タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

ヒアルロン酸注射の針

2012-06-29 21:14:21 | 美容医療
明日のアイリッシュハープのコンサート、覚えていらっしゃいますか?
2時半開場、3時開演ですよ。
1時間もありませんから、お気軽に。
席は先着30人ほどなのです。もしいっぱいになっていたら、ゴメンんなさい。

さて今日は、先週の続きで、
美容皮膚科に来られる患者さんはどんな方が多いか、という話題です。
シミのお話はしましたので、今日はシワのお話です。

「小じわ」であれば、ビタミンCのイオン導入とケミカルピーリング、
それにIPL光治療とRF高周波温熱療法の組み合わせをおすすめします。
これなら保存的な療法なので、2週間ないし4週間に1回の施術がよろしい。

でも大きなシワには、もう少し手っ取り早い方法がいいですよね。
若々しくあるために一番効果的なのが、ホウレイ線を改善することです。
最近よくこの法令線という言葉を耳にしますが、
ホッペタと鼻の間の溝のことです。

ここにヒアルロン酸という物質を注射するのです。
片側に1ミリリットルずつぐらいで、かなり法令線が目立たなくなります。
ヒアルロン酸というのは、もともと皮膚にある成分で、
水を保持する作用のある物質です。
年齢とともに減少して、ツヤがなくなってくるのですが、
これを直接補うというものです。
もともと皮膚にある成分だからアレルギーも起こりにくいのです。

最近は薬局にも化粧水にヒアルロン酸が入っていると謳うものもありますが、
分子量が大きいので、塗っただけではちょっと皮膚には入っいかないでしょう。
だから注射で入れるのですよ。

注射というと怖いイメージがあるようですが、
採血をする針の太さが21ゲージです。
筋肉注射には23ゲージを使っています。
ゲージが大きいほど細いのです。
皮膚に打つ注射は27ゲージ、
そしてヒアルロン酸を打つのは30ゲージと、目が悪いと見えないくらいの細さです。
しかもその注射をする前に麻酔の塗り薬までしますから施術中は痛くないのです。

ただですね、こんな細い針でも何カ所かに注射すると、
内出血でしばらく赤紫色になります。
これがどうもビックリされることが多いようです。
1週間ほどで吸収されていくのですが。
それでもこれが世界標準の治療なのですが。

そこでさっそく、タマル産では特殊な針を取り寄せました。
その針は長くて少し太いのですが、針の先が丸まっているのです。
鈍針(どんしん)と言うもので、これならアザになりません。
口の横から4センチもの長さも鈍針を小鼻の上まで挿入します。
これを引きながらヒアルロン酸を入れていくと、
たったの1回の注射で完了です。
ちょっとおもしろそうでしょう?

ついでに言うと目尻のシワには32ゲージというさらに細い針と、
ヒアルロン酸もとくに分子量の小さな特別のものを用意しています。
こちらは小じわの1本1本に、小さく小さく注射していくのですよ。

それでは明日はコンサートで皆様とお会いいたしましょう。
フェイスブック上のプログラムはこちら。http://www.facebook.com/photo.php?fbid=364246413630144&set=a.193338350720952.64150.172667016121419&type=1&theater

今日の写真はタマル産生まれのボクです。
こんど赤ちゃんができたんだよね。


良い菌と悪い菌

2012-06-27 20:14:30 | 婦人科
腸にはビフィズス菌なんかが居て、整腸作用を持っているのでしょう?
同じように、膣にも良い菌と悪い菌が居ます。

膣に居るものでは、デーデライン桿菌という名前の乳酸桿菌が良い菌です。
反対に悪い菌は大腸菌や溶連菌、ガードネラ菌などいろいろあります。
桿菌の「桿」とは、長細い形の菌という意味で、反対語は球菌です。

