タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

消滅都市にならないための処方箋

2019-09-27 20:43:39 | つれづれ
今週、丹波篠山市長がタマル産を訪問されましたよ。
忘れられていたかと案じていましたが、ようやく思い出して頂いたようです。

もちろん議題は兵庫医大ささやま医療センターの分娩中止問題です。
1時間ほどお話して、市長の勘違いされている点を知ることができましたよ。

その前に兵庫県の状況を思い出してみましょう。
播磨地域は、三木市と小野市が合同で播磨総合医療センターを作りました。
看護専門学校と看護大学も誘致しましたしね。
人口にして13万人強でようやく1つの産婦人科センター病院を持てるのです。

次に有馬地域でも、三田市と神戸市北区とが合同で産婦人科を済生会に集約するようです。
こちらも人口にして33万人に1つの産婦人科センター病院です。

北の方では、豊岡市、朝来市、養父市で13万人でやはり豊岡病院です。

では丹波地域は?と言えば、丹波市と丹波篠山市を合わせて11万人ですから、
1つの病院に集約するのが良いのです。
ついでに西脇市も入れてあげれば良いでしょう。
このことを丹波篠山市長は理解されていないようでした。
ただし新しくなった県立丹波医療センターにはNICUが無いので、将来は不安ですけれどね。


次の問題は、ささやま医療センターが医師不足で分娩中止すると勘違いされていましたが、
ことの本質は、出生数が著減しているために、産婦人科を維持できない、というのが正解です。
あと数年もすれば、丹波篠山市の出生数は200人を割ることでしょう。
ささやま医療センターさんでは、分娩数が月に10人を割っていたようですから、
そんな病院に産婦人科医が3人も赴任してくるはずはないでしょう。

このように現状を把握されたなら、次に対策が練れるというものです。
小学校だって統廃合されたなら、遠方の子たちはスクールバスで通うでしょう?
高齢者だって、病院行きのバスが充実していますね。
そう、マタニティタクシーの開設を市長に提案したのです。
都会では右肩上がりに増えているのだそうです。
丹波篠山は夜中にタクシーも有りません。
ご主人が休みの時にしかクリニックに健診に来ない妊婦さんも多いです。
だから平日の昼も、陣痛の時は24時間、産後もマタニティータクシーを利用するのです。
妊婦さんに助成してあげれば、タクシー会社も儲かるので、
運転手さんも各種訓練をするのではないですか。

2つ目の提案です。
馬鹿げたことに、次の1年半ほどを目処に、赤ちゃんを産んだら10万円をあげるそうです。
今でも5万円をあげているのですって。
どうせ配るなら、3人以上の多子家庭に配れば良いと提案しましたよ。
3人産めば100万円です。
1人や2人では、お祝い金は中止です。
これで子供の数は間違いなく増えます。
できればその後も多子家庭には、寡婦家庭のように助成をしていくべきでしょうけれど。

3つ目の提案です。
京都府では一般不妊治療に対して、年間15万円までの助成が有ります。
これが兵庫県では無いのですよね。
だからせめて丹波篠山市は京都と同じように助成をしてあげるように提案したのです。
そうすればもっと気軽に、しかも早期に治療ができることでしょう。
タマル産では治療にさえ来ていただければ、たくさんのカップルが妊娠されています。
体外受精などの特定不妊治療への助成は有りますが、
そこまで利用されるのはむしろ少数派ですからね。

4つ目の提案は、妊婦健診費用をけちらずに、
神戸市と同じように、満額の12万円にして欲しいとお願いしましたよ。
丹波篠山市はたったの10万円ですからね。
2万円はタマル産が負担しているのです。
本来は市が負担すべきものです。
これだけでタマル産の赤字は年間300万円くらい増えるのですからね。

5つ目の提案です。
近隣の市では、すべて看護学校が有ります。
丹波市も三田市も南丹市も、小野市も三木市も加東市も。
高校を出て、都会に流れる若い人を、田舎に留めておくのに効果が高いです。
学費を助成すれば、卒業後も残ってくれるのですから。
男性には例えば神戸大学の農学部を誘致するなどが良いでしょう。
これは強くお勧めしたのですが、どうも市長は消極的でしたよ。

これらの予算は大丈夫です。
毎年ささやま医療センターに拠出している1億2千万円を中止すれば、
有り余りますからね。

私は市議会議員では無いので、市の行政にとやかく言えませんが、
産婦人科の専門として、丹波篠山市市長に、強く提案しました。
さて、いくつかでも実行されるのでしょうか。
今決断しないと、10年後には丹波市篠山市は、経済的にではなく、
人口問題として、消滅都市となることでしょうからね。
今ならまだ食い止められるかもしれませんよ。

