タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

chatGPTを試しましたか?

2023-04-28 17:38:13 | 不妊症
連日のように、chatGPTのニュースが有りますね。
それだけ新しい技術で、得する人と損する人が居るということでしょう。

まずはchatGPTを実際に試してみたのが、上の図です。
最近、みなさんにお出しする食事のメニューを悩んでいたので、妊婦さん向けランチの質問をしてみました。
答えてくれた内容は、「野菜たっぷりのサラダにグリルチキンサンド、オムレツとミネストローネスープ」です。
目に浮かようで、おいしそうですね。

おもしろいのでもう1問です。
「酪酸菌の女性に対する効果は?」と聞いてみたところ、以下がchatGPTによる解答です。

「酪酸菌は、腸内細菌の一種であり、腸内環境を改善することで健康に多くの利益をもたらすことが知られています。女性に対して特に有益な効果としては、以下のようなものが考えられます。

膣のpHバランスを調整する効果:酪酸菌は、膣内のpHを酸性に保つことで、悪玉菌の繁殖を抑制し、膣の健康を維持することができます。このため、酪酸菌は膣炎や尿路感染症などの予防に役立つとされています。

免疫力の向上:酪酸菌は、腸内の免疫細胞を刺激することで、免疫力を向上させることができます。女性の場合、免疫力の低下が生理前症候群(PMS)や更年期障害などの症状を引き起こすことがありますが、酪酸菌の摂取によって、これらの症状の軽減が期待できます。

便通改善:酪酸菌は、腸内の善玉菌とともに、腸内環境を整えることで、便通を改善することができます。女性は、男性に比べて便秘の傾向が強いため、酪酸菌の摂取は便秘の予防・改善に役立つとされています。

ただし、個人差があるため、必ずしもすべての女性に同じような効果があるわけではありません。酪酸菌を含む食品やサプリメントを摂取する前には、医師や栄養士と相談することをおすすめします。」

もう完璧ですね。
さらに期待したのは、不妊症や流産に対する効果までもだったのですが、
そこまでは医学的に確立したコンセンサスではないようです。
ですが子宮頸がん検診をすると、標本に白血球が増えている女性が時々居られます。
所見では、炎症所見有り、と書かれていますよ。

最近の話題の1つは、不妊症の女性の子宮内膜に炎症が有ると着床しにくいというものです。
高度不妊症治療施設では細菌そうの遺伝子解析をしているところも有ります。
ですがそこまでしなくても、普段から乳酸菌や酪酸菌を飲んでおけば良いですね。
習慣性流産の検査でも、標本に白血球が多くないか調べる施設も有るくらいですよ。

実は保険も利きます。
妊婦さんの便秘にも、下剤を処方するよりこちらの方がより自然で、下剤のように下痢をしませんから、体力を消耗しませんよ。

結論として、chatGPTは、これからの必須アイテムになることは間違いありません。
その代わりに日本人の1/4のホワイトカラーの仕事は消失すると言われています。
ですが企業としては余った力を違う部門に回していければ、より高収益体質になれるでしょう。
若い人はこれからはホワイトカラーよりもブルーカラーを目指すのも良いでしょう。
産婦人科医は医師の中でも、体力や経験勝負のブルーカラーですから、一番残りやすいでしょうね。
残念ながら内科の先生の先は暗いかもしれませんよ。





お産は保険適用で?

2023-04-21 16:38:09 | 産科
前回に続いて今、産婦人科業界に激震が走っている状況をお伝えしておきましょう。
緑の線は「産める病院の数」です。ピンクの線は同じく「産める診療所の数」です。
青い線はトータルです。
この15年ほどで、病院は少しづつ減っているのに対して、診療所は激減と言っても良いでしょう。

その間、いろんな事件が有りました。
1999年には外科での患者取り違え事件によって医療不振が起こり、医療訴訟元年と言われました。
おかげで産科診療所では看護スタッフを増員したり、病院並に高額な医療機器を導入して、妊婦さんの満足度を高める必要に迫られたのです。

2004年には新生児がお産で障害が残ったのは看護師が内診したからだと訴えられた事件が有り、
看護師は直腸診はしても良いのに内診はダメという風潮に変わり、診療所がお産の取扱をやめていったのです。
だって病院は助産師ばかりですが、どこの診療所も看護師や准看護師ばかりだったからです。
その後、今では看護師も内診しても良いと正式に通達が有りましたよ。

その次の事件は出産育児一時金直接支払制度変更です。
それまでは退院時に支払った分娩費が後日お母さんに支払われるという制度だったのですが、
診療所側が立て替えるような制度に変わって、おまけにカードでの支払も増えて、振込に2、3ヶ月待たされるという状況になったことで、経営が困難となり、閉院が相次いだのです。

この間病院でも、産婦人科医が1人か2人の病院はお産を中止していきました。
柏原日赤や、ささやま医療センターがその例でしょう。

今はもう1つ、デジタル革命で、印刷したレセプトを郵送で送るということも無くなり、何でもネット完結です。しかもセキュリティー対策のために専用線でです。
マイナンバー保険証もそうですが、医療事務の負担も増えていますよ。

それで今回の岸田首相の、お産は保険診療にするという発言です。
妊婦さんには何のメリットも無いのに、診療所には大打撃ですよ。
今までなら病院も診療所も分娩費用は同じだったのに、これからは診療所は大きく下げられることになるでしょう。

