タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

桜さく

2012-03-30 19:25:25 | 産科
今日は温かくて桜の花もほころび出しました。

冒頭の写真は妊娠11週の赤ちゃんの写真です。
11週っていうのは、妊娠3ヶ月終わりのことです。
いつも書きながら思いついた話を書いているので、支離滅裂なこと、お許しください。

妊娠月数の数え方、知ってますか?
実は解剖学と産科学とでは数え方が違うのです。
いつも実習を一緒にしていた大学の友人は解剖学の大学教授をやっています。
エーッて感じですが、それは置いておいて。

解剖学の1つの発生学では、胎児が発生した時から数えますから、
排卵してすぐ精子と合体して、一人前の細胞になってから数えます。
精子と卵子は何せ、半人前なのです。
だって染色体が半分しかないからです。
最後の月経の初日を0日目とすると、13日目に排卵しますから、そこから発生0日、と数えます。

ところが産婦人科では月経初日は1日と数えます。
だから排卵するのは14日目なのです。
でも数えるのは最後の月経から。
月経が遅れたな、と感じたとして、すでに妊娠4週は超えています。
この時、解剖学では妊娠2週とちょっと、おおよそ2週間ずれていますね。

産科では最後の月経が始まった280日後を予定日とします。
だから基礎体温を付けているなら、正確には281日目のはず。
なんか、みんないいかげんだな。

そんな難しい話はやめて、もっと簡単な予定日の出し方をお教えしましょう。
最後の月経に9ヶ月と7日足します。これが予定日です。でも1日くらいずれることもあります。
しかも今年は閏年でしたからね。
最後の月経が2月15日からだったとしましょう。
そうすれば9と7を足して、11月22日になります。

最後の月経がもし2月26日だとすれば、
9と7を足して、11月33日、ですから、30日で1ヶ月繰り上げると、
12月3日になるかな。
でも本当は12月2日なんですが。
ほら、閏年なんかあるって言ったじゃないですか。
詳しくは私のTwitterで。https://twitter.com/#!/tamarclinic

さらに月の話もしましょうか?
さらにややこしいですよ。
妊娠15週って、何ヶ月でしょう?
4で割って、3ヶ月と3週ですか?
ハズレです。
妊娠第4ヶ月、って言うのですよ。
これって、「かぞえ」で数えるのです。

36週なら、4で割り切れて、9ヶ月と0週、
でもね、「かぞえ」なので、第10ヶ月、って言うのですよ。
ちなみに第を付けるのは「かぞえ」っていう意味なのです。
だから月には必ず第、を付けます。
週は満で数えるから、何も付けずに妊娠18週なんていういい方をするのです。

結局、難しかったかな?
フェイスブックはこちら、今日生まれたばかりの赤ちゃんも見れますよ。
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みつごは品胎、ふたごは双胎

2012-03-28 20:42:35 | 産科
ふたご、って嬉しいですか?それともたいへんそうですか?

タマル産で赤ちゃんを産んで、その後不妊治療をするも2度流産され、
やっとできた子が双胎(そうたい、ふたごのこと)でした。
ほら、子宮の中に袋が2つ見えるでしょう。

ふたごというのは、100人に1組しか自然にはなりません。
ところが飲み薬の排卵誘発剤を使うと、5%くらいで双胎になります。
開業当初は双胎でもタマル産でみていたのですが、
今では未熟児センターが併設されている病院に転院していただいています。
だから今日はしばしのお別れ。少し名残惜しくお別れしました。
また双子が生まれたら、連れて来てくださいね、とお願いして。

でも双子って、たいへんなんですよ。
途中で切迫早産になることがありますから、長く入院することもあります。
写真のように二卵性の双子ならまだいいのですが、
一卵性の双子なら、双子の間で栄養を取り合ってしまう、
双胎間輸血症候群、という病気になることもあります。
血が多くなる大きい方の子が危険になる、という病気なんです。

