タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

乳酸菌で膣内フローラを正常に

2021-07-30 20:34:09 | 不妊症
毎日たくさんの郵便物が届くのですが、最近は消印だけで、切手が貼ってあるものは少ないのですよ。
それでも切手を収集しているのです。
これを寄付すると途上国の支援になるのですって。
タマル産には、マークエステル氏の絵がたくさん掛かっています。
フランス人のマークさんは、若い頃に日本の切手を収集して、日本に興味を覚えたために、外交官として日本に来られたのです。
だから発展途上国だけではなくて、先進国の人にも影響を与えられるのですよ。

さて、ここからが本日の話題です。
来年には体外受精だけでなくて、人工授精も保険の適応になりそうですよ。
制限はかかるようなので、吉と出るか凶と出るかはまだ分かりませんけれど。

不妊症の検査をしていると、膣の細菌の検査で、大腸菌が増えている女性が多いのです。
お尻と膣は近いですから当たり前のように思えるかもしれませんが、
実は膣は乳酸菌で清潔に保たれているのです。
乳酸菌は膣のアカを食べて、乳酸というウンチをするのです。
それで酸性になるために、他の菌が生えにくくなるのです。
関係無いのですが、羊水はアルカリ性なので、破水するとリトマス紙で分かるのですよね。

ところが抗生物質をよく飲む女性などでは、善玉菌の乳酸菌が死んでしまって、悪玉菌の大腸菌やカンジダなどが増えるのですね。
そうすると不妊症の原因になってしまうのです。
年齢や普段の食事にも影響されます。

妊娠を希望しない女性でも、帯下が多いなどの症状の有る場合は、乳酸菌を増やせば良いのです。
乳酸菌だけでなくビフィズス菌も有用で、膣に直接挿入しても良いですし、口から飲むだけでも効果が有ります。
ただし生きている乳酸菌しかダメですよ。
メーカーによっては加熱処理してあるものも有りますからね。
飲む人に有用な作用を示す、生きたままの菌のことをプロバイティクスと言って、最近の不妊症治療では1つのトピックですよ。

不妊外来ではよく保険適応のビオフェルミンRという薬を処方していますが、
もし自分で買うなら、薬局でビオフェルミンSか乳酸菌と書いてあるものを買うと良いでしょう。
ただし、効果がどれくらい続くかや、飲んでも膣内フローラにあまり影響しないものも有るので、
実験結果がはっきりしているものと言えば、帝人の乳酸菌UREX(ユーレックス)がお勧めです。
別にリベートはもらってはいませんけれどね。
https://biolier.jp/material/urex/


地域で安心して分娩できる医療施設の存続を目指す議員連盟発足

2021-07-16 16:06:07 | 産科
兵庫の知事選には行かれましたか?
私はとっくに期日前投票に行きましたよ。
このコロナ渦で大阪は医療崩壊してしまいましたが、
もとはと言えば、維新の会が公立病院潰しをしたためと言われています。
もし兵庫も維新の会になれば、財政重視で医療費抑制政策が敷かれるのは目に見えていますね。
医療政策に興味が有るなら、投票に行くのが民主主義というものです。

さて、お隣の三田市について見ると、私が以前から指摘しているように、
とうとう神戸市北区の済生会病院との統合のための第1回会合が開かれました。
どちらも神戸大学の関連病院ですから、神戸大学の教授が最終的には決めるのですが、
「三田市民のような300床規模の病院で、今の状況では人は出せない」と言われたようです。

ちなみに兵庫医大ささやま医療センターは180床です。
そのうち一般病床はわずか92床です。
兵庫医大も、本院が切迫しているのに人は出せないのですよ。
昨年から産婦人科では分娩取り扱いを中止されましたが、
今年からは外来も週に3日に減りました。
外科も今年から2人から1人体制になりましたから、緊急手術はできなくなって、
産科医療も救急医療も無くなってしまったということです。

お産は全国的には半分が病院ですが、半分は有床診療所で取り扱います。
ですが上の図のうぐいす色の線のように、有床診療所は、もう間もなく消えてなくなる運命なのです。
丹波篠山市はまだタマル産が残っているから安心でしょう?
三田市なんて産むところが無くなるのですよ。

本来の市民病院の務めは、産科と救急なのですが、これからは介護施設化していきそうですね。
そんなところへ毎年何億も助成して良いのでしょうか。
どこの市町村も産科と救急を維持するためだけに、数億から十数億円を毎年負担しているのですよ。
ところが丹波篠山市では、わずか1,500万円で産科が維持できています。

ですがとても残念なことに、市長が判断されたタマル産への助成を、中止すべきだという声がたくさん聞かれるようです。
あるいは産科医療の充実のために尽力してくださった議員の方々に、悪質メールや選挙妨害をする面々が居られるようです。
文句が有れば選挙に行くべきですね。

ところで産婦人科の有床診療所が減少してきている理由はお分かりですか?
まずは出生数の減少です。
准看護師学校が廃止されているのも原因の1つです。
看護師の内診問題というのも有って、看護師が内診したから死産が起きたという言いがかりで問題になったことが有ります。
この時もたくさん開業産婦人科が潰れました。
看護師でなく助産師を雇用しなくてはならなくなったからです。
ところが厚生労働省はこの後、看護師は内診しても構わないと通達を出しましたよ。
タマル産ではもともとしていませんが。
看護師の給与もここ20年で倍化していますよ。

