今、病棟に来られたら、それはそれはにぎややかですよ。
もう1週間以上の連日、1人、2人と赤ちゃんが生まれているからです。
つい先ほども外来中に生まれました。
でもこれからまだ陣痛のお母さんが居られます。
むかし医学生の頃、「ヒポクラテスたち」という映画を観ました。
監督は兵庫育ちの大森一樹監督です。
自主上映で、映画館でやるような映画ではなかったのです。
冒頭、京都の鴨川沿いで、急病人が出るのですが、
医学生である主人公は、手に持つ白衣を隠すのですね。
これは分かります。中途半端に人助けなんかできないのです。
若い頃はバスや飛行機などの乗り物に乗っても、
急病人が出て、「どなたかお医者様はいらっしゃいますか?」
なんて言われるのじゃないかとビクビクするのですね。
もっともそんな状況はドラマの中だけなのですけれど。
来週、タマル産では夏の研修会が有ります。
年に2回、勉強会やら消防訓練やら、お食事会やら、兼ねているのですよ。
夏期はとくに、中学生も参加するので楽しいのです。
勉強会では医療安全委員会と、感染症対策委員会主催の勉強会が有るのですが、
私も1つ提案しようと考えているのです。
今回は、新生児蘇生法を訓練しようかとね。
赤ちゃんが生まれてくる時、普通に生まれてくる子が多いのですが、
時には、生まれる前に心音が落ちて、こちらがドキドキすることも有ります。
そんな時は急いでお産が終わるように手助けしたり、
吸引分娩になったり、もちろん帝王切開になることも有ります。
今週も会陰切開をしました。早く産ませてあげないと、という判断からです。
100人ぶりくらいでしょうか、会陰切開をするのは。
今の陣痛のお母さんは、ひょっとすると明日、帝王切開になるかもしれません。
そんな時に、極くまれに赤ちゃんが仮死で生まれることも有るのです。
そうですね、100人に1人くらいと言われています。
もちろん重症の仮死か、軽い仮死かによっても統計は変わりますが。
仮死というのは、生まれた時に赤ちゃんが泣かないし、
筋肉の緊張が低いのです。簡単にいうとグッタリしているということです。
でもあせってはいけません。
すぐにタオルで拭いたら、刺激して泣かせ、
マスクを口に当てて、バッグを押して、呼吸を補助するのです。
これを30秒、続いて、胸を圧迫すること3回、そしてバッグ1回、
これをまた30秒続けます。これでまず自分で呼吸ができるようになって、
心拍数も上がってきているはずです。
手につけた、元気具合を測る酸素飽和度測定器の数値も改善してきていることでしょう。
新生児仮死の9割以上はこれで改善するのですよ。
さらに必要とあらば、気管挿管と言って、気道に管を入れて、人工呼吸をします。
ここまでしないといけない時は、救急車を呼んで、医師同乗で3次医療施設に転院です。
こんなことは200人に1人くらいかな。
それでも忘れた頃には有るのですよ。
だから日頃の訓練が欠かせません。
ということで、数年前から医師や助産師、看護師、救急隊員向けの新生児蘇生の講習会が
全国的に開催されるようになりました。
もっとも都会でしかないので、なかなか参加できないのですが、
これからは定期的に私も含めて職員さんに順繰りに参加してもらうことにします。
これで高い医学水準を保てることになるからです。
赤ちゃんが仮死で生まれても、医師が手が離せないことも有るので、
スタッフもみな傍観ではいけないのですよね。
皆さんもどこに出かけても、最近ではAEDという器械をみかけるようになりましたね。
傍観者でなく、とっさに出来るでしょうか。
練習さえしていれば、できるはずですね。
もう1週間以上の連日、1人、2人と赤ちゃんが生まれているからです。
つい先ほども外来中に生まれました。
でもこれからまだ陣痛のお母さんが居られます。
むかし医学生の頃、「ヒポクラテスたち」という映画を観ました。
監督は兵庫育ちの大森一樹監督です。
自主上映で、映画館でやるような映画ではなかったのです。
冒頭、京都の鴨川沿いで、急病人が出るのですが、
医学生である主人公は、手に持つ白衣を隠すのですね。
これは分かります。中途半端に人助けなんかできないのです。
若い頃はバスや飛行機などの乗り物に乗っても、
急病人が出て、「どなたかお医者様はいらっしゃいますか?」
なんて言われるのじゃないかとビクビクするのですね。
もっともそんな状況はドラマの中だけなのですけれど。
来週、タマル産では夏の研修会が有ります。
年に2回、勉強会やら消防訓練やら、お食事会やら、兼ねているのですよ。
夏期はとくに、中学生も参加するので楽しいのです。
勉強会では医療安全委員会と、感染症対策委員会主催の勉強会が有るのですが、
私も1つ提案しようと考えているのです。
今回は、新生児蘇生法を訓練しようかとね。
赤ちゃんが生まれてくる時、普通に生まれてくる子が多いのですが、
時には、生まれる前に心音が落ちて、こちらがドキドキすることも有ります。
そんな時は急いでお産が終わるように手助けしたり、
吸引分娩になったり、もちろん帝王切開になることも有ります。
今週も会陰切開をしました。早く産ませてあげないと、という判断からです。
100人ぶりくらいでしょうか、会陰切開をするのは。
今の陣痛のお母さんは、ひょっとすると明日、帝王切開になるかもしれません。
そんな時に、極くまれに赤ちゃんが仮死で生まれることも有るのです。
そうですね、100人に1人くらいと言われています。
もちろん重症の仮死か、軽い仮死かによっても統計は変わりますが。
仮死というのは、生まれた時に赤ちゃんが泣かないし、
筋肉の緊張が低いのです。簡単にいうとグッタリしているということです。
でもあせってはいけません。
すぐにタオルで拭いたら、刺激して泣かせ、
マスクを口に当てて、バッグを押して、呼吸を補助するのです。
これを30秒、続いて、胸を圧迫すること3回、そしてバッグ1回、
これをまた30秒続けます。これでまず自分で呼吸ができるようになって、
心拍数も上がってきているはずです。
手につけた、元気具合を測る酸素飽和度測定器の数値も改善してきていることでしょう。
新生児仮死の9割以上はこれで改善するのですよ。
さらに必要とあらば、気管挿管と言って、気道に管を入れて、人工呼吸をします。
ここまでしないといけない時は、救急車を呼んで、医師同乗で3次医療施設に転院です。
こんなことは200人に1人くらいかな。
それでも忘れた頃には有るのですよ。
だから日頃の訓練が欠かせません。
ということで、数年前から医師や助産師、看護師、救急隊員向けの新生児蘇生の講習会が
全国的に開催されるようになりました。
もっとも都会でしかないので、なかなか参加できないのですが、
これからは定期的に私も含めて職員さんに順繰りに参加してもらうことにします。
これで高い医学水準を保てることになるからです。
赤ちゃんが仮死で生まれても、医師が手が離せないことも有るので、
スタッフもみな傍観ではいけないのですよね。
皆さんもどこに出かけても、最近ではAEDという器械をみかけるようになりましたね。
傍観者でなく、とっさに出来るでしょうか。
練習さえしていれば、できるはずですね。