タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

スタッフ募集中です

2017-04-28 21:18:24 | つれづれ
最近生まれた赤ちゃんとお父さんです。
とっても大きな赤ちゃんでしたよ。

明日からゴールデンウィークですね。
タマル産ではこよみ通りの休診です。
祝日のみ休みですから、4月30日の日曜日は診察していますよ。
また次の5月7日の日曜日も開いていますからね。
ですがこの時期、遊びに行って、子宮から出血する妊婦さんが続出するのですよ。
妊娠しても、平気で遠出するのは困ったものですね。
身近にだって楽しい所は有るものです。

私は明日は、休みなのですが、予約している患者さんの治療をして、病棟を観てから、
宝塚でのイベントに参加する予定です。
ゆるしの力〜世界平和はいかになされるか〜という講演会です。
堀さんという女性の講演会で、世界平和女性連合というNPOでボランティア活動の様子です。
現在はペルーやミャンマーで青年ボランティア隊を引率されているのですよ。

午後の1時半から4時までで、宝塚市立西公民館です。
イメントを盛り上げるのは国際的なピアニストの塚本氏です。
どなたでも、当日でも参加できますよ。興味の有る方はいかがでしょう。
一応、参加費は有料で500円だけかかります。
タマル産の職員さんも参加する方が居られますよ。

年に2回、一般の方向けの講演会が有るのですが、
ボランティアって、何か特別なことと考えておられるかもしれません。
でもね、いろんな協力の仕方は有ります。
東北の震災の時も日常品を皆で持って行ったり。
こちらのスタッフの方が被災者と間違われたようです。
それほど普通のおばちゃんたちだと言うことですよ。

近くの図書館でボランティアをするのも良いのでしょうが、それは単に給料カットのためだけです。
そういう仕事は、むしろ少額だったとしても、給料を貰うべきでしょうね。

タマル産では、ずっと以前から、初診の方全員に、ハーファミリーという雑誌をお渡ししています。
タマル産の冊子棚にも並んでいるので、手に持たれたことが有るかもしれません。
以前、タマル産で2人産まれた体操の先生なのですが、
さっそく電話して、協力するにはどうしたら良いか、問い合わせされていましたよ。

西洋ではヒズファミリーというのは、
直訳すると彼の家族という意味で、救い主によって救われた人類一家族、みたいなものを指すのですよ。
それに対してハーファミリーというのは、
一般の女性の、そうみなさんが関わりを持つような家族、という意味です。
女性同志が手をつなげば、世界が平和になりますよ、という願いを込めたものなのですね。
まずは小さなことから始めてみられば良いですね。

そうそう、タマル産では看護スタッフを募集しています。
こちらはちゃんと給料が有りますよ。
産休で休まれているからです。
看護補助さんとしては、子供さんが手を離れた頃が理想ですね。
夜勤が有りますからね。
もしくは看護学校に進学される方とか。返さなくても良い奨学金も奮発しますしね。
もちろん助産師さんや看護師さん、准看護師さんでも、産科の経験が無くても、まったく構いませんからね。

美容は時にお産以上に感謝されます

2017-04-26 21:15:58 | 美容医療
丹波市春日町の葵(あおい)ちゃん、3月22日生まれ。
「誕生花からもらいました。健康で元気な子に育ってください。
入院中は過ごしやすく、帰りたいようで帰りたくないような。
みなさんとても優しく、入院中はとても過ごしやすかったです。」

もう来院することは無くて寂しいとも書いておられましたが、
いえいえ産後も毎年、子宮頸がん検診を受けてくださいよ。
美容皮膚科だってやっていますから、お肌の手入れや脱毛なんかにも来院していただいてはどうでしょう。

最近外来で、顔や首のホクロを治療している方が居られます。
もう18年も前にタマル産で産まれたお母さんです。
開業当時に産まれたお母さんのことは、とくに鮮明に覚えていますよ。

顔やデコルテに無数のホクロができていたのですが、
炭酸ガスレーザーで、かなり綺麗になりました。
以前同じような症状の方を、IPLで治療したことが有るのですが、
やはりレーザーの方が、少ない回数で、より効果的ですね。

襟の開いた服を着られるようになって感謝しています、とおっしゃってくださいました。
ただレーザー治療の後は、どうしてもシミになってしまうのですが、
半年ほどかけて、徐々に薄くなっていきますからね。

