タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

2021年度の分娩数の比較

2022-12-23 16:43:36 | 産科
今年最後のタマル産のブログとなります。
毎年ここで、その年の1年間の分娩数や不妊外来の成績を示しているのですが、
今年は他院の報告に合わせて、最新の年度での分娩の報告とさせていただきます。

丹波篠山市の妊婦さんで、産まれることの多い3つの施設を比べてみました。
最初に感じるのは、経膣分娩される妊婦さんの数は、3施設ともそれほど変わらないということです。
違うのは帝王切開の数だけですね。
タマル産ではこの1年度で1人だけでしたよ。
グラフでは見えませんね。
それに対して済生会が160人、丹波医療センターが72人です。
本当にそんなに帝王切開する必要が有るのでしょうか。

もちろん済生会は紹介患者さんを多く受け入れているので、双胎分娩が22人、
丹波医療センターは双胎が3人で、
タマル産は初期に紹介したので0人というように条件は多少違います。

それでも丹波医療センターは、健診費用を安くしてまで妊婦さんを集めていますから、
タマル産と同じような妊婦さんを健診していると見て良いでしょう。
いかにタマル産の帝王切開が少ないのかが分かりますね。

帝王切開が多くたって、安全なら良いのでは、と思われるかもしれません。
ですが帝王切開では必ず麻酔をする必要が有りますね。
私は麻酔科標榜医という資格を持っているのですが、それでも妊婦さんの麻酔は気を使います。
帝王切開の麻酔は脊髄麻酔と言って、虫垂炎の時にする麻酔と同じです。

一度でうまく入れば良いのですが、妊婦さんはお腹が大きいので前屈みになりにくく、
穿刺困難な時は、急に全身麻酔になることが有ります。
その場合は気管挿管をするのですが、これまた妊婦さんでは入らないことも有ります。
それでお母さんは亡くなり、児も障害が残ったという症例が報告されています。

最近よく言われるのは、次の妊娠の時に、子宮の切開部に胎盤が癒着して大出血を起こすというものです。
他には感染症や子宮破裂など、リスクが上がるのは確かでしょう。
最近の帝王切開の急増で、輸血する妊婦さんが増えたり、合併症が増えているのが問題ですね。

妊婦さんにとってはデメリットだらけですが、病院にとっては帝王切開にはメリットがたくさん有ります。
まず収入が倍に増えます。
夜中の分娩が減ります。
お産でトラブルが有っても、帝王切開していたら言い逃れができます。

政府の最近の大病院への誘導政策は、必ずしも正しいものだとは言い切れないのではないでしょうか?





里帰りも家族同伴でのお産も歓迎です

2022-12-16 17:05:50 | 産科
写真は、タマル産での1コマです。
生まれたばかりの赤ちゃんって、こんな感じなのですよ。
タマル産では、家族に見守られてウォーターベッドの上で産みます。
生まれてからも、赤ちゃんと一緒に居られるのです。

赤ちゃんが生まれた次の日に、お姉ちゃんが赤ちゃんにお手紙を書いていました。
つたない字なのですけれどね。
「れみちゃんへ うまれてきてくれて ありがとう」

もとは古い本なのですが、岩崎ちひろさんの「赤ちゃんの くるひ」という絵本を買っておいたのです。
ちょっと複雑なお姉ちゃんの心境を描いています。
お母さんの愛情を独り占めできないような?
それでも最後にくまちゃんのぬいぐるみを赤ちゃんにあげるのですよ。
そのせいか、うちの孫娘も家に帰ってきた赤ちゃんの枕元に、アンパンマンの人形を置いてあげていましたよ。

産婦人科医をしていて良かったな、ということです。
ですが最近はネットが発達したおかげで、タマル産への誹謗中傷がすごく多いのですよ。
そもそもマスコミが反日的な言動や、宗教に対する批判ばかりをするものだから、
それがコロナうつとも重なって、
人心がすっかりと荒廃してしまいましたからね。
まさか政府がこれほどまでに嘘つきだなんて、知りませんでしたね。

タマル産では、今までもこれからも、
ただ世界平和と子供たちの未来のために、
まずは幸せな家族を作るお手伝いをしていくばかりです。

それでタマル産ではすべてのコロナ対策はやめることにしました。
マスクや手の消毒をしなくても構いませんよ。
職員はとりあえずしていますけれどね。
以前のように両親学級に参加するのに、ご主人や上の子と同伴でも構いません。
お産にお爺ちゃん、お婆ちゃんを連れてきてくださっても構いませんよ。

それからコロナのワクチンなんて、絶対にしてはいけませんよ。
メリットよりデメリットの方がずっと多いからです。
コロナにかかったら、家で3日間、寝ていれば良いのです。
PCR検査なんて、受ける必要は有りませんからね。

ほほえみを、思い出してみてくださいね。





丹波篠山と言えばボタン鍋でしょう

2022-12-09 15:32:56 | 美容医療
久しぶりに職員みなで食事会をしてみましたよ。
いつもはマスク姿しか見ていないので新鮮でしたね。
医療機関が食事会をするとバッシングする人もいるくらいですが、うっくつした心は取り払いましょう。

