タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊娠・出産包括支援事業って何でしょう

2015-10-30 21:15:34 | つれづれ
篠山市曽地中の侑里(ゆうり)ちゃん、9月29日生まれ。
「優しく思いやりの有る子に育ってください。
親身に接してもらえて良かったです。
お料理もとてもおいしかったです。」

いつも小ちゃなお姉ちゃんが健診に付いてきてくれていましたね。

さて、昨日のことなのですが、
今年も養育支援ネット推進検討会というのが開かれました。
丹波市と篠山市の健康課の方々と、私たち産婦人科関係者の集まりです。
県立柏原の丸尾先生、兵庫医大の池田先生と、
タマル産の私に、看護スタッフというところでしょうか。

いちばんの話題は、妊娠・出産包括支援事業というのが始まったというものです。
何だそれ、と思われるでしょうが、
兵庫県では神戸市や姫路市、加東市、三木市、小野市、養父市、朝来市ですでに始まっています。
実際に加東市の担当の方々が説明に来られていましたよ。

お年寄りになら、そうですね、訪問看護センターみたいなものが有るでしょう?
それの妊婦さん版みたいなものだと理解しましたよ。
子育て世代包括支援センターというものをつくるのです。
何も建物を作る、というのではなくて、組織を作るという意味ですね。

健康課の保健師やソーシャルワーカーや助産師が担当となって、
医療機関や保健所、児童相談所、子育て支援機関、利用者支援実施施設、あるいは民間機関と、
連携や情報の共有を図って、
妊娠期から子育て期にわたって、総合的に相談や支援をしていくというものだそうです。

要支援者には、なんだか支援プランを作成したりもするそうです。
ケアプランを作るケアマネージャーみたいですね。

その中身は?と言っても、まだあまり具体的ではないようなのですが、
とにかく予算もついたことですし、
これからいろいろ展開していくのではないでしょうか。
地域ごとに工夫をこらしてやっていきなさい、みたいなことでしたよ。
よく言えば、何をしたっていいということでしょうか。

その中で、もっともタマル産と関係しそうなのが、
産後ケア事業でしょうか。
とりあえずお産して家に帰ったけれど、
入院中とは違って夜に1人で赤ちゃんを見れない、と疲れ果ててしまうお母さん、
里帰りで産みに帰ってきたけれど、実家のおばあちゃんも忙しくてそれどころではない、
などということも有るでしょう。
そんな時にまた産院に舞い戻って、もうちょっとゆっくりさせてもらえると有難いでしょう?

産後に5日や6日で帰るのでは心もとない、というお母さんには、
入院を延長したっていいわけです。
ですがこれらはもちろん自費で1泊2日で4万円とかかかるでしょう?
タマル産ではもっと安いですが。
それが自己負担わずか1日2千円程度で、あとは助成しましょう、という制度なのですよ。

早く言えば、産後ケアハウスとしての利用でも、
自費でなくて、助成してもらえるということらしいのです。
篠山市では今、予算の段取り中だそうで、
来年度からさっそく始まるかもしれませんよ。
丹波市さんも遅れないでくださいよ。
丹波市の担当者さんは、タマル産で赤ちゃんを産んでくれた方でしたね。

中国でも1人っ子政策をやめたぐらいです。
日本ではますます子育て世代が、苦しんでいますしね。
ひところ篠山市では赤ちゃんの数が急減していましたが、
この4年ほどは300人ちょっとで横ばいです。
これを機会に反転して増加してくれればいいですね。
ところが丹波市では、全国的な流れで、
わずかこの4年で533人から494人と、8%ほど減少しています。
危機感を持っていただかないといけませんよ。

限られた予算です。
若い人に援助していかないと人口が減る、
そうすると高齢者を養う人も居なくなるのです。
若い人が増えれば税収も増え、高齢者にも予算が回るのです。