とくに日の当たる部位のホクロは、老人性の色素班ということになるでしょう。
単にポツポツと有る、単純性の黒子とは違うのです。
加齢とともに増えてきますからね。

治療はもちろん日光に当たらないように、日焼け止めやサングラスが有効ですね。
ネッカチーフとかですね。

この方は先に皮膚科で診察を受けられているので、こわい病気ではなさそうです。
色素性乾皮症や悪性黒色腫など、怖い病気も有るからです。

むかし天理に居た時ですが、悪性黒色腫の患者さんを治療したことが有ります。
膣から外陰にかけての黒く膨らんだ、形がいびつな腫瘍です。
インターフェロンの局所注射と、放射線治療がよく効いて、
かなり小さくなったところで外科的に切除しました。

膣壁が一部切除によって足りなくなったので、
皮弁手術と言って、太ももの「薄筋(はっきん)」という名前の筋肉を、
血管を付けたまま取り出して、膣に移植したのです。
それですっかり良くなられました。
毎年、年賀状をいただいていたのです。
残念ながら、いつもお見舞いに来られていたご主人の方が先に他界されたのですが。

先ほどのホクロが無数にできる女性については、今後は予防的意味も有って、
漢方薬とピーリングを行っていく予定ですよ。
年齢を重ねても、美しさは保ちたいですからね。
ご家族もとっても喜んでおられるようです。
何より、ちょとしたことで、自信が湧いてくるのが良いのでしょうね。
みなさんも悩まずに、赤ちゃんを産み終えても、まだまだ来院してくださいよ。

周産期医学は発展しているのでしょうか?

2017-04-24 21:20:38 | 産科
3日前に生まれたばかりの、赤ちゃんとお父さんです。
鳥だって、「すりこみ」現象が有って、生後早期に見たものを親と知るのですからね。
人間だって、お父さんがすぐに抱っこするのはとても良いことです。
逆にお父さんにとっても、生まれてすぐに抱っこすると、父性が湧いてくるのですよね。
今日も先ほど赤ちゃんが生まれたばかりなのです。

ところで明日は、12年前に尼崎脱線事故の有った日ですね。
タマル 産が柏原から篠山に引っ越して来て、1年も経たない時でした。
私にとっても福知山線は、塚口病院に毎日JRで通っていましたから、通勤路であったのです。
しかも県立塚口病院のすぐ隣での事故でしたから、たいへんな1日だったのでしょうね。
丹波圏から同志社大学に通われていた学生さんたちも、さぞ無念であったでしょう。

さて今日は調べ物をしていて、興味深い統計も有ったので引用してみましょう。
2014の厚生省の統計からです。

タマル産が開業したのは、1999年です。
グラフを見ると、この頃から現在までで、有床一般診療所は1/3程度まで減っているのが分かりますね。
有床診療所には、産婦人科以外でも、透析施設、外科や内科、整形外科、あるいは療養型の施設などが有りますよ。

こと産婦人科で言えば、グラフには無いのですが、一般病院でも産科の病床は急減しています。
増えているのは、NICUを備えた、周産期センターと言われる病院だけです。
これも時代の流れだと考えていますよ。
さらには、最近は産婦人科で開業しようなどというお医者さんは皆無になってきましたからね。

もう1つ、グラフをお見せしましょう。

グラフの横軸の一番左の1987年、すなわち昭和62年という年は、
我が家の長女が生まれた年なのですが、この時は時代が優雅でしたよ。
病院での帝王切開率は9.9%、有床診療所での帝王切開率は6.5%ですよ。

できればいつまでも、こんな世の中が良いではないですか。
帝王切開なんて初めから考えずに、普通に産むのですよ。
それはついこの間のことなのですからね。
この年、私は大学病院で研修医時代を過ごしていたのですが、
この頃は、赤ちゃんが助かる助からないという境界は、だいたい妊娠28週でしたよ。
早産の定義も妊娠24週からでしたからね。
ですが国によって違い、ヨーロッパではもっと遅い週数からしか、赤ちゃんを助けませんでした。

