ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

頑張れ!夜のパン屋さん

2020-10-10 10:49:58 | 世の中へ

 若いころ、パン屋だったのさ。職人として入って5年、最後はスーパー内のインストアベーカリーを任されるまでになった。初めはやり甲斐に燃えてたんだが、そのうち、疑問を感じるようになっちまった。悩みの種は連日の売れ残り。個人商店と違って、スーパーって閉店ぎりぎりまで商品を切らすな!ってお達しが、そりゃもう厳しいんだ。そんな、売れっこないって。閉店直前にパン買ってく客なんて多くはないぜ。と、なると店頭に出て値引きのシール張りと特売の声掛けだ。これで全部売切れれば、まあ、残念だが諦めもつく。でも、そうはいかんだろ。当然、大量のパンが棚に残る。それらは結局、廃棄処分!これが嫌で嫌でねぇ、そんな食べ物無駄にする仕事続けてる意味ないんじゃないか?って。で、転身、第2の人生へ!ってなったんだ、ちょっとカッコよく脚色すると。

 だから、今も、夜中近くコンビニなんか寄ると、棚一杯に残ってるパンやサンドイッチが不憫でならない。なんとかならんもんか?世界全体じゃ飢餓人口が6億もいる、いや、国内だって食うや食わずって人たちたくさんいる。子ども食堂が大盛況?って言うだろ、いいのかい、そんな無駄なことしてて。食べ物粗末にすると、罰は当る!って、古き日本の良き伝統、どこに行っちまったんだい?店主が賞味期限間近な弁当安く売ろうとしたら、セブンやローソン、ファミマの本部が大慌てで禁止させたとかって、いったい、何考えてんだよ。この我が儘いっぱいの食の在り方続けてたら、この国の将来は絶対、地獄行きだと思うぜ。飢餓地獄!

 そこに忽然、現れたのが、「夜のパン屋さん」!

 「ビッグイシュー」、ホームレスの人たちに雑誌販売させてその売り上げを彼らの生活資金に当てるって活動してるグループね、がパン屋始めたんだ。閉店時売れ残ったパンを引き取って、夜、ストリートで安く販売してるっことなんだ。いい取り組みだねぇ。パン屋は売れ残り捨てないで済むし、通りがかりで買ってく客は安く手に入るし、売り上げはホームレスの人たちの生活を助ける。一石三鳥、ってもんだぜ。いや、路上生活者の存在を知ってもらうって意味もある。さらに、ビッグイシューの活動もね。毎回、売り切れだってさ、嬉しくなるじゃないか。

 各地で少しずつ始まってるフードバンクの活動も同じだ。食べ物の無駄をなくすとともに、求めてる人たちを手助けしていく、そんな活動、今はもっぱら個人やグループの善意に縋っている。これって、政治が率先して取り組む課題じゃないのかい?公的な仕組みとして作り上げる必要があるんじゃないのかい?自助、共助に頼って、本来やるべき公助をさぼってるっていい例じゃねえか。

 ただし、根本は、残り物貰わなくたって、すべての人が健康な食生活送れる社会にするてことだけどな。その上で、食べ物無駄にしないって社会システム作るってことだぜ。

 

 

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