加東市の担当者の方々のお話では、兵庫県で加東市が、
子育てしやすい環境というアンケートでトップに立ったそうですよ。
子育てしやすいところでは、当然若い人が増え、街に活気が戻り、
街が発展していくのですね。
みなさんも周りに市会議員の人でも居られれば、そこを訴えていかないといけません。
幸い18歳以上に選挙権も与えられるようですから、
少しは若い人の意見も通るようになればいいですね。




生命を繋げる

2015-10-29 08:32:16 | つれづれ


いっぱいの赤ちゃんが生まれたので、病棟は赤ちゃんの泣き声で大合唱です。
昨夜は緊急帝王切開も有って、ブログの更新が遅れました。ゴメンなさい。

一番上の写真は京都市中京区の遼輔(りょうすけ)くん、9月29日生まれ。
「たくさんの人を助ける、思いやりの有る子に育ってください。
陣痛は辛かったですが、産んだその時点で、もう1人産みたい、と思えました。
どんなに小さなことでも相談にのってくださって、安心して日々過ごせました。」

むかし天理に居た時に、他院から切迫早産で転院されてきたお母さんが居られました。
妊娠の27週頃だったと思います。
破水して、緊急で帝王切開になったのですよね。
その赤ちゃんは無事に育ってくれました。
今なら、この週数は元気に育って当たり前ですが、
当時は生きるか死ぬか半々という週数です。
たとえ育っても、障害が残ることも有る週数でしたからね。

ところが帝王切開後、しばらく経っても、お腹に硬いものを触れるのです。
子宮とは別物で、血の塊だろう、ということで再開腹したのですよ。
帝王切開なら婦人科医2人でするところですが、
その時は外科の先生と一緒にです。
開けてみれば、腸間膜腫瘍という、すごく珍しい悪性腫瘍です。
切除はできたのですが、その後すぐ全身に転移して、
骨への転移で歩けなくなり、わずか数ヶ月で亡くなられました。

髪の毛が天パで、ちょっと小柄な方でした。
赤ちゃんの上には2人、お姉ちゃんが居られたと記憶しています。
ご主人は小さく生まれて入院中の赤ちゃんと、その子たちを育てて居られるのでしょうね。
あれから25年ほど経ちます。
もうお嫁に行かれたかな。

どうも、たいへんなことばかり思い出しますよ。

柏原で開業していた時に、
初めて妊娠された女性のご主人が、妊娠中期に癌で亡くなられことが有りました。
まだ赤ちゃんの顔を見る前です。
その女性はその時、あまりのショックで、救急車でタマル産に運び込まれました。
もう話すこともできないような状態で。
でも、最後までちゃんと妊娠されて、無事産むことができましたね。
今でもどうしているかなあ、と考えることが有りますよ。

今、産後のお母さんの全員に、乳癌検診をしています。
普通のいつもの超音波だとお思いでしょうが、
プローベというお腹や胸に当てる器具が、乳癌専用のものなのですよ。
新しく追加で購入しましたからね。

この器具を買ったのには理由が有って、
若い初めての妊婦さんなのですが、
すごく明るくて楽しい方です。
ちょっと天然なところも魅力的な女性でしたよ。
目もパッチリで、誰からも愛されるような方です。
その20代の女性が、産後に乳癌を患われたのです。
化学療法で髪も抜けてしまったと、一度来院されました。
あれからだいぶ経ちますね。

今回、もうすぐ予定日だという女性が居られました。
というのも、もう産まれましたからね。
それでそんなことを思い出したのです。
予定日がもうすぐ、という時期になって、
突然実家のお父さんが癌で余命1週間と言われたと泣かれるのですよ。
できれば今日にでも産んで見せてあげたいと。

でもね、顔を見せて上げるのが問題ではないのです。
突然のことでおじいちゃんは戸惑っておられるでしょうが、
自分の生命が繋がっていく、ということが大切なのですね。
人の生命には限りが有ります。
でも子供が生まれて、また孫が生まれる。
それで満足なのですよ。
最近では子供を作らなくても、夫婦2人の生活もいいじゃないか、と言われることも有るでしょう。
でもね、私たちが生まれてきた目的は、
やはり生命をつないでいくことなのですね。