デーデライン桿菌は膣の壁から出る「あか」を食べて生きています。
ウンチとして過酸化酸素を出すので、膣内が酸性に傾くのです。
胃が酸性なのは食物を消化するためですが、
膣が弱酸性なのは、悪い菌が生えにくくするためです。
だから女性はいつからかこの菌と共生しているのです。

よく外来に来られる症状としては、
おりものが増えた、とか、臭いがするようになった、というものです。
こんな時はたいてい、いつも居るはずのデーデライン桿菌が減っていたりします。
月経が不順であったり、性行為の後であったりします。

検査は直接、膣分泌物を綿棒でぬぐって、数日間培養します。
カンジダ症のように、すぐに分かる場合もあるのですが、
目で見て分からないものはゼリーに入れて温めて、わざわざばい菌を増やして、
それから観察するのですね。
だからそんなに簡単には結果は出ませんよ。

さて治療ですが、50歳以上の方には女性ホルモンの膣錠を処方しています。
妊娠初期の方には抗生物質が使いにくいので膣洗浄をします。
妊娠後期では絨毛膜炎から破水して早産になることがあるので、
抗生物質の内服は欠かせません。
それ以外の方には月経を規則正しく来させる治療をしたり、
漢方薬を処方したり、もちろん直接抗生物質を処方することもあります。
性感染症ではないけれど、ペアで治療した方が再発が少ないようにも感じています。

梅雨時はとくに臭いが気になる方が多いので、ご参考までに。

写真は先日駐車場で撮影した、ミニラベンダーガーデンです。
今は満開になっています。
ラベンダーといえば北海道、一面のラベンダー畑を想像する人が多いでしょう。
でもタマル産ではほんと、ミニですよ。

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自己注射は怖いですか

2012-06-26 20:52:25 | 不妊症
いつも皆さんの写真を掲載させていただいているお礼を込めて、
先日の研修会の私の写真も載せさせていただきます。
隣はとある乳業業者さんです。
といってもタマル産で使用しているのは、あのメーカーですが。

いつも万遍なく話題を振っているつもりなのですが、
今日の話題は不育症に対するヘパリンカルシウム製剤の在宅自己注射についてです。
以前にもお話したことがあるのですが、記事が古くて残っていないものですから。
というのも不育症に対する治療が、保険診療でできるようになったのは大きいですね。

この注射が適応となる方は、
1つに血栓性素因を有する人となっています。
血液検査で言うと、先天性アンチトロンビン欠乏症、プロテインC欠乏症、
プロテインS欠乏症、抗リン脂質抗体症候群などを有する人ということです。
でも血液検査の方がまだ保険が利いていないものも多いので、まだまだですか。

抗リン脂質抗体症候群というのは、
妊娠10週以降に他に理由無く、1度でも流産したことがある人のことです。
もしくは10週以前に続けて3回流産した人のことです。
もう1つ、重症の妊娠高血圧腎症や子癇発作、または胎盤機能不全による34週以前の早産の既往のある方、となっています。
ちょっと専門的でしたか。
要するになかなかちゃんと満期の赤ちゃんを産めない病気ということです。

ですが、そんな方でもヘパリンカルシウムを日に2回注射するだけで、
高い生産率となるのですから、しない手はないでしょう。
他にも低容量のアスピリンを内服するという治療も単独で、
ないしは併用してされることもあります。
こんな方はときどき居られて、
タマル産でも今もお1人の方がアスピリン治療をうけられています。
ヘパリン治療をすることももちろんあります。

ただ利いているのかいないのか、全国的な統計をとらないと分からない、
というのが現状です。
数年前に文部省の研究で報告されていましたが、まだまだ大きな調査が必要でしょう。

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羊水は濁っているか

2012-06-25 20:27:01 | 産科
「羊水混濁」というのをご存知でしょうか?
赤ちゃんを包んでいる羊水という水ですが、
普通は無色透明の液体です。
ただし、ちょっと生臭い、羊水臭(ようすいしゅう)という独特の臭いがあります。
よく、破水したかしら、と電話があるのですが、
妊娠後期では尿が漏れることもよくあって、
生臭い臭いがあるかどうかで、破水かどうか判断してもらうこともあります。