他には産婦人科だけダントツで訴訟が多いのもウンザリですね。
訴訟対策で人件費がますます増大しています。
おかげで産婦人科医は、儲かって夜勤もなく、訴訟も少ない不妊治療施設に流れてしまうのです。
お産を手伝いたい若い産婦人科医なんて、もう居ないのですよ。
研修医の働き方改革で、アルバイトに有床診療所に出れなくなりました。
それでいつまで経っても24時間、年中無休で働くしかないのです。

何も手を打たなければ、現状の産科医療体制は崩壊する恐れが有るのです。
そこで日産婦は田村厚生労働大臣への要望書を提出したところです。
「地域で安心して分娩できる医療施設の存続を目指す議員連盟」という、国レベルでの組織化が立ち上がったところです。

そんな中で、タマル産に辞めて欲しいとはねぇ。


腋窩多汗症注射の保険診療のお知らせ

2021-07-09 20:34:33 | 美容医療
最近は休みの日には、家庭菜園や日曜大工が趣味になっています。
今まではドライブすることが多かったのですが、観光地への外出は自粛していますからね。
と言っても、3週間ぶりの休みでしたが。
写真は、アイビーを挿木で増やしているところですよ。うまくいくかな。

さて、今日の話題はワキ汗対策の続きです。
前回の記事は以下です。
https://blog.goo.ne.jp/tamarclinic/e/e1a3392f6a0cafa4a6a6da3385bb94f6

今年から保険診療で使える塗り薬が発売されているので、困っている方におすすめしたものです。
初月は5千円ほどかかりますが、2ヶ月目からはもう少し安くなります。
使用期間は夏の間だけになるでしょう。

ただ以前からボトックス注射をするほど重症の方には、効果には物足りなさも有るようです。
そこでタマル産でのボトックス注射のお知らせもしておきましょう。
今までは自由診療で韓国製のボトックスを使用してきました。
自由診療でも安く処置できるからです。

ですがこちらも今年からタマル産では、保険診療で使えるボトックスを取り扱えるようになりましたよ。
グラクソスミスクライン社製というオリジナル製品です。
ワキの多汗症だけでなく、産婦人科的にはこどもの斜頸や、尿失禁などにも保険適応が有ります。

本当を言うと、手続きがとても煩雑なので、ちょっとたいへんなのです。
まずボトックス講習・実技セミナーを受けて修了証をもらいました。
以前から受講していたのですが、保険診療となってからの再受講ですよ。
患者さん毎にネットで情報を登録します。名前はイニシャルなので個人情報漏出の心配は要りません。
それから注文を入れて、残った薬液も不活化してから廃棄するのですが、これも報告する必要が有るのです。
麻薬の取り扱い並みに厳重な管理が必要なのですからね。

まあ、手技的には以前から行ってきたことであり、効果も即効性が有るので、一度体感すると毎年したくなりますよ。
ワキ汗で困っている方は診察時間内に電話で予約をお取りください。
まったくの初診の方は、一度外来を受診されてから申し込まれた方がよろしいでしょう。
できれば1週間前までにご予約ください。
費用をよく聞かれるのですが、2万円ちょっとです。
塗り薬とそれほど変わりませんね。
処置した日と2週間後の2回受診になります。

1日100円のボランティア活動

2021-07-02 20:58:08 | つれづれ
今日は2日がかりのお産でした。
これからもう1人、夜中に生まれそうですよ。

さて、上の写真はOur Storyという雑誌です。
待合室にも1年分を揃えていますから、待ち時間の時に手に取っていただくと嬉しいです。
初診の方にはプレゼントしているのですが、ご存知でしたか?
発行しているのは、WFWP(世界平和女性連合)という国連NGO組織です。
https://wfwp.jp/

海外では、女性の自立支援・地位向上、子供の教育、医療・保健支援、エイズ予防教育を、
国内では、女子留学生支援、女子留学生日本語弁論大会、お母さん塾などの教育再建のための草の根ボランティア活動を展開しています。
これって、余裕の有るセレブな女性だけが参加しているだけでは?と思われるかもしれませんが、
1日約100円、月会費3,200円で、ボランティア活動ができますよ。
自分のことで精一杯ですって?
“もし、女性たちが姉妹になれば、男性たちは互いに争うことはできません。世界の女性たちが一つになれば、男性たちは互いに銃で狙うことはできなくなるし、父母たちは息子、娘たちを土に埋める悲しみを体験しなくなるでしょう”というのが創設者の言葉です。

具体的には、今度、宝塚で留学生による女子弁論大会が行われるのですよ。
真面目に日本のことを学ぶためにやってきている子たちも大勢居るのです。
あるいは日本に来れない子たちには、里親制度も有ります。
子供たちへ奨学金を渡すのですよ。年間15,000円ほどです。月に1,000円ちょっとですが、子供たちには十分なのです。
私も里親の1人なのです。
日本に居る家族だけでなく、世界に家族が居ると思えばワクワクしてきませんか?

WFWPの会長の初仕事はペルーへの派遣だったそうです。
国際貢献センターが有って、子供たちに食事を提供したりするそうです。
ですがそこはトイレも電気も無い、外は一日中かすみがかかっているようでいて、それはスモッグなのだそうです。
ゴミの中で暮らしているような匂いも強烈で、そんな中で子供たちは労働を強いられているそうです。
彼らに何が欲しいかと問うと、トイレではなくて、国際貢献センターを蛍光色に塗ってほしいと言ったというのです。
くすんだ世界で、幸せな家が有ることがわかるように目印になるようにだそうです。

良い話を聞くと、みなさんにも伝えたくなってしまいましたよ。