それで、最期は安心して、霊界に旅立てるのですよ。

ちなみにその女性は、その日に赤ちゃんを産まれたのです。
ちょっと刺激してあげた、というのも有るのですが。


子宮体がんも急増しています

2015-10-26 20:52:06 | 婦人科
先日生まれた赤ちゃんのお婆ちゃんなんですよ。
私が最初に抱かしてもらっていいのかしら、と言われていました。
今日は、現在進行形で2人、陣痛の妊婦さんが居られるので、中断するかもしれません。

奈良の天理に居た時に、子宮体癌という病気がすごく多かったのを覚えています。
普通は子宮頸がんと子宮体がんの比は9対1程度とされますが、
奈良では半々といったところだったのです。

その後、丹波市で開業した時には、産婦人科の開業医の先生が他に3人居られたのですが、
皆さん、こちらでは子宮体がんはほとんど無いと言われるのですよ。
だから子宮体癌検診はあまりしていないのだと。
それで、それはおかしいな、と思い、
市とかけあって、子宮体がんの検診にも助成をつけてもらったのです。

残念ながら篠山市に移転してからは、市は財政難ということで、助成は少ないほど良いようです。

その子宮体がんですが、最近やはり急増していたのですね。
子宮頸がんも急増していますが、原因は別物ですよ。
子宮頸がんの方はウィルスの性行為での感染が原因ですが、
子宮体がんの方は、月経不順と関係します。

好発年齢は50歳以上なのですが、
最近では40歳未満の若い女性の発症も増えてきています。
妊婦されて妊婦健診に来られても、子宮体がんはできません。
もう妊娠しているので、子宮の奥は検査できませんからね。
子宮頸がんはよく引っかかるのとは違います。

それに関連して、不妊で来院される方に検査した報告が有ったのですよ。
不妊症の方は、月経が不規則なことが多いですからね。
栃木県のあるクリニックで検査されたところによると、
同年代の女性の5~10倍高い確率で、子宮体がんや、その前段階が見つかったそうです。

とくにリスクが高い群は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という病気の女性です。
不妊で来院された女性には、子宮体がんもやた方がいいでしょう、ということです。
残念ながら現在のところは、ガイドラインには指定されていないので、
しなくてもいいということではあります。

タマル産では、以前は不妊で来院された女性には全員に、
子宮体部の組織診という検査をしていました。
ただ痛みを伴う検査ですし、出血もするので、
ルーチン検査からははずしてしまったのですよ。
でも、また再開した方がいいかな、とは考えてしまいますね。

ちなみに最近の検査は、子宮頸がんと同様に、
採取さいた細胞を、これまでのスライドに塗る標本ではなくて、
固定液の入った瓶に、ドボンと浸ける方法に代わっているので、
より精度が上がっているのですよ。
アメリカではもちろん、50歳以上の女性は全員、受けることになっています。

結論です。
赤ちゃんを産んだことの有る女性は、50歳になったら受ける、
これも将来は40代後半になるかもしれません。
赤ちゃんを産んだことが無かったり、月経が不順な女性では、
若い時からときどき受けるといいでしょうね。
ただ、子宮頸がんのように、ぜったい見つかるというものではなく、
検査は曖昧さの有るものだということは、理解しておいてくださいね。

GBSはなぜ怖いのですか

2015-10-23 20:58:31 | 産科
篠山市西八上の颯大朗(そうたろう)くん、9月23日生まれ。
「父親のように優しく朗らかに育ってください。
個室なので静かにゆったりと過ごせませした。
お料理は病院とは思えないくらいおいしくて豪華で驚きました。
ハーブティーに癒されました。」

私もハーブティーは大好きで、ローズヒップティーなんかとくに好きなんです。
それに薔薇の花が散り終わった後の、赤い実を思い描けますからね。
開業した頃はまだハーブティーという言葉を誰もご存知なかった時代でした。
タマル産でお出ししているものは、ただのハーブティーではなくて、
ブレンドされたもので、しかも毎夜異なったものなのです。
これだけでも皆さん、リピーターになられますよ。

