タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

流産の大きな原因

2012-07-03 20:46:31 | 不妊症
この1週間の不妊外来では、新たに3人の方に妊娠反応が陽性になりました。
内訳は1人がタイミング法、2人の方が排卵誘発剤の自己注射法です。
多のう胞性卵巣という病気に対しての治療法です。

先週でしたか、加齢と流産率の上昇のお話をしました。
これが意外と知らない方が多いのにはびっくりします。
流産率は一般的には10~15%とされています。
ですが35歳では30%くらい、
40歳ではなんと50%、
43歳では妊娠しても殆どの方が流産します。

これからは35歳以上で妊娠、出産される方が多くなりますから、
この流産率は飛躍的に上昇していくことでしょう。

ではなぜ高齢になると流産率が上昇するのか、ですか?
主には卵子の染色体の異常の確率が上昇するからです。
ときどきご主人の年齢も高いと心配されますが、
それはそれほどは影響しないのです。
卵子の中に数十年間守られてきた染色体が、徐々に異常を起こしてくるわけです。
だからいつも言うようにタバコなんかは吸ってはいけないのです。
もし流産せずに生まれてきても、子どもの染色体異常の確率も高まります。

加齢による影響は染色体ばかりではありません。
子宮筋腫や高血圧、糖尿病の合併も増えてきます。
お産もたいへんになり、分娩時出血の多さも加齢と関係します。

とここまで言うと、悲観してしまう方も居られるかもしれません。
このブログの意図はそんなところにあるのではなく、
30代で結婚された方はすぐにでも婦人科外来に来てくださいよ、
というメッセージのつもりですからお間違えなく。

何度も言いますが、加齢と不妊、流産は切っても切れない関係なのです。

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今日の写真は先日の音楽会での写真です。
このファミリーは篠山に移り住んで来られた方です。
それも陶芸をするために。
若い方が来られるのを応援しないといけませんね。