タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

私たちは3度、生まれる

2015-05-29 21:21:49 | つれづれ


上の写真は篠山市住吉台の太郎くん、4月8日生まれ。
「心身ともに健康に育ってください。
みなさんに助けていただき、思ったより楽にお産ができました。」

古風な名前は、むしろ粋な感じがしますね。
何か特別な意味が有るそうですよ。

それでは今日は、週末でも有り、5月の最後のブログでも有りますので、
レバレンド・ムーンの言葉を借りてみましょう。

「人間の第一の誕生は、胎中での生活です。
第二の誕生は、地上での生活です。
第三の誕生は、神様に帰ることです。」

私たちは、地上でのほんの、100年にも満たない時間を過ごしていますが、
その前には9ヶ月間、正確には37週間ほど、母親の子宮の羊水に包まれて育ち、
この時に親の愛を受けて地上に羽ばたく準備をするのですね。
親からすれば胎教、という言葉で片付けられるかもしれません。
まだ見ぬ我が子のために、心の準備をしておく時間です。

そしてこの現世は、身体を持つことでしかできない、
鍛錬をする時間なのですよ。
身体が無ければ、努力して熟練することも叶わないでしょうから。

それで人生の最終目標は何かというと、
この身体を脱皮して、もと居た神様のもとに帰るということでしょう。
ただし、それは地上に来る前の姿ではなく、
この現世で成長した分だけ、前の姿からは変わっているのでしょうね。

さて、妊娠されているお母さんにしかできないこと、
それは子宮の中、すなわち胎中に居る自分の赤ちゃんへの、
愛を育むことができるという、母親にしかできない特権を味わうことですね。


追伸:昨年末にタマル産の外壁を塗り替えたので、
ツバメの巣を撤去してしまったのです。
もう来てくれないかと思っていましたが、
また自転車置き場の壁に、巣作りをしてくれました。
夜にはカップルで居るところをみると、
もうすぐ赤ちゃんが生まれるのでしょう。
もちろん、卵の中にも羊水が有って、ツバメでさえ、胎中生活をするのですよ。






無月経のパターン

2015-05-27 21:53:31 | 婦人科
写真は、三田市つつじヶ丘の春希(はるき)くん、4月7日生まれ。
「春のようなうららかな性格、希望を持って生きてください。
お産は早かったです。
とても丁寧な対応でした。」

お姉ちゃんがいつも健診に付いて来られていましたよ。
1ヶ月健診の時も、すっかり赤ちゃんのお姉ちゃんをしていましたね。

今日は水曜日なので、婦人科のお話です。
最近では中高生でも、産婦人科を受診することに、抵抗が薄れてきているのではないでしょうか。
月経が不順で来院される子が多いのです。
たいていはお母さんが心配して連れてこられます。

16歳でも月経が来なければ、遅発月経、
18歳でも来なければ、原発性無月経ということになります。
これには、重篤な病気が隠れていることが有ります。

ターナー症候群などの染色体の異常が多いのです。
染色体の異常とは、XとY遺伝子が有れば男性で、XとXなら女性、
でもXが1本しか無いなどです。
オリンピックなどで、ちょっと問題になったりしますよね。

染色体上は男性なのだけれど、すなわちXとYなのだけれど、
男性ホルモンにくっつくレセプターが欠損していると、見かけ上女性になってしまいます。
だから月経が無いのは当たり前なわけです。
こうなると、もちろん妊娠もできないので、対応が難しくなります。
精巣性女性化症候群と言います。

次に多いのは、ホルモン分泌の異常です。
視床下部とか下垂体などの異常ですね。
それより下位の卵巣からのホルモンも分泌も下がりますから、月経も起こらないわけです。
この場合はホルモンの値を調整するような治療ができそうですね。

他には子宮からの出血が、外に流れ出さないなどの、性器の異常も有ります。
例えば、膣の出口の処女膜が閉鎖していれば、月経血が出ないのです。
ですが、膣や子宮の中に出血が溜まってしまうので、
毎月1回、お腹が痛くなったりするのですよ。
外来で簡単に切開することで治ることも有ります。
これは私も天理よろづで経験したことが有りますよ。

ですが、こんな風に初めから月経が無いなどというのは、辛いものですね。
最近では男性同士で結婚してもいい、なんて条例も可決されてしまいましたが、
本人たちは、そっとしておいて欲しいのじゃないでしょうか。
それとも、世間に対して意思表示をしたいのでしょうか。