それが横軸の一番右の、2014年では、
病院での帝王切開は24.8%で、有床診療所のそれは13.6%です。
今ならおそらく病院では30%程度でしょうね。
それが世界的な帝王切開の率ですから。
でも、まだ有床診療所は頑張っているでしょう?
もちろんリスクの高いお産は、周産期センターに転院してもらうのでしょう。
ですが逆に、大病院で帝王切開となったお母さんも、次は有床診療所で経膣的に産まれていることも有りますしね。

日本で帝王切開率が世界的に低いのには原因が有って、
お産の半分を扱う有床診療所の帝王切開率が低いからなのです。
ですが、これからはその有床診療所もどんどん減っていますから、
そして成り手が少ないのですから、いずれは周産期センターばかりのお産になって、
帝王切開でしか産めなくなるのは、目に見えているでしょう?

確かに今では、早産の定義は妊娠22週まで若くなり、
1,000グラムに満たない、超低出生体重児も助けられるようになりました。
ですがそれでどうなったのでしょう?
NICUに入院する赤ちゃんはさらに増え、
退院後も、介護を要する子供は以前より増えてしまったのですよ。
医原病と言ってもいいのではないですか。

ということで、タマル産の使命は、有床診療所がこれ以上減るペースを落とすためにも、
末長く続けるということだけですよ。
水戸黄門様のようにね。
しかも開業して18年、帝王切開率は5%程度を維持しており、
グラフで言うなら、横一直線なわけです。
それさえも、むかしの有床診療所なら、特別なことではなかったということが、
グラフから読み取れるでしょう。

病診連携は普段からのお付き合いで

2017-04-21 20:42:03 | 産科
夜中に生まれた赤ちゃんとお兄ちゃん、お父さん。
妹が元気に生まれて良かったね。

その後続々と、今日はもうすぐ4人目が生まれます。
ただし1人は、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)という病気で、
救急車で早朝の外来が始まる前に母体搬送しました。

常位胎盤早期剥離という病気の時でも、超緊急の時はタマル産でも緊急で帝王切開するのですよ。
以前、近くの初めてのお母さんで、来院時に膣から出血が有り、
剥がれていた部分も大きかったので、搬送している暇は無く、
大至急で帝王切開をして赤ちゃんを助けたことも有ります。

ですが、この病気の場合は、できれば人手の有る病院で産んだ方が良いのです。
というのも、胎盤が3分の1以上剥がれると、子宮の中で胎児が亡くなってしまいます。
少しだと胎児は助かるのですが、生まれた時に蘇生が必要なことも有ります。
ですから小児科の先生が居られた方がより良いのです。

胎盤が剥がれた部位は、子宮の壁が浸潤と言って、変色して柔らかくなっています。
それで子宮の収縮が悪くなってしまって、出血が増えることが有るのです。
ひどくなると、全身の病気に移行して、血液が固まらないDICという病気になることも有ります。
その場合は、出血した分だけでなく、大量の新鮮な血液が必要になるのですよ。

天理に居た時に、奈良県立医大に搬送したことが一度だけ有るのですが、
この時は、生血(なまけつ)と言って、その場で医学生たちが献血してくれ、
生命を取り留めたことも有ります。
今ではそんなことはしないのですよ。
生血は、GVHDという副作用が出ることが有るので、
血液にはクロスマッチをしてから、さらに放射線を照射してから使いますからね。
ですがこの時ばかりは、奈良県立医大の非常時の対応はすごいな、と思った次第です。

他にも搬送した理由が有って、通常の脊髄麻酔で帝王切開をすると、
子宮の中で出血している時は、血圧がドンと下がることが有ります。
だからできれば硬膜外麻酔でする方が、こういう時は安全です。
できれば麻酔科の先生も呼んだ方が良いのです。

症状がよく似た病気で、前置胎盤や、前置血管といった病気も有るのですが、
現実には区別しにくいことも多いのですよ。

ということで今日は済生会兵庫県病院のサユタ先生に助けていただきました。
最近では、産婦人科に関しても地域医療連携が進んできており、
定期的に勉強会が開催されています。
来月も済生会病院での勉強会に呼ばれているのですが、
普段から意思疎通をしておくことで、いざという時にお世話になれるのですね。

もちろん、こんな非常自体は、そうそう有るものではないので、
あまりお産を恐れ過ぎるのもよくないのですよ。
むしろ、お産なんてどうにでもなる、と思っているお母さんの方が安産できますからね。
さあ、次のお産の準備をしてくることといたしましょう。

