タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

ただいま混雑中

2012-08-31 20:38:50 | つれづれ
こちらには久しぶりで帰って来られたのでしたっけ?
写真のお姉ちゃんです。

今日はもう少し大きくなった、お姉ちゃんたちのお話です。
去る6月4日からの1週間、西紀中学の生徒さん2人が
トライやる・ウィークに来てくれたのは以前、お話しました。
今日、活動報告書が届いたので、載せてもいいかな。
匿名ならいいですよね。

「沐浴見学の時に、赤ちゃんのへその緒が取れるところを見ました。
5日ぐらい経って取れるので、ポロッと取れてびっくりしました。」

「抱っこしていて気づいたことは、赤ちゃんの体温がすごく高いということです。
抱っこしていた私まで熱くなってきました・・・(汗)
でも、小さくてかわいい赤ちゃんでした。」

2人の中学生さんの、赤ちゃんを視ての感想です。
他にもあったのですが、この部分が一番カワイくて、おもしろかったので載せてみました。
ちょっと漢字はところどころ間違っていたので、直しておきましたよ。
もし看護師さんや助産師さんになることがあったなら、
もう少し今のうちに勉強しておかないといけません。
そのための中学校ですからね。

ですが、物事の本質に気づいたのが良かったですね。
何事でも、びっくりしたり、あせってみたりと、
自分で体験することが、興味を持てるし、
将来職業を選択する上でも、役に立つかもしれませんね。

私はトライやる、というわけではありませんが、
高校生の時は観光地の食堂でウエイターをやっていました。
大学入試が終わった後の春休みは大型スーパーの中の焼きそばやさんで
ソクトクリームを売っていました。
大学卒業後の春休みは、京都の先斗町のフランス料理やさんで
皿洗いもしていました。
と、料理関係が好きだったんですね。
だから今でも褥婦さんの食事にはうるさいのかもしれませんよ。

もちろん医師に興味を持ったのはもっと小さな頃です。
小学校の時には、もう自分で医師になると決めて、
滋賀県の田舎の小学校から京都の中学校を受験したのですから。
当時県外に出たのは、たったの2人しか居なかったのです。
それくらい今の子たちにも強い意志を持ってほしいということです。

今、都会では看護師さんを目指す若い女性たちがたくさん居ますが、
就職してもすぐにやめてしまうそうです。
だから病院は、数年間はあまり仕事をさせないそうですよ。
仕事がしんどくて、やめてしまわないようにです。
そんな過保護の看護師さんにはなりたくないですよね。
最近、篠山の医療センターでも、看護師さんの大量退職によって
お産が制限されていたので、タマル産ではいきなり大混雑中です。
ご迷惑をおかけしていますね。
ですがさて、ことの原因はどこにあるのか、おわかりになられましたか?

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丹波が一番?

2012-08-29 17:30:38 | つれづれ
写真のヒント、お姉ちゃんはお母さんにそっくりです。

小学校の頃、かかりつけの先生は朝と夕方しか仕事がなくって、
さぞ楽しているんだろうな、と思っていました。

ところが今日のお昼は、柏原で養育支援ネット推進検討会なるものに参加です。
丹波市と篠山市の子育て支援の市の職員や保健所の職員に、
産婦人科医、小児科医、精神科医が一堂に会して子どもの虐待防止なんかを話し合うのです。

と言っても残念ながら、みなさんあまり問題意識を持っておられないなぁ、
というのが実際に臨床に携わる一産婦人科医の感想です。

子育てできない方は実は多いですよね。
スーパーなんかに行くと、大声で子どもを叱っていたり、
頭を平手打ちしていたり。
かと思えば、たくさん赤ちゃんを産んでも、ほったらかしていたり。
赤ちゃんの爪も切らずに、布団の上で亡くなっていたり。
あるいは車の中で熱中症で亡くなっていたり。
タマル産の前に捨て子をする人が居たり。
実際は皆さん、とても子育てが苦手なんです。

この原因は、どうしても母親1人が子育てをしないといけない、
という強迫観念があるせいだと思っています。
もちろん核家族になれば、御主人の手伝いも必要でしょう。
丹波でもお婆ちゃんが手伝ってくれるとは限りません。
だから子育ては子育てがじょうずな人にまかせるのです。

保育園だっていいし、子育てサークルだっていい、
市の保健師さんの巡回時に悩みをぶつけるのもいいでしょう。
小さい時から保育園に預けるのはかわいそうだと思っておられるかな?
ですが、むしろ赤ちゃんだって、友達ができて楽しいかもね。