岸田首相の発言から見て取れるのは、少子化対策の中身は育児支援ばかりで、
結婚支援となる非正規雇用を正規にするなどの政策がまったく無いのですからね。
あるいは地方への大企業の誘致政策なども有りません。
目的はあくまで増税のようです。

ついでに、この間の助産院の話もしておきましょう。
丹波篠山市では、ささやま医療センターが分娩取扱を中止する時に、助産院を建てようとされました。
全国的には助産院でのお産は1%ほどなのにです。
ちなみに15年前には助産院は738施設でしたが、今では90施設ほどに、88%も減少しています。
医師なら1人でこなせますが、24時間、365日のお産を扱うには助産師なら最低5人は必要です。
費用も助産師5人なら医師の倍以上はかかるでしょう。
もし丹波篠山市が市営の助産院だけになっていたとしたら、今頃税金の投入は毎年、億単位の多額になっていたことでしょうね。











シルガード9(ナイン)は打つべきか?

2023-04-14 20:46:16 | 婦人科
今年もタマル産の駐車場では、ウンナンオウバイが花盛りですよ。
先週も今週も大きな赤ちゃんばかりで疲れましたよ。
妊婦さんに体重指導ばかりするのはやめましょうか。
ストレスを与えるばかりで、効果はなさそうですからね。

さてこの4月から子宮頸がんワクチンが4価から9価へと、新しくなって定期接種化されますね。
それにしても新型コロナには製薬会社にも、WHOにも、そして政府にも未だに騙され続けていますから、どこまで信用がおけるのでしょうか。
そもそも私は30年以上前に、女性の外陰癌とヒトパピローマの研究をしていましたから、本当はこの病気を撲滅したいのです。

私より1世代上の知り合いの看護師ですが、昔は「四国から集団就職で出てきた時は、看護師になるか苦海(くかい)に売られるかだった」と言われていました。
実際タマル産でも、古くからの助産師さんも、調理師さんも、集団就職で出てこられたから今が有りますからね。
ところが最近は丹波篠山市でも、苦海に飛び込んでいかれる女性が増えています。
そういう女性はたいていヒトパピローマウィルスに感染されていて、子宮頸がんの前癌状態なのですよ。

だから予防接種も必要で、もし受けるとすれば男性も女性も全員が一斉に受けると、意味は有るでしょう。
風疹でさえ今頃になって、男性も打ちなさいと言われていますからね。
ですが予防接種よりも重要なことは、性モラルを持つことなのです。
若い男女が付き合って、そのまま結婚したのなら、予防接種なんて必要無いのですからね。

さてここでおさらいです。
10年以上前になりますか、ガーダシルの接種が始まった時に、日本でだけ副作用の問題で中断したのですよ。
結局どれくらいの女性に副作用が出たかと言えば、338万人に890万回打って、2,584人(0.08%)に副作用が報告されています。
新型コロナとは比較になりませんけれどね。

その後の研究で副作用が出た女性は、血液型が特殊で、ABOの赤血球型ではなく、白血球型のHLA-DPB1が0501の子が多かったのです。
だから西洋人でなく日本人に、学習障害や過剰な睡眠などの副作用が多く出たようなのですね。
今回は4価から9価へと予防効果が広くなっています。
ただしその分、副作用が出る確率も少し上がるようですよ。

もし副作用を心配するお母さんが居られるとするなら、
ワクチンよりも性教育をきちんとすることの方が大切かもしれませんよ。
将来離婚したり、性に奔放になったり、苦海に落ちたりすれば、子宮頸がんになるのですから。


お産の保険化で診療所潰しを狙っている?

2023-04-07 18:49:41 | 産科
孫が春休みで里帰りしてきたので、遊んでもらっているところです。

さて本日、日本産婦人科医会が、岸田首相の「お産は保険診療にする」という方針に反対を表明しました。
まあ、昨年不妊治療を保険にしたことが、ある程度成功したことから、2匹目のドジョウなのでしょうね。

まずは産婦人科医会の見解を並べてみましょう。
保険になれば、かえって妊婦さんの自己負担が増すのです。
だって3割分は自己負担になるのですから。
その3割分を小児のように、保険診療外で自治体が助成するということになれば、何のための保険診療かとなりますね。

2つ目は自由診療では例えばタマル産であれば、食事が豪華ですが、これを1回数百円にまで内容を落とさなければならなくなります。いわゆる病院食ですね。
個室代は別途になります。
産後のマッサージもできなくなります。
これまで自由診療で行ってきたことがすべて廃止せざるを得ないのですよ。

3つ目は分娩に関する費用が全国一律となれば、都会の産婦人科は困るでしょう。
人件費も固定資産税も高額ですからね。

以上が医会の説明ですが、私がさらに補填しましょう。
病院はとても帝王切開が多いですから、すでに一部保険診療になっています。
帝王切開をすべて保険にするなら100万円は掛かるでしょう。
自己負担3割で30万円ですよ。
高額医療費で自己負担の減額はできるのでしょうけれど。

それに病院では1日25,000円ほどの入院費用ですが、診療所では10,000円ほどなのです。
収入が半分になり、診療所の経営はできなくなるのです。
だから保険で全国一律と言っても、病院と診療所では大きく異なります。
病院は赤字でも自治体が補填しますから潰れませんが、
診療所では赤字イコール倒産ですから、全国の診療所が次々と倒産することでしょうね。

ですがそこが狙いなのかもしれませんよ。
政府は病院に一極集中させるつもりなのでしょう。