幸せな家庭を作る3ステップ

2017-04-19 21:53:38 | つれづれ
兵庫県神崎郡の玲(れい)くん、3月21日生まれ。
「清らかな子に育ってください。
お産は、すごくドキドキしました。
みなさんに優しく声をかけて頂いて、とても安心しました。」

初めての赤ちゃんは、里帰りでの出産でしたね。
初めてはたいへんなものですが、次はもっと楽に産めますよ。

ところでこのブログでは、理想論を書くことが多いのです。
本来の姿は、こういうものですよ、ということを示すことで、人生の教科書になれるようにとの願いからです。
ですが、なかなか現実は、もっと厳しいものが有るのかもしれませんね。
とくに医療者はむしろ理想から離れて病的になった方の回復のお手伝いをするのが本来の業務です。
そして最終的には、解決策を示さなくてはならないのでしょう。
これが幸せな家庭を作る3ステップ、と呼ぶことにしましょう。

まず理想論です。
1999年に、アメリカから日本に、ピュアラブ運動が入ってきたのです。
私は当時、このピュアラブアライアンスの兵庫県の会長として、純潔運動に参加してきました。
内容はいたってシンプルで、結婚するまで純潔を守ろう、というものです。
あるいは結婚後のカップルは、不倫をしてはいけませんよ、という訴えです。

よく神戸のハーバーランドから神戸駅まで、大勢でプラカードを持って歩いたのです。
警察の方も協力的で、パレードを誘導していただきましたよ。
街行く人たちも、すんなりと受け入れてもらえました。
ちょうどタマル産を開業した年なので、よく覚えているのです。

ある時は、豊岡市の市役所前でパレードをしたことが有ります。
市の職員が職務中に、ラブホテルで腹上死した事件が有ったからです。

現実は、残念ながら厳しいものですね。
婦人科で日々診療をしていると、タマル産で幸せに赤ちゃんを生まれたお母さんが、
何年かして来院されると、離婚されていることが多いのです。
そして離婚されている方は、高頻度で性感染症を持っておられます。
この原因がなかなか断言できなかったのですが、
やはり1人では生活力が無く、金銭的な関係になるからなのだろうと想像されます。

最近では、子宮頸がんや梅毒が若い女性の間で急増していますが、
女性の社会進出率が上昇して、男女平等社会となるにはなったけれど、
女性の方が給与も上がり、男性のそれを逆転しだしたことが原因とも言われますね。
結婚する理由が失われたために、1人の男性と一生、添い遂げる必要が無くなったからです。

逆に若い男性は、童貞率が上昇しています。
テレビやスマホに綺麗なお姉さんが出演しているので、
リアルの世界でパートナーを探す必要も無くなったわけですね。
そもそも非正規雇用で収入も上がらないので、嫁に来てもらえなくなってしまったのでしょう。

ここまでが現実です。
では、今後どうすればいいのか、という処方箋ですよ。
婦人科的な話からすれば、人工妊娠中絶はしない。
女性から呆れられそうですが、安易にはできないようにすべきでしょう。
法律でも禁止されているのですから。
タマル産では現実にしていないのに、誰も困っていないでしょ?
一部の施設に限定すべきでしょう。

ピルやリングはどうなのでしょう?
ピルの普及で、人工妊娠中絶は減りましたが、妊娠も減ってしまいましたね。
おまけに性感染症が急増しているのは、このせいでしょう。
一時、内科でも処方できるようにしようという動きが有りましたが、
ネットで悪質かもしれない薬が購入できてしまえるのでは、困ったものですが。

これらは根本的な解決策ではないですよね。
やはり政治化に意識改革を促していかなければなりません。
非正規雇用を中止して、企業は職員の福利厚生をしっかりやる。
女性には、産休や育休でクビにならないようにする。
保育所の設置はもちろんですね。産み育てやすい社会にしなくては。

企業の競争力が落ちることは心配する必要は有りません。
子供が増えれば、日本が国として健全で元気になり、
豊かになればまた企業も復活できることでしょうから。
これに失敗すれば、日本という国自体が衰退してしまいますね。

来週、新聞の取材が有るので、私自身も少し勉強しなおさないといけないと感じています。