タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

地中海と夾竹桃

2012-07-11 21:04:54 | 不妊症
先日、筋ジストロフィーという病気かどうかの染色体検査を大学病院で受けるので、
正常妊娠かどうか知りたいという妊婦さんが来院されました。
何でも女の子なら遺伝子のキャリアーになるけれど、
男の子なら発症する可能性があるのだとか。

そんな時に、時を同じくして今日のニュースでは神戸の大谷産婦人科という診療所で、
こちらは出生前の検査をしていたというニュースが報道されていましたが、
皆さん見られましたでしょうか?

出生前検査とは体外受精の際にお腹から卵を採取して、
文字通り身体の外で精子と合わせて培養する最中に、
受精卵はどんどん分割して、2個から4個、8個と増えていくわけです。
途中の4個に分かれた時に、そのうちの1個の細胞だけを取り出して、
検査に回すというものです。

普通なら2個、4個、8個、16個、32個と増えていくのですが、
その方法では3個、6個、12個と増えていくわけです。
ちょっと数が合いませんが、大きくなったら同じようなものです。

先ほどの取り出した1個の細胞ですが、これを詳しく検査すれば、
子宮に戻す前に筋ジストロフィーなどの異常が分かるという訳です。
この方法で受精卵を選り分けると、通常の体外受精とは比べ物にならないくらい、
妊娠して赤ちゃんが生まれる率が上がったというニュースでした。

何が問題かと言うと、取り出した1個の細胞ですが、
もし検査に回さなければ、それだけで、人間になる可能性があるからです。
でもこれでは禁止するには理由が弱いでしょうね。
だって、現実的にはこの細胞を使って人間の臓器を作る研究だってされているのです。

もう1つは検査で異常が出た場合に当然、その受精卵は廃棄して、
子宮の中に戻す人など居られないでしょう。
これが人間の選別にあたるという理屈です。
染色体の検査なら男か女かで違う遺伝病の判別程度ですが、
子宮に戻す前の検査では、たくさんの異常を排除できてしますのです。

ところが現代では1人しか赤ちゃんを生まない時代になりましたから、
最高の赤ちゃんを生みたい、という人が多いでしょう。
これらはもちろん人間のエゴから生じた欲望であって、
神様の予定された摂理ではないように思われます。
ですが、そういう方向に向かっていくのは自然の流れなんでしょう。

それにしても、生産率が80%にもなるというこの方法、
希望者が殺到するのではないでしょうか。
たとえ日本産婦人科学会の規定に背いても、です。

私が小学生の頃、クラスに筋ジストロフィーの全身型という女の子が居ました。
今思えばそうだったのだと思います。
でも仲良くしていたし、微笑んだら可愛いところがある子だったのを覚えています。
そのことが子宮に戻す前にわかってしまう、という意味ですよ。
皆さんはどう考えられますか?

今日の写真はタマル産に咲く夏の花、キョウチクトウです。
地中海、ギリシャで焼かれた壷に咲いています。
夏の三大花木と言えば、キョウチクトウ、ムクゲ、サルスベリですね。

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今日2人目の赤ちゃんがまだ掲載できていません。
だって、今さっき生まれたところなのです。