もちろん産む時もたいへん。
施設によっては時代の流れで帝王切開にする病院もあれば、
あえて、下から産ませてもらえる病院もあります。
私の働いていた京大病院も天理よろづも産める方。
兵庫県立塚口病院は帝王切開の方でした。
さてどちらを選ばれるかな?
というか選べないのかもしれませんが。

京大病院では三つ子の経膣分娩の主治医もしました。
それはもう、妊娠中も寝たきりでそれこそたいへん。
その方は京都の大丸勤務、今でもよく覚えていますよ。20年以上も前のことです。

いいことばかりではありません。
途中で双子の1人が妊娠中に子宮の中で亡くなる、ということもありました。
この方は最後までなかなか納得していただけませんでした。
それは双子に限らず、普通の妊娠でもときどき起こることなんですけれど。

1人、めずらしいことを見ると、続けて今まであった、いろんなことが頭に浮かんできます。
こういうのを走馬灯のように、と言うのでしょうが。
でもこのへんで区切りましょう。
結局、産婦人科医はお手伝いするだけ、その中にはいろんな人間模様が隠されているのです。

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ご主人に元気をださせる法

2012-03-27 20:24:01 | 不妊症
突然ですが、このブログは今すぐ読むのはやめて、外に出てください。
西の空に三日月が見えます。
そしてすぐその下に金星が見えますよ。
さらにその下には木星が見えます。
金星ほどには明るくないですが、たて一列に並んでいるのが見えます。
ああ、これが木星なんですね。
小学校の時、天文クラブに通っていて、天体望遠鏡で木星を見せてもらいました。
そんな感動が今なら味わえますよ。

今日は愛の育児バイブルのお話です。
著者は林信子先生です。
私の母と同年代の、むかし小学校の先生をされていた先生です。
生協さんの、ひまわりのカタログにも載っていたからご存知の方も居られるかな?
新聞にも連載をされているので、私は毎回読んでいるファンの1人なんです。
一昨年でしたか、タマル産の勉強会にもお招きして、アフリカ支援の話題で盛り上がりました。
きっと、私のこと、息子のように思われているのでしょう。
私も近くの母のように感じています。

いつもいろんな方からの子育ての悩み相談に応える形で、連載されています。
今回、おもしろい記事だったので、ご紹介しましょう。
「母子家庭の1人っ子」と題して、2年前に主人を亡くし、4歳の息子と2人暮らし。
主人は酒好きで大晦日に交通事故で亡くなったのだと。
不安な思いが綴ってあります。

林先生の答えは、パパはお酒が大好きで、酔うと大声を出したけど、本当は優しいし、
こんな事もこんないい所もあった、と、いい思い出話をしてあげましょう。
自分は父と母の愛の結晶なのだと息子さんが自身を持てるように。

こんな話がたくさんあります。
この本ではないけれど、林先生の他の本がアマゾンでも買えますよ。
子育てに悩まれている方へのお知らせでした。
私のような理系人間には、なかなか、ここまでは相談にのれないものですから。

私なら、どう言うか、ですか?
酒好きの男性は性欲が満たされてないそうですよ。
と言っても「ハエ」の研究で、ですが。
女性とうまくいっていると、酒乱にはならないようです。
やはり女性がまず男性を包み込んであげないといけない、ということですね。
ついでに言うと、女性から拒絶された男性は、
一生、女性に対して、身も心もオープンにしないようです。

これも「ハエ」での研究で、でしたが。
やはり、理系人間の回答にしかなりませんでした。

不妊症で治療をされている方は、タイミング指導をしても、
ご主人に元気がない、と嘆かれます。
でも、元気を出させるのは女性にしかできないのかもしれませんよ。

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子どもの心

2012-03-26 19:16:34 | つれづれ
月曜日は1ヶ月健診の日です。
先週はせっかく1ヶ月健診に来ていただいた方の写真を撮りませんでした。
楽しみにされていたかもしれないのにゴメンなさい。
「今日の1枚」は3人目の赤ちゃんのために捧げます。