さて、この10月1日に済生会兵庫県病院で、周産期医療検討会が有ったお話はしましたね。
復習しますと、新生児一過性多呼吸は帝王切開の後に起こりやすい、というお話でした。
これを防ごうとすれば、なるべく遅くに帝王切開するのが良いのです。
ですが実際には陣痛が来てしまっては困るので、日本では38週頃にすることが多いというお話です。
でも、できれば帝王切開なんてしたくありませんよね。
かえってリスクも上がるし、赤ちゃんも呼吸が辛いので、保育器に入ってしまいますからね。

その話以外にも双胎妊娠の管理や、母体搬送や新生児搬送の報告が有りました。
済生会病院はNICUも新しくなったので、新生児はさらに受け入れがよくなっています。
何か有っても、すぐに診てもらえるというのは心強いですよ。
残念ながら、産科の方は、24時間輸血ができたり、
脳卒中の治療ができるという体制は無いので、
緊急の母体搬送では、どうしても神戸市の海側まで行かなければなりません。

この時のもう1つの話題がGBSでした。
このGBSのお話は前にもしたことが有りますよ。
グループB溶連菌の略です。正確にはB群溶血性連鎖球菌ですか。
いつからか、妊婦さんは全員、この細菌の検査をしています。
母子手帳にもちゃんと結果を書く欄が有ります。
ただしタマル産では、GBSだけではなくて、他の細菌もすべて検査していますから、
細菌培養検査という結果をお渡ししているのですが。
その結果にGBS(+)というのが無ければ、問題有りません。

妊婦さんがこの細菌を膣に持っていても、普段は何も起こりません。
たまに前期破水になって、早産したりすることは有りますが。
あるいは破水しても陣痛が始まらなければ、陣痛促進剤を使用したりします。
早く産ませてあげないと、膣のGBSが胎児の袋の中に感染してしまって、
熱が出てくるためです。

生後1週間以内に発症する早発型では、肺炎や髄膜炎、敗血症になったりすることが有ります。
それで陣痛が始まったり、破水した時には予防的に抗生物質を点滴するのですよ。
ちなみにタマル産ではこれを無料でしています。ポッキリ価格ですからね。

予防的に抗生物質を点滴していないと、
半分の赤ちゃんは感染してしまいます。
そのうちの1~2%に症状が出るのです。
症状が出てしまえば、そのうちさらに13.6%の赤ちゃんが死んでしまうのです。
そして死ななくても13.6%の赤ちゃんは後遺症を残します。

もう1つ、遅発型というのが有って、退院した頃の、生後7日後以降に発症するものですが、
同じく敗血症や髄膜炎、骨髄炎、蜂窩織炎などを起こします。
こちらも致死率8%と高いです。後遺症が出るのは21%です。

みなさんは、予定日が近づいて、陣痛が来ればいいのですが、
先に破水から始まったような場合に、
このGBSを持っている方はとくに注意をしなければならないということなのです。
なかなか排除するのは難しいですから、
入院したら抗生物質の点滴を定期的にするということです。
そしてできれば、陣痛誘発剤を積極的に使って、
少しでも早く産んであげた方がいいのですね。

どうしても陣痛誘発剤には抵抗が有る方が多いのは知っています。
ですが、赤ちゃんの生命に関わることですからね。

胃薬で月経不順?

2015-10-21 21:01:47 | 不妊症
丹波市氷上町の「さくら」ちゃん、9月18日生まれ。
「優しい子に育ってください。
初めてウォーターベッドの上で出産しましたが、思っていた以上に良かったです。
ご飯が豪華でびっくりしました。
とても親切にして頂きました。ありがとうございました!」

と、お褒めの言葉をいただきましたよ。
1人目は、他のクリニックだったのですよね。
自慢していてはいけませんね。

さて、たまには不妊症の話題もしなくてはいけませんね。
不妊外来を受診すると、何回か採血して検査してもらうことが有るでしょう。
何を検査しているかには、興味を持ってください。

