上の写真は、神戸市北区藤原台の怜奈(れいな)ちゃん、11月1日生まれ。
「知性と魅力的な容姿を持った人になってほしい。兄妹仲良く。
計画的にスムーズに出産できたので安心して産めました。
みなさん話しやすくて良い方ばかりで助けて頂きました。
次もLDR分娩は希望したいです。」
下の写真は、今朝生まれた5人目の赤ちゃんです。
弟くんでしたよ。みんな夜中なのに起きていますね。
今朝、というか今日の丑三つ時にも、もう1人赤ちゃんが生まれました。
過期妊娠というものです。
だから私は、昨日の朝からずっと仕事をしているような気になりますよ。
年末は外来がとっても混んでいますからね。
それで、今日は陣痛を誘発するお話をしましょうか。
たまに有るのは妊娠42週の過期妊娠、
あるいは41週の末頃の予定日超過になっても赤ちゃんが生まれない場合です。
ただし、タマル産ではこの予定日超過は、あまり無いのですよ。
どうしてかと言うと、予定日が大幅に遅れそうなお母さんには、
より自然な卵膜剥離という方法で、陣痛が起こりやすくしてあげているからです。
予定日というのは、あくまで平均なのです。
予定日より早く生まれる赤ちゃんが半分、
予定日より遅く生まれる赤ちゃんが半分ですからね。
それでも、みなさん予定日より遅れると不安になってくるのです。
だから予定日を過ぎたら、卵膜剥離してあげると、
その夜か、次の夜には陣痛が自然に起こることが多いのですよ。
なのでタマル産では過期妊娠が少ないのです。
それでも生まれてくれない場合は、陣痛誘発をします。
他に陣痛を誘発するのは、前期破水の場合ですね。
普通は陣痛が来て、子宮口が10センチ開いてから破水すると、
スルッと生まれることが多いのですが、
先に破水から始まったような場合は、難産になることが多いのです。
24時間以上経つと、赤ちゃんもお母さんも熱が出てくるので、
生まれてから母子が別々に入院する羽目になってしまうことだって有るからです。
もう1つ、陣痛を誘発する理由は、
先日も有ったのですが、妊娠高血圧症候群の時です。
妊娠後期にお母さんの血圧が徐々に上がってくるような場合は、
胎盤の働きが悪いということなので、それ以上保たせてあげる必要は無く、
元気なうちに産ませてあげるのです。
もう1つ最近の例でも有りました。
さかごの時ですね。
帝王切開しても良いのですが、是非産みたいというお母さんには、
自然の陣痛を待つよりも、メトロイリーゼという方法で陣痛を誘発してあげた方が、
ずっと安全に生まれるからです。
他には、まれにすごく大きな赤ちゃんのことが有るのですが、
早めに陣痛をつけて、大きくなり過ぎる前に産んでもらうということも有りますが、
この場合は、多少大き過ぎても自然の陣痛の場合の方がうまくいくことも有るので、迷うところです。
以上、思いつくままに陣痛誘発の適応を書き並べてみました。
この他に、陣痛がまだ無いお母さんへの陣痛誘発でなく、
陣痛が来たけれども、なかなか強くならない場合は、陣痛促進剤として使うことも有ります。
同じ薬なのですが、使い方が異なります。
陣痛促進剤として使う場合は、陣痛が強くならないということですから、
原因で一番多いのは、へその緒が首に巻いている時ですね。
この場合は、陣痛が長引くことが多いのです。
タマル産では、基本、自然分娩をお助けしていますが、
場合によっては、陣痛誘発剤や陣痛促進剤を使うことも有る、というのは知っておいてくださいね。
さて、もうすぐクリスマスですね。
みなさんからは、カエルの貯金箱に1年間、寄付をしてくださって有難うございます。
クリスマスに毎年、開封して、「オギャー献金」というものに振り込んでいますよ。
なんだか今年は重たくなっている感じがします。
それと、以前お話しした、世界地図が出来上がりました。
みなさんにお配りしていますよ。
実は普通の広告と違って、カンボジアに井戸を掘るために作られているので、
高額なカレンダーなのです。
だから是非、大切に使ってくださいよ。
その原資は、みなさんの診察料ですから、みなさんも知らず知らずのうちに献金しているのですよ。