今日の会合でもう1つ気付いたのは、丹波ってすごく出生数が少ないのですね。
丹波の人は子だくさんだとばかり思っていましたが、
兵庫県では丹波が一番、人口あたりの出生数が少ないのです。
もちろんそれだけ若い人が少ないということで、
今さらながら、この問題が一番の問題ですね。

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山のあなたの空遠く

2012-08-28 19:01:17 | 不妊症
2つになったんだよね。

今日は体外受精についてお話します。
体外受精はむかしは試験管ベビーと俗に呼ばれていて、とても人工的な治療だと思われていました。
今でもそんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

普通は不妊の治療で外来に来られても、いきなり体外受精をすすめるようなことはありません。
一般的な不妊治療を1年とか2年続けても、なかなか妊娠されない方には薦めます。
他には抗精子抗体という抗体を持っている方や、卵管が詰まっている方などにも薦めます。
もちろん、年齢が35歳も超えてすぐにでも赤ちゃんが欲しい、という方も受けてもいいでしょう。

ですが1つ注意していただきたいのは、年齢的な適応で体外受精を受けられる場合、
必ずしも体外受精はいい方法ではありません。
言い換えると、例えば40歳になって、卵の加齢がある場合は
体外受精でも普通の夫婦生活でも妊娠率は変わらないのです。

さて本題です。
一般不妊治療も長くなってきて、少し焦ってきた時に体外受精ってどんなものかな、
と考えられた時のために、その概要をお話しましょう。

この段階まで来られた方はたいていの場合、hMG-HCG療法という治療を充分に受けられているはずです。
これは連日、卵巣の中の卵胞という卵の入った袋を大きくするための注射です。
成分は頭の中の下垂体という臓器から出るホルモンそのものであったり、似せて作ったものです。
ここが治療をする方にとっては一番の負担になります。
連日、不妊外来で注射に通わなくてはなりません。
ただしこれもここ数年で、自己注射で刺激する方法に変わった病院もありますから、
必ずしも毎日通わなければいけないということもなくなってきました。
大きな進歩ですね。

そして卵胞が大きく育ったところで、HCGというこれも下垂体ホルモンの1つに切り替えます。
HCGに切り替える前に自然に卵胞が排卵してしまっては困るので、排卵を抑制する薬も一緒に使います。
この注射に変えると36時間後くらいまでに採卵をしないといけません。
採卵というのは膣から太い針をお腹に向けて刺して、吸引器で卵を吸い取ることを言います。
1つしか取れない方も居られれば、数十個も取れる方も居られます。
少し痛いので、麻酔を使うこともあれば、痛み止め程度のこともあります。

この後は御主人の精子の調整です。元気な精子だけを選別して、
卵1個に対して、精子を10万匹くらいに調整します。
この時精子が非常に少ないカップルでは、さらに顕微授精という方法を併用することもあります。
卵1個に対して精子を1匹だけ注入する方法です。
普通はそこまではしないのですよ。

精子が調整できて、卵も数時間培養した後に、混ぜ合わせて培養を続けるのです。
この培養器もニワトリの卵を温めるようなものから、
今では培養中に蓋を開けなくても、受精卵を観察できるような高度なものに変わりました。
そして数日から5日くらい培養して、
子宮にストローで返すだけです。
もちろん細かい手技はいろいろありますが、おおかたこんなものです。

小学校に上がれば、1クラスに1人くらい、こんな治療を受けて生まれた子が居ます。
すごく普通の治療になってきたので、もう恥ずかしいなんて考えなくてもいい時代になりました。
でも敢えて人に言うようなことでもないのでしょうが。

私が研修医をしていた頃に日本でも始まった治療です。
それから20数年、あっという間の進歩ですね。
その頃はみんな海外とか、日本でも飛行機に乗って、治療を受けに行っていた時代です。
治療には1ヶ月ほどの入院も必要でした。
それでもたくさんの方が受けられていたのです。

今では外来でできるようになりましたし、
費用もその頃とは比べものにならないくらい、安くできます。
それでも残念ながら、治療を受けられる方の満足度は変わっていないようです。
医療とはそんなもので、どんなにいい治療が開発されても、
永遠に満足なんてできるものじゃないんです。

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うまれる

2012-08-27 20:37:55 | 産科
写真の子は2度目の出演ですって。
お母さんにそっくりで、かわいいのでまた撮ってしまいました。

ところで今日、丹波市の生涯学習応援隊という団体から案内があって、
「うまれる」という映画を11月25日に上映するので後援をしてほしいということでした。
その映画のことは聞いたことがあったので、快く承諾しました。