それでも不妊症なのだからと、ホルモンの検査はぜったいにされているでしょう。
女性ホルモンであったり、男性ホルモン、甲状腺ホルモンや下垂体ホルモン、
男性ではとくに副腎皮質ホルモンなんかを測定しているかもしれません。

ですがこのホルモンですが、ワンポイントで測定しても、異常を見逃してしまうことが多いものです。
わずかな違いしか有りませんし、だいたい月経周期によって、まったく違う値を示すからです。
低温期、排卵期、高温期といった時期によって異なります。

ちなみに子宮内膜組織診という検査が有って、
子宮の中から1ミリほど組織を取ってきて検査をするのです。
どうせ月経が来れば流れ落ちてしまう部分です。
それを顕微鏡で見れば、今日は月経の何日目か、というのまで分かるのですよ。
もし2日、実際の日付とずれていたら、これだけで、黄体機能不全という診断がつくくらいです。
それほどまでに、月経周期によって、ホルモンの値は異なりますし、
それに反応する子宮や卵巣や、胸だって、1日でだいぶ変化するのですよ。

私は若いころ、研究室でマウスを妊娠させて検査していたことが有るのですが、
膣からヒトのがん検診のように、細胞を綿棒で拭い取ってきて、顕微鏡で見るのです。
これだけで、いつが排卵日か分かるのですよ。
マウスの月経周期はたった4日なのですよ。
もちろんヒトでも同じ方法で、排卵日が分かります。

話がそれました。
ホルモンの検査は、月経周期によって変わるので、
ワンポイントで検査しただけではあまり意味が無い、
ということを納得してもらおうと思っただけなのです。

そこでタマル産の不妊外来では、ホルモンを測定するには負荷試験を行います。
下垂体から放出されるLHとFSHというホルモンを測定するためには、
下垂体を刺激している視床下部のホルモンを注射して、
下垂体からのホルモンを15分毎に採血するのです。
これには1時間ほどかかるのですが、是非ともしておいた方が良い検査なのです。
ですが、有名な不妊外来でさえ、あまりしていないでしょう?
大学病院レベルでしか、あまり検査しないかもしれませんね。
検査主義が煩雑なのと、ベッドを1時間も独占するためでしょうか。

それで何が分かるのかといえば、
例えばプロラクチン(PRL)というホルモンが高いのかどうかが分かります。
少しだけ高くて、普段は正常域にあるような場合を、
潜在性高プロラクチン血症と呼びます。
明らかに高ければ、ただの高プロラクチン血症ですよ。

こういう場合は妊娠しにくくなりますから、薬物療法が必要になってきます。
先日も測定したら、中くらいに高い値になるのですよ。
よく聞いてみたら、授乳中だったのです。
上の子が2歳半にもなっていて、月経もきちんと有り、不妊外来を受診するまでの女性が、
実は授乳されていたとは。
きちんとお話を聞けていなかった、というkとで反省です。
ですが、みなさん、常識が無いのには困りました。
授乳していると次の子を妊娠しにくい、ということをご存知ないのですね。

また他院で不妊外来を受診されていたのだけれど、
タマル産に転院されてきた方がおられます。
紹介状に有るワンポントの検査で、プロラクチンが高いのですね。
聞けば、この時は、うつ病などに使う薬を飲まれていたのです。
こういう風に薬の副作用で高く出ていることもありますよ。
制吐剤、抗潰瘍薬、向精神薬、抗うつ薬、降圧剤、循環器薬、エストロゲン剤などで起こります。
先日も10代の女性で、胃が悪いということで、内科にかかり胃薬を処方されていて、
月経が不規則になったという子が居ました。

他にも下垂体のプロラクチン産生腫瘍なども、わりとよくある病気です。
こんな時は鼻の奥から器具を入れて、脳のしたにぶら下がっている下垂体を、
削り取るという手術をすることが有ります。
ハーディーの手術というのですが、
タマル産でもこの手術を脳外科に紹介して、その後妊娠された方も居られますよ。

いくつか、不妊に関わることを知っておかれると、参考になるでしょう?