天運を相続しませんか

2019-09-20 21:31:04 | つれづれ
まずはアナウンスから。
今日、パンフレットを頂いたのですが、
丹波篠山市の後援で、マタニティ・ヨガが始まったそうです。
さっそく今日から妊婦さんに、そのパンフをお配りしていますよ。

場所は以前は味間保育園だったところで、篠山口駅の近く、丹南中学校の南側です。
第1水曜日と第3水曜日の午前10時から。
なので次回は10月2日の水曜日ということになります。

妊娠16週以降の妊婦さんが対象で、
持ち物は母子手帳、飲み物、タオル、ひざ掛け等、ヨガマット、無ければレンタル100円だそう。
参加費は1回500円です。
子連れでも構わないそうですよ。

お申し込みは直接、「おとわの森子育てママフィールド petit prix」で、
電話は079-550-9036ですよ。
定員が6名ということですので、お早めに。

以前はタマル産でもヨガ教室をしていましたが、担当者の退職に伴って休んでいますからね。
以上がアナウンスでしたよ。

それで上の写真ですが、院長夫妻と教会の牧師さんです。
敬老の日にポートピアホテルまで出かけてきました。
ちょうどその前にお産のラッシュが終わったので、心置きなくです。
敬老の日ということもあって、お爺ちゃんやお婆ちゃん連れの家族も多かったですよ。
何と休みの日というのに、1665名も参加されたようです。
前の方の招待席には、神戸や宝塚などの市会議員さんがたくさん居られました。


集合写真はこんな感じです。
もっとも私は、この頃には孫を連れ出して、散策などしていましたけれどね。
まあ、休日に家族愛を深めるというのが良いのです。
男性はパチンコ、女性はスマホいじり、子供はゲームとばらばらではいけないと思うのです。
ついでに言えば、子供の頃から宗教心を植え付けるのが教育なのですよ。
それが世界の常識ですから。



ちなみに初孫は1年ちょっとでこんなに大きくなりました。
自分の子供を育てていた時は、何が何だか分からないうちに過ぎてしまいましたが、
お爺ちゃんともなると、余裕を持って見ていられますよ。

もし幸せな家庭を築きたいと、少しでも興味をお持ちになられたなら、
いつでもお誘いしますからね。
このご時世の問題は、離婚するカップルがいかに多いかということですからね。
少子化の一番の原因は、家庭の不和かもしれませんね。


タマル産で産むメリット

2019-09-13 21:15:28 | 産科
写真は、兵庫県洲本市の朋花(ともか)ちゃん、7月18日生まれ。
「人に優しくでき、周りから愛される子になってください。
陣痛が始まってからはスムーズで安心しました。
毎食凝った料理で、あきずに食事できました。」

お料理は評判が良いですよ。
ですが今週は稲刈りのシーズンで、メインのシェフはお休み中です。
それでも他のスタッフも頑張っていますからね。
こんな時期は、隣のお菓子の里さんからの出前も時には必要です。
それから来週からまた調理部門に新スタッフも加わりますからね。
調理部門は5人になります。それにお菓子の里さんもでしたね。



次の写真は、丹波市氷上町の紗来(さら)ちゃん、7月19日生まれ。
「優しく思いやりの有る子に育ってください。
陣痛は辛かったですが、びっくりするくらい早く生まれてくれて良かったです。
みなさん親切で夜中でも来ていただけ、ホッとしました。」

実は診療所は看護師を配置しなくても良い決まりだと知っていましたか?
実際ひと昔前までは、家人が泊まって母子の世話をするという時代だったのですからね。
その名残で、診療所の点数は病院の半分くらいの点数になっています。
しかも素人でも構わない介護施設よりも低い点数なのですよ。
それでお産をする診療所が少なくなっていくのは、当たり前ですね。
いよいよ小野市の小野レディースクリニックもお産をやめられるのですね。
小野先生や亡くなられた馬岡先生、そして現在の院長の江見先生には、たいへんお世話になりました。




次の写真は、神戸市北区鹿の子台の、すずちゃん、7月23日生まれ。
「夏生まれですず、周りを癒してください。
次も産むならタマル産で産みたいです。」

若いカップルは、結婚すると三田市や神戸市北区に引っ越されてしまうのですよ。
田舎は老人ばかりになってしまうではないですか。
なんとか引き止める策は無いものでしょうか。




次の写真は、丹波市柏原町の実華(みか)ちゃん、7月23日生まれ。
「元気に明るくまっすぐな子に育ってください。
お産は痛かったです。
入院中はゆっくり過ごさせてもらえました。」