ところがこの羊水、6~25%の方で濁っています。
違う言い方をすれば4人から17人に1人の羊水は濁っています。
だからけっこうな割合ということになります。

なぜ濁るかと言えば、赤ちゃんが生まれる前にウンチをしたからです。
普通は赤ちゃんって、生まれる時に狭い産道を通るので、
生まれた時にウンチをすることが多いのです。
ですが、生まれる前にはあまりしないのです。
だから生まれる前にウンチをしてしまうと、
周りの羊水に漂って、羊水が濁るというわけです。

なぜ生まれる前にウンチをしてしまうかと言えば、
多いのはへその緒が引っ張れた時にしてしまうようです。
へその緒が胎児の首に巻いている時にはよく胎便をしています。
陣痛が来る度にへその緒が引っ張られるからです。
ですが、仮死で生まれた赤ちゃんを調べた研究結果では、
胎児仮死と羊水混濁は必ずしも統計学上、有意差は出ません。
つまり羊水混濁があったのに、急いで産ませなかったと
指摘される所以はないということです。

ところが例外的に他にもウンチをしてしまうことがあります。
それは逆子(さかご)の時なんです。
いきなりお尻から生まれてきますから、
上から子宮に押されるので、
たいていの逆子の赤ちゃんは生まれる前にウンチをするのです。
決して赤ちゃんの状態が悪いからではないのです。

先日もさかごのお産がありました。
今ではタマル産くらいでしかないかもしれません。
みんな帝王切開をしてしまいますから。
その赤ちゃんは妊娠中にさかごになったり、頭位になったり、
またさかごになって陣痛が来たのです。
でも赤ちゃんを包んでいる羊膜に小さな穴を開けて、
少しずつ羊水を流出させて赤ちゃんを回していったら、
さかごが治って、頭から生まれてきたのです。
外回転術という手技を応用したものです。
教科書には載っていません。
これも私が編み出したものだからです。

結局その赤ちゃんはさかごで帝王切開するかしないか迷った後に、
それも夜中の丑三つ時にです。
さかごのまま産むと決断されたのですが、結局頭から生まれたというわけです。
ただし先ほどの、羊水混濁があったのです。
それは赤ちゃんが元気が無いというのではなく、
さかごの時期があったからなんですね。

次に問題です。
羊水混濁のある赤ちゃんが生まれたらどうするか、です。
昔は頭が出たところで、鼻や口の羊水を先に吸い取るということがされていましたが、
これは今では意味がないとされています。
ほら、医学の常識なんて直ぐに変わるのです。
結局、今は何もしなくていいと、日本産婦人科学会のガイドラインに書いてあります。

ただし、治療はしなくてもいいけれど、その後観察は充分にして、
赤ちゃんが胎便吸引症候群という病気にならないか、を見守る必要はあります。
それが軽い胎便吸引症候群って、けっこうあるのです。
生後1、2日でちょっと熱っぽくなり、呼吸が速くなったりします。
血液検査をすると炎症所見が陽性になったりします。
こんな時は抗生剤を飲んでもらうのですが、
3日もすればたいてい治ってしまします。

ただ今回の赤ちゃんは生後早くから呼吸数が上がってきたので、
生後数時間経った朝に、済生会兵庫県病院まで救急車で搬送です。
ただ、症状が強かったので、今度はさらに神戸大学まで搬送です。
そんなこともあるのですね。そんな赤ちゃんは何千人も見て来て初めてです。
でも、大学病院でも1、2週間で退院できそうです、という優しい返事を頂いています。

みなさんの赤ちゃんの羊水が濁っていても、あまり心配なさらぬように。

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夜中から3人続けて生まれました。その赤ちゃんが生まれた時も夜中中付きっきりです。でも元気な赤ちゃんが普通に生まれるのが私たちの仕事ですから。

