タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

純潔教育すすめませんか

2012-10-31 20:17:14 | 婦人科
お父さん、4人目もご苦労さまです。
さぞ明るい家庭になることでしょう。
日本を元気にするには、やはり未来の子どもたちです。
産めない方や、1人しか産めなくても、みんなでこういう方を応援すればいいのです。
七田真という教育者が居られました。
子どもたちにそんなに教育をしてどうするのか、と聞かれて、
たくさんの子どもたちを教育して、世界中に手助けに行けばいい、
という風に答えられたそうです。

水曜日ですから婦人科の話題にしてみましょう。
この月の初めに、10月はSTDの調査期間だとお話しました。
それで今日、10月も最終日となって結果が出ました。
今年のこの期間の性感染症でタマル産を受診された方は5人でした。
まあ、例年くらいですね。
うち4人は丹波市の方で、1人は篠山の方です。
これも同じような傾向にあります。
タマル産が丹波市にあった5年間と、篠山市にある8年間を通して同様の傾向です。
それは風土が違うのかもしれません。

先日、丹波の健康福祉事務所主催で、STDの会合があったのです。
とても参加したかったのですが、残念ながら私は手術で不参加となりました。
今年はどんな話題だったのかは知りませんが、
10年ほど前に前回の会合が持たれました。
なんだ、お役所は10年も何もしていなかったのですね。
その時は私も参加したのですが、その内容はというと、
「ピア・ツー・ピア」でした。
それが何か知っていますか?

私はその時はとても反対したのですが、
ピア・ツー・ピアというのはですね、
中学生などの若い子が学校や家庭で性教育を習うのではなくて、
年上の先輩から学びましょう、というような主張ですよ。
それはひどい発想です。
まだ無知な子たちが、性に興味を覚え始めた先輩たちに性教育を教えられるのです。
若い子たちまで、性に興味を持って、エスカレートしてしまうこと間違いなしです。

当時は過激な性教育が国を動かしていて、
小学校にまで過激な教育が浸透していた時代です。
小学生に性行為や性器の名前をしっかりと教えるなんて、
バカげたことをしていたのです。
さらにひどいのは、結婚前の性交渉を良いものとして、指導までしてありました。

今でも小学校の参観に行けば分かります。
小学校の先生たちは、それがいいことのように、
子どもたちに性教育をするのを、さらに親たちに見せるのです。
たまたまその日、私も親として小学校に行っていたのですが、
その若い女性の先生は、私に変わって授業をしませんか、と宣われるのでした。

結論を申しましょう。
小学生や中学生、さらには高校生にも性教育なんてしなくてけっこうです。
では何を教えるか?
「純潔」を教えるのです。
たったこれだけ、これでその子は幸せになれるでしょう。

話は変わりますが、
子宮頸癌の予防ワクチンがありますね。
中学生にすすめられているものです。
今年は宣伝をあまりしていないせいか、早くも下火になってきましたが。
最近の研究報告では、このHPVワクチンを打つ前と打った後で
性交渉に変化は見られたか?という質問に対して、
変化は見られなかった、という結果だったそうです。

ワクチンを打つ時に少しは、性交渉をするとそれだけSTDのリスクも上がりますよ、
と教えられたにも関わらず、そんなことはおかまいなし、ということなのでしょう。

さて皆さんは生まれた子どもたちを、
どんな風に教育されるおつもりでしょうか?
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卵管はイソギンチャク

2012-10-30 21:15:54 | 不妊症
お兄ちゃんは赤ちゃんキューピーちゃんの人形が大好きです。
お兄ちゃんになれたらいいね。

火曜日は不妊関係のお話です。
先週も1人、妊娠されました。

最近続けて見られた異常のお話をしましょう。
その前にまず、なかなか妊娠しないことの原因は何が多いでしょう?
大きく分けて男性側と女性側に、半々の原因があるのだと言われます。
そして女性側の原因として一番多いのが、卵管因子だと言われています。
2番目が排卵因子と言われるものです。

ですがどうも私の手応えでは、卵管因子というものはそれほど多くありません。
それでも最近2人、卵管の通りが悪い方を経験しました。
卵管の通りが悪い場合、卵管の開通を促すために、
細いチューブを通していく方法と、
まったく卵管を使わなくても済むように、体外受精をする場合があります。

卵管という臓器は何をしている所かと言いますと、
形はイソギンチャクのようです。
イソギンチャクを知っていますか?
テレビでは見たことがあるでしょうが、グッピーなどと一緒に飼うと、
一晩で大きく移動していたりするのですよ。
しかもその触手は何とも言えない、美しくもあり、異様でもあり、です。
そうやって、お腹の底に浮かんでいる卵を吸い上げます。
そして卵管の内側の短い毛で、卵を子宮の方向へと押し進めていきます。
運動会で大きなボールを頭の上で、両手で受け渡しつつ進めていくような感じです。
そこを精子が逆走してきて、卵の周りに無数に集まってくるのです。
そう、卵管とは受精の場、だったのですね。

