タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

まじめに肝斑

2012-07-13 21:14:04 | 美容医療
最近、診察した患者さんは、
肝斑(かんぱん)というシミができてしまったようです。
思い当たることと言えば、ピルを内服しておられるのです。

こういう場合の対応としては、まずピルを中止するのがいいです。
避妊の目的で飲んでいる場合は、子宮内避妊具のリングに変えるのもいいでしょう。
ホルモンの補充療法として飲んでいる場合は、
エストロゲンとプロゲステロンを合わせた薬か、
もしくはコンビネーションで内服しておられる方が多いでしょう。

そういう場合はプロゲストンの割合を減らすのもいいのではないでしょうか。
例えば、毎月プロゲステロンを内服しているのだとすれば、3ヶ月に1回にするとか、
あるいは少量のエストロゲンだけを連続して使用するといったものです。
そういう意味では、先日もご紹介しましたが、
エストロゲンの塗り薬なんかはいいでしょうね。しかも保険が利きますから。
エストロゲンの中でもエストリオールという副作用の少ない種類もあります。
タマル産ではそれは膣に入れる座薬を置いています。

話がそれてきましたが、肝斑というシミ、
最近は宣伝で流れているようで、知っておられる方が増えました。
原因は分かっていないのですが、
産後にできたとか、こんな風にピルを飲むとなったとか、
どうも女性ホルモンが引き金になっているようです。
皮膚科的には、洗顔などで、顔をこすり過ぎる習慣のある人に多い、
などと言いますが、どうなんでしょうか。

さてホルモンを整えたら、次にはシミを消す薬を使用しましょう。
飲む薬といえば、トラネキサム酸が有名になりました。
止血剤としても使用する薬ですから、
血栓症の薬を飲んでいる方や、ピルを飲んでいる方は注意しないといけませんね。
ですが、それを除けば安全な薬ですから、2ヶ月は続けると言いますが、
割と長期にも処方する先生も多いようです。

これと同時に高濃度のハイドロキノンを塗り薬として併用するのもおすすめです。
最近では肝斑に利くレーザーもあると言いますが、
基本は保存的な治療になるでしょう。
ただし、これではせっかく美容皮膚科と看板を掲げても、
あまりすることがなくなっちゃいますね。
来週はもう少しアグレッシブなものもご紹介致しましょう。

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今日も難産の子が丑三つ時に生まれました。
そして連休前とあって、外来がとても混雑していました。
みなさん余裕を持ってご来院くださいね。
ということで、昨日の朝から仕事をし続けていまーす。