うまれることには理由があります。
それは両親の愛の結実だということです。
でもちょっと待ってよ、という思いもしました。
自分の存在理由というのでしょうか、そこまでは言い当てていないのかもしれないです。
それは生まれてきた理由なだけであって、
自分の価値までは言い当てていないのでしょう。

もう両親学級を13年もやっています。
もちろん前に働いていた病院でも普通の両親学級はしていたのですが、
今から思うとそんなものは本屋さんの本を読めばわかるものです。
開業してからの13年は、けっこう思い入れで皆さんに話していたかもしれませんね。

とくに妊娠初期の両親学級では、今ではソフロロジー学級という形をとり、
なぜ私が開業してまでお産をしているかっていうお話をしています。
そもそも日本では病院でお産するカップルと診療所でお産するカップルが、
ほぼフィフティフィフティなんですよ。
具体的に言うと、お産になるべく医療を介入させないようにしています、
という内容なのです。
でもこれは言うは易し、行うは難し。
なかなか誰にでもやれることではない、なんて自分で擁護してしまいます。

もう1点は、赤ちゃんを産むのは親になること、
すなわち家庭の完成であることをお話するのです。
言い換えれば不倫なんかをして離婚しないように、と堅くお知らせすることです。

まあこんなことを水戸黄門のように毎回毎回やり続けているのですから、
笑われてしまうかもしれませんね。
でもせっかく両親の愛によって生まれてきたのですから、その理由を知るのはいいことです。

「私はあなたのために生まれてきたので
あなたのために生き
死ぬのもあなたのために死ぬでしょう」
と互いに言う夫婦は理想的夫婦です。
このように相手のために生きる原則を持つ家庭こそ
思想的な家庭であり
幸福の家庭であり
平和の家庭です。

   レバレンド・ムーン

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エストロゲンとコラーゲンの関係

2012-08-24 20:39:50 | 美容医療
写真のお姉ちゃんは小学校1年生になっているのです。
赤ちゃんができたら楽しいね。

女性の皮膚は年齢に伴い変化していくのは実感されておられますよね。
さらには1ヶ月の間でも変化していきますよね。
月経の終わり頃から14日目の排卵期くらいにかけて、
女性ホルモンの1つエストロゲンが増えてきます。
この低温期、あるいは増殖期といわれる時期が一番、皮膚が健常な時期です。

排卵した後は卵巣の卵の抜け殻の黄体という組織から
黄体ホルモンとかプロゲステロンと呼ばれる、
これも女性ホルモンの1つが分泌され始めますから、
この高温期、あるいは黄体期と呼ばれる時期は皮脂の分泌が増えてきます。
メラニンを産生する働きが活発になり、
ニキビやくすみなどの皮膚のトラブルが多くなる時期なんですね。

月経になってしまうと、じんましんや紅いブツブツ、湿疹、ニキビなどが出て、
月経疹と呼ばれるほどになる方も居られます。
それほど皮膚と女性ホルモンは関係しているのですね。

ついでに妊娠した時のことも言うと、
月経が来ずにエストロゲンもプロゲステロンもどんどん増えていき、
乳首やワキの下、外陰部などに色素沈着がみられたり、
肝斑といわれる両ホホに見られるシミができたりします。
妊娠線は子宮の急激な成長だけでなくて、副腎皮質ホルモンの影響もあるのですよ。
最近、皮膚にかゆみがでた、と言われた方もありましたが、そんなこともあります。
あとは毛が濃くなったとか。

妊娠と関係ないところでは、
加齢による変化として、40代くらいになると先ほどの女性ホルモンが減少してきます。
エストロゲンには皮膚のコラーゲンの産生を促す作用があるので、
減少によりコラーゲンも減少し、皮膚は薄くなって乾燥し、
ハリや弾力が減少し、たるみが出てくるわけです。

年齢を重ねることで、それをよしとする考えもありますが、
やはり女性はいつまでも美しくありたいもの、少しの手入れで見違えるのなら
してみたいということもあるでしょう。
おすすめは減少してきたエストロゲンをおぎなう塗るエストロゲンです。
保険診療なので、すごく安く継続できます。
一応の目安は60歳くらいまで使ってもいいでしょう。
同じものが保険適応前は資生堂から出ていて、2万円ほどしたのですからお得な感じ。

これを使用しながら塗るボトックス治療と呼ばれる超音波リフトアップがおすすめ。
他にもいろいろありますから試してくださいな。
今では産婦人科だけでなくて、美容皮膚科にも力を入れていますので、
治療方法にもバラエティが増えたのです。
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