先の卵管の調子が悪い2人のうち1人は卵管鏡手術を希望され、
もう1人の方は体外受精を希望されましたので、
お2人とも、高次の医療機関に紹介しました。
卵管鏡の手術をするのは、より自然な形での妊娠を希望されるからです。
ですがその分、妊娠するまで根気と時間のかかる治療ではあります。
体外受精は手っ取り早いのですが、抵抗のある形には抵抗があるでしょう。
短期間で済みますし、高年齢の方にはより適応となるでしょう。

タマル産で不妊の治療を受けるメリットとして、
保存的にいける場合は、排卵誘発剤などを利用して、根気よく治療していけることです。
不妊の治療は長丁場になりがちですから、通いやすい病院がいいですからね。
反対にこの卵管の異常のように、手術療法が要るような場合はもちろん、
すぐに紹介する勇気があるということでしょう。
案外、長く引きずっている病院も多いですからね。
ですが、仮に体外受精になったとしても、毎日の注射が必要な場合があり、
そんな時はタマル産で注射をして、手術は遠方の病院まで、ということも多々あります。

さあ、皆さんも勇気を持って、産婦人科の門を叩いてくださいな。
早ければ早いほど、良い結果がもたらされます。

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実はこれから陣痛かも、という電話がありました。

会陰切開はなぜ必要ないのでしょう?

2012-10-29 20:26:51 | 産科
今朝生まれた赤ちゃんのお父さんです。何回お産を経験しても、感動ですね。
しかもタマル産では、お父さんにもお産に参加させてしまいますからね。
他の病院では、生まれたら赤ちゃんを渡されるくらいじゃないですか?
ホントは、その過程が大切なのにね。

今日は月曜日ですから、お産の話題を。
適当にその日のテーマを決めているので、
前にも言ったことがあっても、許してくださいな。

ということで、会陰切開についてお話しましょう。
お産はどこの病院でも助産師がするでしょう?
しかも殆どの病院は医師がお産に立ち会いますね。
場合によっては小児科医も立ち会う病院もあります。
だから分業制度です。
助産師はもうすぐ赤ちゃんが生まれる、というところで、
産科の医師に責任をバトンタッチします。
そして会陰切開をして、赤ちゃんを娩出させて、胎盤を出して、
そして会陰を縫う、ということをするのが仕事だとたいていの医師は思っています。

それが運よく、私のアルバイトしていた病院ではお産の介助も医師がしました。
私はもともと会陰切開をするのには、すごく抵抗があったのです。
産科の医師は会陰切開をしないと赤ちゃんは生まれないと教え込まれているのです。
ですが、もう少し放っておけば、たいていの場合は会陰切開なんてしなくても
生まれてしまう、ということを徐々に身を持って体験していきました。
だからだんだんと、会陰切開の必要性を感じなくなってしまったのですね。

そもそも赤ちゃんが生まれるためには、それまで硬かった子宮の口が
12時間ほどかけて、10センチ開いて赤ちゃんが降りてきます。
今度は2時間ほどかけて、膣が拡がってきて、
最後には膣の出口、すなわち会陰と呼ばれるところが、
これはあっという間に10センチ開いてしまうのです。
だから子宮が10センチ開くのとは訳が違って、
膣は「アッ」という間なのです。
それさえも待てないのでは、お産の介助はやめた方がいいでしょう。

ですが通常、助産師はお産の前までしか介助しない、
産科の医師は切るものだと思い込んでいる、
ということで、慣例的に会陰切開がなされているという訳なんです。
で、タマル産ではお産の介助は院長である私がします。
会陰は基本的に切らなくても延びるものだと知っている、
なのでタマル産では会陰切開される方が殆ど居られない、という理屈です。

もちろん赤ちゃんがしんどがっている、
とか吸引分娩をする必要がある、なんていう時は必要なこともあります。
切開しなかったために、ややこしい所が切れてしまって逆効果だった、
ということも医療ですから当然あります。
でもそれは結果論ですね。
野球で言えば、あの時バントをしていたら、2塁選手が生還できていたのに、
などと言うのと変わりません。
要はその時最善だと思うことをすることだと思っています。

ついでに言っておきましょう。
会陰切開をしないと、抗生物質を飲むことも必要なくなります。
切って飛び出すんじゃないので、子宮収縮剤も減らせます。
事前に浣腸したり、てい毛(毛剃り)をする必要もありません。
なーんだ、何にもしなくていいんだ、と思っていただければ幸いです。

今夜は、これから今日2人目のお産があります。
おもしろいお母さんなんですよ。
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天国とは、
「神様、聞いてください」
と言いながら
人々が集まり
神様のために
愛がとどろくほどの歌を
賛美しながら
生活する所です。