今も4人目の赤ちゃんを産まれたお母さんが2人、入院されています。
お見舞いに来ては、帰り際に上の子が泣いているのが痛ましいです。
家ではお父さんがみているのだとか。

13年前に柏原で開業した年はたいへんでした。
1年目のお産はわずかに十数人です。
売り上げは1千万円もいきませんから、その3分の1が人件費とすると、
看護師さんなら1人しか雇えませんね。
当時はまだ看護婦さんの時代でした。

初年度は1ヶ月に1人のお産でも1週間入院されるから、
もちろんその1週間は夜も昼もお世話をしなくてはなりません。
だから数人の看護師さんは常に働いていました。
24時間病棟を回そうとすると、最低でも4人の看護スタッフが要るのです。
今なら産休も育休も取り放題ですが、そのためには5人は必要です。
夜間2人体制にするなら看護職だけでも8人から10人は必要な計算になります。

ところで、今日は病院経営の話ではありませんよ。
柏原に居た5年間はやればやるほど赤字なので、
篠山に転居してきたというわけなのですが、
当初はとてもたいへんだった、という話です。
何が? 何もかも、です。

うちの母もカミさんも手伝いに入っていました。
食事も三度、三度用意しないといけないものですから、
わずかに月に1人のお母さんのために、私も食事作りを手伝っていたのです。
ましてや、イタリアンを丹波で初めて始めたものだから、
今なら何件かあるでしょうが、アンチョビやらバルサミコ酢、ハーブなんて、
使ったこともないような調味料を揃えたのです。

庭の植木はすべて引き抜いて、ラベンダー、ノースポール、チャービルと、
ありとあらゆるハーブを植えました。
当時は本当に、ハーブという言葉ですら、誰も知らなかったのです。
そうそう、髪の毛を染めるヘナも窓口で売り出したのですが、
1つも売れませんでした。
今では妊婦さんの誰が髪の毛を染めていようが、とがめなくなってしまましたが。

うちのカミさんがタマル産で赤ちゃんを産んだ第1号なのは何回もお話していますが、
開業したその年の瀬に、網膜剥離で手術を受けることになりました。
無理をしたからでしょう。
1月ほど入院していたでしょうか。この間、お産もするわ、子どもたちの世話もするわ、
今となれば笑い話です。
カミさんが帰ってきた時、2歳の娘は、「お母さん、キライ」と隠れてしまいました。
もちろん本当は大好きなのです。

今日、赤ちゃんが生まれたために、お父さんと帰っていく上の子の泣き声を聞いて、
ふと、そんな思い出がよみがえってきました。

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タマル産復活!

2012-03-24 14:56:36 | つれづれ
5日程ブログをお休みし、ホームページを中断、フェイスブックも繋がらない状況となりましたこと、まずお詫び致します。

どうも私の考えが古かったようで、若い方の感性についていっていないことが原因です。
個人情報保護が強調される中、私のホームページはタマル産で産んだ赤ちゃんやお母さんの写真を、
匿名とはいえ掲載しているものですから、同意が徹底していなかったようです。
楽しんでくださる方もおられれば、ひどくショックを受けられる方もおられるようです。

そのことに私もすごくショックを受け、今週はネット謹慎しておりました。
医療事故でも起こしたのか、とご心配をおかけしたようです。

さて、今日は土曜日ですが、そういうわけで、再開のご挨拶です。
ブログのアドレスが変わりましたので、お気に入りに登録していただいている方は変更をお願いします。

今日の力仕事、です。
受付の前に大きなモニターを置きました。
インターネットもそうですが、せっかくタマル産に来られた方に直接、タマル産の最先端の治療を知っていただこうと、
動画で案内することに決めました。
と言っても、まだ映像さえ作っていません。

新制タマル、5月16日を目標に再生いたします。
なぜ5月16日かって?
タマル産が篠山に来てちょうど8年になる記念日だからですよ。

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