ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

えっ、評判悪いのか???

2023-08-24 11:51:24 | 菜の花座
10月1日、米沢芸文祭で上演する演劇作品2本、台本が上がった。

書き上がった作品、菜の花座で読んでもらった直後。
な、何よこの静寂は?
えっ、ダメなの?面白いって思ってんだけど。
特に凍結卵子の国家利用の話し、『いのちの明日』。
期限切れで利用可能性のなくなった凍結卵子、そのうちの優秀な遺伝子を保有するものを代理母で出産させ、国家の管理でエリート人材を確保しようとする話しだ。
誰が代理母になるか?服役中の女性、健康な母体を持つ若い女性が、減刑と引き換えに承諾する。嫌な話しだよな、確かに。
この方法のヒント、わかるかな?
ロシアのワグネル兵士の補充、囚人を狩りだして最前線に立たせる、生きて一定期間を過ごせれば解放される、あれだよ。
なっ、世の中、すでにそこまで壊れてるのさ。
受精卵移植だって、日本では不妊治療に限られてるが、世界的にはほぼ条件なしで行われている地域もあって、わざわざそこに出かけて好みの子どもを卵子から育ててもらって買い取る、なんてこともざらに行われている。
少子化と頭脳流出に悩む日本、優生思想が根強く残るこの国で、『いのちの明日』が荒唐無稽とは言い切れないんだ。
ただ、気味悪い、見たくなかったって感想はたしかにあるだろうな。凍結卵子とか、受精卵の子宮着床とか、女性の内密な部分があからさまにされてるってことも不快さにつながってるのかもしれない。なに女の秘密覗いてんのよ!ってことだ。
あるいは、生殖、子育てという神聖な営みが、軽口の連続で扱われるのが耐えきれないのかもしれない。菜の花座の女性たち、高齢だし誰もがノーマルな子育て感を持った人たちだからな、経験者としても認めがたいものなのかもしれない。
でもな、って思うんだよ。
フツーのひとたちの感覚にさざ波を起こすってことが演劇の目的でもあるわけだろ。ショックの先に本当が垣間見られればいいんじゃないのか。
この作品を実際に演ずる米沢の劇団の女性たちはまさしくこの凍結卵子所有の世代、その人たちは面白いって言ってくれてるってことが、救いだな。出演者が気に入ってくれてるなら問題はない。
波風立てたくない主催者の渋い顔も目に浮かぶが、それより、劇の本質を見抜く観客の慧眼に期待しようぜ。
あっ、決してこんなダークな未来を待ち望んでんでなんかいないからな!その点、くれぐれも誤解のなきよう。



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