ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

隠れた名番組!

2021-09-10 15:05:55 | テレビ

 基本、テレビはほぼ見ない。朝食時、羽鳥慎一のモーニングショー、日曜ならサンデーモーニング、こ二つは神さんのお付き合い。これとても政局絡みの話題になればすぐに消す。政治と言ったら、総裁選や内閣人事なんかの裏事情読み、この歪んだ思い込みを広めたのは、テレビのワイドショーだものな。政治ってそんなもんじゃないだろ。貧富の格差とか、差別問題とか、男女格差のこととか、地方の衰退とか、歴史改竄のこととか、研修生の待遇問題とか、世の中、掘り下げきゃならん題材は山ほどある。すべて、これ、政治問題なんだぜ。なのに、総理や総裁選立候補者の追っかけばかり!まっ、見なくなるわな、これじゃ。

 夜のゴールデン時間帯?民放はほぼ芸人とアイドルが仕切ってるしな。手間のかからないクイズ番組かアイディア不足の罰ゲームものばっか!まっ、SNSやNetflixとかAmazonプライムにゃ勝てんよ、絶対。

 ただ、幾つかの番組だけは、欠かさず録画予約、昼休み時間帯のお楽しみ視聴している。そのうちの貴重な一つがNHK「100分de名著」。これ、なんと、番組表に出て来ないんだぜ!驚くよな。そう、まさに隠れた名番組ってことさ。

 100分で古今の名著を読み解く、ってなんか、今時風のお手軽教養、マンガで読むなんとか、みたいで、以前は見向きもしなかったんだが、最近は忘れずに録画・視聴するようにしている。現代の課題を突く名著が次々と取り上げられているからなんだ。ざっと上げても、マルクス「資本論」だろ、ボーボワール「老い」、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」、ハンナアーレント「全体主義の起源」、レイ・ブラッドベリ「華氏451」、そして、今はル・ボンの「群衆心理」だ。

 このラインナップ、凄いと思わないか?今、社会が問われている問題を考えさせるものばかりだ。「資本論」は格差社会だろ、「老い」は高齢化社会、「戦争は女の顔をしていない」は戦争と女性、「全体主義の起源」と「華氏451」は忍び寄るファシズムや監視社会、そして、「群衆心理」はポピュリズムとフェイク社会の危険性だ。とてもとても、教養主義なんて生ぬるいものじゃない、グサグサ来るぜ。今、必死で考えなきゃならん課題ばかりだ。

 当然、番組スタッフには時代と切り結ぶって視点が明確にある。だから、解説者も今や旬の学者や評論家が起用されている。上野千鶴子、斎藤幸平、武田砂鉄、・・・。進行を担当する伊集院光もしっかり本を読み込んで、自分の視点から鋭い合いの手を差し出していて、これにも感心させられる。

 今週から始まったル・ボンの「群衆心理」、19世紀フランス革命に遭遇した著者の大衆・群衆へのおののきから生まれた書だが、書かれている内容は、まさしく現代に突き刺さる。繰り返される断言により、紋切型のイメージと粗雑な陰謀論やフェイクニュースに操られ、暴力的な行動に突っ走る、なんて、まさにトランプ主義者の国会突入事件にそのまま当てはまるじゃないか!

 いや、アメリカだけの話しじゃない。日本だって、この手の民衆?は少なくない。歴史を書き換え、差別を煽り、偽情報や悪罵で気に入らぬ人たちを吊し上げ炎上させる。危ない、危ない!

 紹介された本を読んでみるってことも大切なことだ。「ハンナアーレント」や「戦争は女の顔をしていない」は取り寄せて直に触れている。が、すべて、読む、なんてことは無理のまた無理。だからこその「100分de名著」なんだ。この番組に導かれつつ、今まさにの問題を考えてみる、それはとても大切なことなんだと思う。テキストを買って読む、てのも当然ありだ。

 なのに、番組表じゃ裏に隠されてる!って、おお、これぞ、まさしく大問題じゃないか。

 

 

 


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