1人目は済生会病院で産まれて、輸血まで必要だったのですよね。
産後に膣に血腫ができたようです。
大きい病院だからすぐに輸血ができて安心、という考え方も有るでしょうが、
タマル産では輸血が必要になること自体、すごく少ないのですよ。

そして、今週はこの4日間で7人も赤ちゃんが生まれました。
7人のうち3人は初産婦さんで、みなさんとても難産でしたよ。
赤ちゃんの首に2回もへその緒が巻いていたり、
初めてなのに赤ちゃんが大きかったり、
3人とも他の病院での出産だったら、帝王切開になっていたでしょうね。
タマル産の特徴は、帝王切開がすごく少ないということですからね。

大きい病院だから安全にお産ができる、と思われているでしょうね。
ですが、帝王切開はお母さんにとって、すごくリスクの有る手術なのですよ。
経膣的に産む方が、ずっとお母さんには安全なのですよね。

1ヶ月健診のアンケートでは、みなさん料理がおいしかったことを書かれますよ。
けれど、タマル産で産むということは、安全なお産ができて良かった、と思ってくださることの方が、本当はずっと嬉しいのですけれどね。
何事もなくお産が終わると、そんな当たり前のことも忘れてしまうものなのでしょう。

タマル産はお産をしているのを忘れましたか?

2019-09-06 21:50:23 | 産科
写真は、丹波篠山市井ノ上の英大(えいた)くん、7月10日生まれ。
「自分が輝ける場所や物事を探しながら、心身ともに大きくなってください。
2人目は早くて驚きでした。
1人目の時にお世話になった方々と再会できて嬉しかったです。」



次の写真は、丹波篠山市野尻の咲奈(さな)ちゃん、7月12日生まれ。
「笑顔の似合う、優しく明るい子に育ってください。
3人目であっという間に生まれてきてくれてビックリしました。
1人目からお世話になったスタッフさんが多く、心から安心できました。」



次の写真は、神戸市北区の太揮(たき)くん、7月17日生まれ。
「元気で、何事にも一生懸命頑張ってくれる子になってください。
お産は、先生に全て任せて本当に良かったと思いました。
またここで産みたいです。」

この週のみなさんは、経産婦さんばかりでしたね。
おかげですっと生まれてきてくれて、みなさん安産でしたね。
最近はスタッフも入れ替わりが少ないので、慣れ親しんでいるでしょう?
お料理がおいしい、というのも共通した意見ではありませんか。
だいぶ目標を達成してきた感が有りますよ。

さて、昨日の丹波新聞の一面には、兵庫医大さんの分娩休止の記事が有りましたよ。
全国的な流れですから、先日はヤフーニュースにも取り上げられていましたね。

もっとも、私は検討会に呼ばれてもいない身なので、意見を言う立場ではないのかもしれません。
今回の第2回検討会に対する新聞の記事を抜粋しましょう。
「産科に特化した公立診療所、もしくは助産師で分娩を担う母子健康センターを設けてみては」という意見でしたよ。

あれあれ、公立病院に期待することとは何ですか?
小児科が有って、麻酔科医も居て、24時間緊急に対応できることではなかったですか。
助産師だけで対応する、低医療レベルの助産施設で良いのですか?

もう少し詳しくこの時の討論会の内容を知りたければ、以下のリンクで読むことができますよ。
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/kenko/assets/2019/09/201909031502.pdf

篠山市は、タマル産は1人でやっているのに、兵庫医大はなぜ2人でできないか、ということですね。
兵庫医大は、以前から篠山で維持するのは無理だろうと思っていたということですよ。

解説すれば長くなるのですが、
大野病院事件以降、産婦人科は集約化しているのですよ。
だからセンター病院に多数の産婦人科医が集まって、
それ以外の病院は閉鎖しているのです。
だってトータルの人数が決まっているのですから、当たり前のことでしょう?

分娩の半分を扱う開業医はたいてい1人でやっている、という意見対して。
開業医も次々に閉院していますよ。
今年も神戸市北区の開業医が2件閉院されましたね。
篠山でも丸尾先生が閉院されたでしょう?
丹波市でも、少し前になりますが越川先生、田中先生など4施設が閉院されましたよ。
市立病院では今年で加西市民病院も産科は廃止です。
三田市民病院も廃止予定ですね。
柏原日赤も廃止になりましたね。
私の以前の勤務先の兵庫県立塚口病院も閉院ですよ。
その代わりにセンター病院が新しくできました。

少し遠方にはなりますが、その分施設が充実するのだから喜ぶべきでしょう?

まあ、私がもっとも気分を害しているのが、
篠山では産める病院が無くなる、という市の言い分ですよ。
まだまだタマル産が有るではないですか。
ひょっとして市長の目には入っていないのかな?