今日の写真は最近受付に入っているリフレクソロジストと
天然の、優しさをくださる補助婦さんです。


霊界では神様の愛の太陽を慕って
草木が芽を出すのです。
生命の根源が愛なので
すべてがこの上なく愛を慕うのです。

   レバレンド・ムーン

保険と自由診療

2012-06-22 20:36:17 | 美容医療
写真は前回の夏期研修会での1コマです。
開業当初から居る助産師さんも居ますね。
みなさん、お世話になったのでは?
私もスタッフに恵まれて感謝です。

最近美容皮膚科を始めて、どんな方が来られているか興味があるでしょう?
夏前だからでしょう、「脱毛」という方が多いですね。
だいたいワキから入られますね。
次に多いのが足でしょうか。

タマル産では脱毛の治療は看護師がしています。
だから恥ずかしくないですよ。
IPLという名前の光治療器でします。
IPLというのはカメラのフラッシュのような光で、皮膚の表面の脱毛に効果があります。
さらにこの器械は最新式なので、RFという機能も併せ持っていますから、
皮膚の深部にまで効果を発揮します。
一度でも効果があるのですが、
できれば3週間から4週間おきに3回くらいは治療してほしいところです。
しかも治療費は今年は始めたところということもあり、他院の半額くらいです。

次に多い症状は「シミ」でしょうか。
それも、このシミを取ってほしいと指定されます。
シミの治療は前回お話しましたように、
保険診療でもある程度可能です。
ですから安くあげたいという方はすべて保険診療でも可能です。

でももう少し顔全体の美白効果もあって、しかも顔の若返り効果もあるもの、
と言えば、自費診療も考慮に入れていただけますでしょうか。
方法は、お化粧を落とした後、まずスキンピールバーという石けんで、顔を奇麗にします。
この石けんはAHAという老化した皮膚を剥がす、ピーリング効果があるものです。
次に美容液を塗ります。これは自宅で使用しているもので構いません。
タマル産ではアミノ酸やビタミンC、抗酸化物質の入ったアミノVCローションを使用しています。

これが前準備です。
次にビタミンA誘導体のトレチノインという軟膏を使います。
シミからはみ出さないように、綿棒で薄くシミの部分だけに塗り、乾かします。
トレチノインはクリニックで使用するものと、化粧品に入っているものとでは濃度が違います。かなり濃いので最低2週間毎にチェックを受けないといけません。
効果はかなり弱いですが、にきび治療のディフェリンゲルという類似の保険薬があるのですが、この薬でさえ付け続けると刺激感が強く、やめてしまう方が居られるほどです。
なので、赤みやかゆみが出るのですが、頑張って続けてください。

今度は顔全体に漂白剤に例えられる、ハイドロキノンを塗ります。
これもよく聞く名前でしょうが、市販されているお化粧品とは濃度がかなり異なります。こちらは日に2回、きちんと塗ってください。
指で塗っても構いません。こうしてまた乾かします。

そして、保湿成分の入ったもので仕上げます。
タマル産ではアミノEMローションを使用します。
最後に、紫外線対策のクリームが必要ですね。
これが一番重要とも言えます。
これをさぼると、せっかくシミを薄くしているのに、新しくシミができてしまうのです。

これを1ヶ月くらいをめどに続けます。
そして1ヶ月休薬します。これが1クール。
30歳以降にできるシミは、これできれいになります。
場合によってはもう1クールすることにもなるでしょう。
もう少し深いところのシミにはレーザーが適応です。
タマル産にはQスイッチ付きのYAGレーザーというものがあります。
できれば2週に1回はイオン導入とケミカルピーリングを併用すれば、なおいいでしょう。

肝斑やそばかすにもこれらの方法が使えますが、もう少し時間がかかるかもしれません。
ちょっと試してみませんか?

そうそう、次に多い相談は「しわ」と「たるみ」です。
その話はまた今度。

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