換設備はありませんでした。


私が高校3年生になったとき、当時の国鉄でも赤字ローカル線の廃止が騒がれていた頃、東武鉄道の中でも異端であり超赤字であった同線の廃止が取り沙汰されるようになり、同級生と初めて訪れることになりました。

撮影は、すべて昭和56年8月28日 妻沼駅にて。



終点 妻沼駅にたたずむキハ2000



妻沼駅を後にするキハ2000



キハ2000の運転台



熊谷に向けて出発を待つキハ2000

この日は生憎の雨模様。しかもモノクロであったため、かなり硬調な写真になってしまいました。

我が家から一番便の良い場所にあったローカル線ですが、まだ高校生でクルマを運転できたわけではありませんので、なかなか訪問の機会はありませんでした。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (金太郎)
2020-06-15 05:32:51
つばさ様、お早うございます。
出勤前にコメしていきます。
東武らしからぬ非電化路線だった熊谷線、わたくしはついぞ訪問出来ませんでした。
妻沼から先、利根川を越えて小泉線とつなぐ計画だった・・・その話は聞いたことがあります。
実現していたらどうだったか?などと想像してしまいます。
キハ2000、以前鉄コレで発売されたものを持っております。
鹿島鉄道のキハ430型と類似ですが、内装がごく簡単ですが東武の物はクロスシートになっておりました。
返信する
Unknown (キハ181つばさ)
2020-06-18 11:10:15
金太郎様
受け売りですが、軍事目的の路線であったため、わざと人が住んでいない場所を買収して敷設したらしいので、その辺りの経緯が終戦後に仇となってしまったようです。
それでも、高校通学の需要は結構あったようで、2両編成の気動車に押し合いへし合いで凄い状況の写真を見たことがあります。
キハ2000の車内は、キハ10系タイプの背もたれの低いものが使用されていたと記憶しています。車両は短くデッキもないため、空間が広く感じられたように記憶しています。
東武本線に繋がらない孤立路線であったため、赤字は必然だったと思いますが、東武が秩父線の熊谷までを運営していたら、小泉線くらいまでは維持できたかもしれませんね。
返信する
Unknown (風旅記)
2021-01-29 02:54:28
こんばんは。
今では随分と整った体裁の東武ですが、昭和の時代にはもっと泥臭くも魅力的な風景がたくさんあったのだろうと思います。
こちらの熊谷線も、非電化の短い路線を小さな気動車が行き来して、長閑な光景が広がっていたのではないでしょうか。
利根川の対岸は小泉線の通る辺りなのですね。土地勘のない場所ゆえに地図を見てみましたが、この路線の生い立ちを知り成程と合点がいきました。
車両だけでも見に、妻沼を訪ねてみたくなりました。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
返信する
Unknown (キハ181つばさ)
2021-02-05 12:01:41
風旅記様
今から思えば、埼玉県内における非電化私鉄路線ってここが最後だったかもしれませんね。
戦前の計画なので知る由もありませんが、都心を含め軍事目的で設置された路線は多くありました。私鉄では珍しいような気がします。
歴史を持った路線でも、収益が上がらなければ廃止。廃止になってしまうと地図上からその所在した痕跡が消えてしまうこともあり、その時代の資料をきちんと保存しておかないと、経緯を辿ることすらできなくなってしまいますね。
葬式鉄をする気はないのですが、こうした記録を取っておくことは良いと思います。自分が生きているうちは誰かが活用してくれると信じて。
実は、営業最終日にも訪問しているのですが、プリント出力しておらず、コマ数も結構あることからどうしようかと考えています。いずれご紹介する時がくるかもしれません。
返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんでした。
返信する