またまた、『未生』だ。
うーん、このドラマはいろんなことを考えさせてくれるなぁ。
これで3回目だぜ、まだ最終回を残してるってのに。
そう、第19局、会社に不利な取引を執行しようとしたとして、専務が責任を問われ左遷。その実働部隊として働いた営業3課は、その契約の不自然さを明らかにしたということで、罪は問われず。
だが、そこから地獄が待っていた。
中国の特殊な商習慣をやり玉に挙げる形になったことで、他の部門の中国関連事業が軒並みストップ、原因になったということで、営業3課は会社からも干され、他課からもつまはじき、暗黙の非難にさらされる。
その直接の原因を作ったのは契約社員の若手、まっ、理由はいろいろあってここが物語の胆なんだが、単なる迂闊な勇み足なんかじゃない。
問題は、その課の次長がすべての責任を自ら引き受けて辞職する。カッコいい、けど、
うわー、そこまでやっちゃうか!なんとか、助けてやれよ、あんまりだろ、と画面越しに応援したところで、次回最終回につながるんだが、どうなるんだろ?
最終決着はお楽しみとして、こうやって部下を庇って一心に罪を被るって人、少ないよなぁ。身近な例には、国会の裏金議員たち、あの無様な姿見りゃわかるよな。知らなかった、秘書が勝手にやった、って、全部秘書のせいにして恥ることなし。なんなんだ?この無責任体制は。
かと思えば、鹿児島県警、身内の罪をひた隠すために、事件隠ぺい、それを内部告発した人間を機密漏洩で逮捕!?って、ええーっ!
部下が可哀そうだからじゃないぜ、署内の恥は自身の汚点、つまり、見苦しい自己保身の発露だ。
ざっと見ても、世の中、無責任が処世の原則だってことはわかるよな。なかなか、上に立つ者が罪を引き受けるって難しいことなんだぜ。
だかせこそ、この『未生』ってドラマが拍手喝采を受けるわけなんだよな。部下を庇い、自ら決然と責任を引き受けて、決着を目指す、こういう上司の下で働きたいもんだよ、って、多くの人が共感してるんだよな。
裏金議員秘書の皆さん、もういつまでもそんな破廉恥で身勝手な議員たちに忠誠を誓ってる必要はないんだぜ、その程度の男たちなんだからさ。さっさと見切っちまえよ。
もっとも、日本の仕組みじゃ、表立った責任は押っ付けるけど、あとの面倒はしっかり見るって取引きになってるんで、そこがいつまでもなぁなぁの無責任社会から脱出できない理由なんだけどさ。