丹波篠山に来て26年が経ちました。
大学6回生の時に、長女を妊娠しているカミさんを連れて篠山マラソンに来たのが36年前ですからね。
医師国家試験前で体力がなかったことは言い訳させてください。
マラソンの帰りにボタン鍋屋さんに寄ったのですが、
それを記念してタマル産では初めてのボタン鍋屋さんの「懐」さんでの昼食会でしたよ。
その後生まれた長女と、その娘と、さらに篠山生まれの次女も連れて行きました。

ただ丹波篠山市では急激に出生数が減っているので、
いつまで産婦人科を続けられるか分かりませんが、産んでくれる人が居る間は続けないとね。

ということで、来年1月から美容皮膚科の脱毛メニューのテコ入れをすることにしました。
他院では1回で全身の脱毛をしてしまう、クイックモードが流行っているようですね。
今までタマル産では丁寧に時間をかけて数回に分けて行っていた処置を、
短時間に変更し、その代わりに1回で全身に照射し、
さらに3回セットだったものを5回セットに増やして、
値段は今までよりもお安くしてみました。
エステに通っている方は何年もかかる脱毛を、わずか5ヶ月で終了することができますよ。
これならエステよりずっと安い金額で、しかも短時間に、永久脱毛ができるようになるわけです。
医療レーザー脱毛
1月からの新規コースですが、現在進行形の方は終了後は新規コースをお選びください。

美顔コースの方は、今まですごく割安にしていたのですが、残念ながら1月から値上げさせていただきます。

さっそくフェイスブックも表紙を変えましたよ。
タマル産のフェイスブック

タマル産のインスタもチェックしてみてくださいね。
次女が管理していますので。
タマル産のインスタ

少し早いですが、来年もよろしくお願いします。
年末年始は12月28日の水曜日まで診察です。
年始は1月4日の水曜日からになります。



帝王切開考

2022-12-02 19:21:49 | 産科
先ほど難産の43歳の骨盤位の初産婦さんが赤ちゃんを産まれたところです。
他院であれば間違い無く帝王切開でしたよ。
それで今日も先週に引き続いて、帝王切開について考えていきます。

上のグラフは兵庫県で分娩数の多い18施設と、ついでにタマル産を比べたものです。
その生データは次の表です。


診療所や病院に関係なく、帝王切開率が高い施設も有れば、低い施設も有りますね。
タマル産は医師一人でやっているので分娩数が少ないのですが、帝王切開が分からないくらい少ないですね。
ちなみに分娩数1位の母と子の上田病院と、3位の尼崎総合医療センターの前身の塚口病院の両方で、私は勤務していましたよ。

ではなぜ帝王切開になるのでしょうか?
あるいは施設によって帝王切開率に開きが有るのはどうしてでしょうか?
それには帝王切開になる原因を把握すれば良いのです。

帝王切開の適応で一番多いのは、既往帝王切開です。
1人目が帝王切開になったので、2人目や3人目もなるということですね。
1人目が帝王切開だと、次の妊娠でも約85%が帝王切開になります。
だから1人目の帝王切開率を下げさえすれば、全体の帝王切開率が下がるのですよ。

それでは1人目の帝王切開の適応とは何でしょうか?
1番多いのは骨盤位(さかご)ですよ。
だからさかごは外回転術で回してあげれば良いのです。
もし不成功であれば、さかごのまま産ませてあげれば良いのです。
ですが今の若い産婦人科の先生は、さかごの介助の訓練を受けていませんからね。
ちなみに私は分娩数の多い天理よろづで4年間、24時間体制で、すべてのさかごの主治医をしていましたよ。

次に1人目の帝王切開の適応の2番目はというと、CPDです。
CPDとは児頭骨盤不均衡という意味です。
要するに骨盤より胎児の頭が大きいので、陣痛が来る前に帝王切開しましょう、ということです。
病院によっては事前に骨盤のレントゲン写真を撮って、狭いから帝王切開と言われます。
あるいは臍の緒が首に巻いていると骨盤に入って来ないことが有るので、
CPDと誤診されることも有ります。
ですがタマル産ではレントゲンを撮る機械も有りませんし、
過去数十年に渡ってCPDで帝王切開をしたことは一度も有りません。
だって人間の胎児の頭にはヒビが入っていて、伸び縮みできるようになっているからです。
猿は1枚もので、伸び縮みしませんけれどね。
胎児が大き過ぎて生まれにくいことは有りますが、その場合は頭回りより腹囲が大きいのです。
だから事前に骨盤の写真を撮っても何もわからないのですから、とりあえず陣痛が来るのを待てばよいのですよ。

1人目のお産で帝王切開になる適応の3番目は、胎児仮死です。
これは避けにくいものですが、緊急で吸引分娩をしたり、
子宮の出口を伸ばしてあげたりすることで回避できることも有ります。
このタイミングの判断には熟練を要するので、一朝一夕では身に付かず、分娩介助の豊富な経験が必要なのですね。
ですが、自分で分娩介助をしている産婦人科の先生を知っていますか?
ほとんど助産師さん任せではないでしょうか?
そこがタマル産では帝王切開率が低い、一番の理由でしょうね。