ステージおきたま

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山形新聞日曜随想第6回『シニアの元気が止まらない!』

2015-07-12 21:07:00 | アート・文化

 月1の掲載、早いものです。早くも6回目、折り返し点です。2回ほど演劇の話題を遠慮しましたから、ここらでいいでしょ、お芝居も。ラストには菜の花座公演の宣伝も載せてもらいました。感謝! 

 シニアの元気が止まらない!6月5日から7日まで、仙台市青年文化センターホールで行われた全国シニア演劇大会。3日間、9団体の出演と盛りだくさんの内容ながら、どの舞台にも300名を軽く越す観客が詰めかけ、大盛況のうちに幕を閉じた。南は島根から北は青森まで、各劇団がこの日のために磨きをかけた演技を披露し喝采を浴びた。

 地元の民話に材を取り、コミカルなねほだれ(大ほら吹き)的な趣向に乗せて、島の女のせつない思いを歌い上げた八丈島の劇団、ゴジラに恋する少女の純愛を大爆笑のうちに演じきった仙台のシニアたち、自衛隊にシニア部隊が創設されたという奇想天外の設定から平和の尊さを鮮烈に印象付けた東京の劇団など、これがシニアか?と思わせる質の高い作品が数多く並んだ。

 我が「菜の花プラザシニア団」も、男が女に、女が男になったら互いの気持ちもよくわかり、戦争や諍いもなくなるんじゃない?と、これまた、逆転の発想で問いかけた。ダンスに始まりダンスで終わる洒落た趣向や、手作り衣装のセンスの良さも受けて盛大な拍手をいただくことができた。

 二日目の演目終了後に行われた交流会も開会宣言の前から一気の盛り上がり、あちらこちらで何度も乾杯が繰り広げられ、あっという間に年来の友人、知人となり、和気藹々の懇談風景が広がった。余興として出演してくれた地元ジャズオーケストラの演奏にもノリノリのシニアたち、立ち上がって踊り出す人たちもいて、さながら人気グループのライブのような活況だった。

 演劇というジャンピングボードで跳び上がったシニアたち、さっさと殻を破り、限界を超え、ついには年齢をも超越して、明るく軽やかに飛翔してしまうのだろう。人間が持ってる可能性って、とことん大きい!改めて感じた3日間だった。

 夢の饗宴から戻って二日後、シニアには新たな試練!新たな地獄?が待っていた。菜の花座の次回公演だ。おめでた続きの菜の花座、一人欠け二人欠けして、若手はわずかに3人になってしまっている。3人で舞台作るのは、なかなかの荒技だ。すでに昨年女4人だけの芝居を打ったこともあって、今回は、まとまった人数で勝負したい。

となると、出番ですぞ!シニアたち。女性陣7人には引き続き、2ヶ月後の新作本番までおつきあいいただくことにした。またなの?!って不満はじわりと伝わってきたけれど、座長権限で一切、無視!楽ありゃ苦あり、なのさ。

 そう、今度はさらに苦労してもらうことになる。まず、役者は女ばかり10人。一人二役にも三役にもなり、男になることもあるという超難物の役所(やくどころ)。しかも、会場は野外ステージ!周囲の林から後ろの天神森まで縦横に駆け回ってもらおうか、という無理難題。稽古では、さっそくもも上げやらまた割りなど筋トレ要素も導入、各自ランニングやウォーキングなど自主トレの実行を義務づけた。声が拡散する野外の条件を考えて、発声も重視、声に力のない人には厳しくダメだしを続けている。

 新作『お遍路颪(おろし)』は、秩父(埼玉県)34カ所札所巡りに舞台を借りて、130年前の秩父事件を女の立場から描いた作品だ。暴利を貪る高利貸しや失政のつけを庶民に回す時の政権を相手に、武力をもって立ち向かった貧しき人たちの決起の様をたどりつつ、戦いにあっては後ろで支え、蜂起壊滅後は、言われなき非難と差別、襲い来る困窮を、ひたすら堪え忍んだ妻や母たちの暗くせつない思いを伝えたい。時空の歪みの中で、明治の女たちと行き交う今時の娘二人。女たちの壮絶な人生に触れ、二人は踏み迷う隘路を抜け出せるだろうか。

8月2日(日)6時半開演。川西町フレンドリープラザ野外劇場での上演だ。

 

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