   レバレンド・ムーン

アイデンティティ

2012-10-26 21:00:17 | 美容医療
お父さんになるとこんな感じです。
男親にとっても、お産の日の事は忘れないものなのです。

赤ちゃんが生まれると、まず赤ちゃんにどこか異常が無いかと
心配されるのではないでしょうか。
本当は赤ちゃんは100%、他の赤ちゃんと違う部分を持っています。

よくあるのが、耳に小さなイボがあることでしょうか。
これを副耳(ふくじ)と言います。
耳をよく見ると、耳を蓋するように突起があるでしょう?
ここに小さな突起が1、2個余分にあるのです。
小さなものは糸でくくってあげるとポロンと取れます。
大きなもので、中に軟骨を含むものは手術が必要になります。
手術となれば全身麻酔も必要なので、1歳を過ぎてからになるでしょう。
でももちろん、放っておくという選択もあるのです。
ですが、やっぱり、取っ欲しいとよく依頼されます。
最近も数人続けて取りました。

それから、身体のどこかに赤いアザをもっていることもよくあります。
初めはポツッとした小さなものが1ヶ月もすると少しずつ大きくなってきます。
イチゴのように盛り上がるのでイチゴ状血管腫と言われます。
産婦人科医なので1ヶ月までしか追えないのですが、
その後1年くらいは徐々に大きくなって、
小学校に入る前くらいには消えることが多いのです。
なので、むかしは赤アザは心配要らないと言われましたが、
最近ではレーザーも発達し、一部に治らない赤アザもあるので、
積極的に治療していく傾向にあるようです。

赤アザが首のうなじの所に出来たものを特別に、
コウノトリが噛んだ跡だとか、
サーモンのように奇麗な赤いアザなのでサーモンパッチなどと言います。
ただし、このアザは自然には消えないことが多いので、
奇麗にしたければ、色素レーザーやダイオードレーザーの適応となります。

うちの子の中にも、赤ちゃんの時から大きなアザのある子が居るのですが、
目立たない所なので、治療はしていません。
ですが母親にとっては、できれば無いに越したことはないでしょう。

タマル産で以前生まれた女の子も、
片足全体から背中にかけて薄いアザのありましたが、
お母さんは落ち着いておられて、
こども病院で、何度か定期的にレーザー治療をされて、
改善されていたので、私もホッとしています。

でもね、見えるところだけではなくて、見えないところにも
人とは違う所はいくらでもあるのです。
だからそれほど驚く必要は無いのですよ。

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ピンポンはダメ

2012-10-24 20:19:54 | 婦人科
今朝生まれた赤ちゃんと、お父さんです。
若いのに男の子3人も授かって良かったですね。
タマル産の開業時からのスタッフの助産師にも男の子が3人居ます。
ちなみに私のところも男の子3人居るのですが。

それにしても昨日の朝から連続で、5人も生まれちゃって、大忙しでした。
いえいえその分、皆さんには行き届かなかったところも有るかもしれませんので、
お詫びしなくてはなりませんね。

水曜日なので婦人科の話題をしましょう。
婦人科の病気はもちろんいろいろ有るのですが、
普段目にするのは、いくつかパターンしか有りません。
なので先週もしたのですが、STDという病気の続きを致しましょう。

STDはもちろん、性感染症のことです。
その中でも1番多いのが性器クラミジアです。
最近、耳鼻科領域でも、この咽頭クラミジアと、咽頭の淋菌の遺伝子検査が
保険適応になったところです。
なぜ耳鼻科なんでしょうね。
もちろん性器から口への感染が有るということです。

女性の場合、月経以外にも、性行為の時などに出血することで分かることもあれば、
無症状だったために、妊婦健診の時に偶然引っ掛かることもあります。

治療は比較的簡単で、マクロライド系という抗生物質を1回飲めば終了です。
1ヶ月後に治ったかどうかの検査をします。
ただ最近では内科でも歯科でも、このマクロライド系という薬を
よく処方されるようで、そのうち耐性のあるクラミジアが出てくることでしょう。
そうなれば、種類の違う抗生物質を処方することになるのですが、
妊娠中は、このマクロライド系くらいしか飲めないのが困ったところです。
ちゃんと治さないと、赤ちゃんにうつって、肺炎になってしまうこともあります。

ただ、今のところは比較的、耐性菌は少ないようです。
男性がよくなる淋菌などは、利く薬が減ってきているのとは対照的です。

問題はすぐに再発することです。
再発とは言いましたが、実際は再発ではなくて、再感染です。
誰からかと言えば、もちろんパートナーからうつされるのです。
こういうのを、ピンポン感染と言うのです。
片方だけ治して、またうつされる。
もう片方を治しても、またうつされる、の繰り返しのことです。

さらには、このカップルと関わった、第三者との関係を断ち切っていなければ、
またここでもピンポン感染が生じてしまうわけです。

例えるなら、つい少し前にアフリカからアメリカに渡ったエイズウィルスは、
またたく間に世界中に広がっていきました。
これはどういうことかと言うと、たった数人としか性行為をしていないと思っていても
実際は4000万人くらいと性行為を持ったことと等しいのですね。
びっくりしましたか?
そう言われてもピンと来ませんか?
ということで、日本産婦人科学会もクラミジア感染者を見つけたら、
エイズの検査もするように、勧めています。

うちの3番目の男の子も、中学でピンポンをやっている、今日このごろでした。
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