いずれにしても、例外ばかりを宣伝すれば、
本来の目的である、家庭を大切にする、という根本的なところがないがしろにされないか心配です。
お父さんとお母さんが居て、子供が生まれるのです。
両親の愛を見て育つことによって、子供も平和な心を持つのですね。
それが、両親ともに男性で、自分は養子でやってきた、なんてことになったら、
大きくなって、愛を持った人格者に育つかどうか心配ではないですか。

そんなことはここでは置いておいて、
もう1つ、実際に婦人科を受診される若い女性に多いのは、
続発性の無月経です。
続発性というのは、初め有った月経が途中でなくなることです。

まず何を診るかというと、体重減少が有るかどうか、ですね。
体重減少が有れば、案外ややこしいのですよ。
神経性食欲不振症という病気であることが有るからです。
若い子に多いでしょう?
そんなに痩せているのに、本人はまだまだ痩せたいと思っていることです。
軽いものも含めれば、ひょっとすると、ほとんどの女性がそうなのかもしれませんね。

ファッションショーのモデルなどでも、死者が出たので、
痩せすぎのモデルは雇わないようにしよう、というニュースも聞こえてきますね。
そうなのです、重篤な子は500人に1人と言われ、
6~10%は死に至る病気なのですよ。
お母さんも心配してくださいよ。

次に問題になるのが、体重減少が無い続発性の無月経、というものです。
これがもっともお母さんんにとっては、娘さんのことで心配になることでしょう。
大学生になって家を出て、1人暮らしを始めたら月経がとんでしまった、という子も多いです。
受験勉強のストレスなども多いでしょう。
そう、ストレスは大きな原因の1つです。

身長や体重、体格などを見て、標準的ならいいのですが、
そうでなければ、成長ホルモンなどの関与も疑われますから、
視床下部や下垂体の検査までした方がいいでしょう。
多毛が有れば、PCOなどのホルモン異常を疑います。
逆に陰毛や腋毛が薄いとか脱落するのであれば、
下垂体機能低下症かもしれませんよ。
一昨日に、不妊症の話題でしましたように、指定難病に指定されましたからね。

甲状腺の異常は若い女性には多くて、月経にも関与するのですよ。
のどの腫れに注意することも忘れません。

本来ならば、診察をしたり、超音波検査で子宮や卵巣を診るのがいいのでしょうが、
中高生ではそこまでの検査は希望されないことも多いですし、
対象療法で経過を診ることも多いのです。

こんな場合も治療のことが心配でしょう。
教科書的には、ホルモンの補充療法をするようにと書いてあります。
ですが、あまり早い時期から女性ホルモンを補充すると、
自分で作る能力が低下してしまいますし、何より、身長が止まってしまう可能性も有ります。
タマル産では、まず漢方療法から始めることが多いのです。
身長の伸びが終わった頃の年齢から、ホルモン療法に切り替えても遅くはないと思うからです。
その方が本人も納得できるのではないかと思うのですよ。

まあ、気軽に相談に来てくださいな。






































京都プロトコールは母体蘇生法のこと

2015-05-26 21:34:18 | 産科
篠山市網掛の瑛人(えいと)くん、4月6日生まれ。
「元気で優しい子に育ってください。
陣痛から生まれるまで早くてびっくりしました。
お料理が豪華すぎてびっくりしました。とてもおいしかったです。」

安産で良かったですね。

先日、久しぶりに緊急での帝王切開が有りました。
タマル産では、緊急の帝王切開は、年に数人だけなのですよ。
他院では1ヶ月に数回も有るのでしょうけれど。
さらにタマル産では、予定での帝王切開も少ないのでしたね。

その方のお母さん、つまり新しくお婆ちゃんになられた方は、
普通に生まれて当たり前だと思っていたけれど、
そうでないことも有るんだなあ、と言われていました。

そうですね、今や世界の先進国では2、3人に1人が帝王切開なんですね。
日本では、そんなことさえ知らない人が殆どなのですが。
普通に生まれるのが当たり前、ではなくなってきているのにも関わらず。

さて、火曜日は1ヶ月健診の日でしたから、産科のお話をしてみましょう。

以前、新生児蘇生法の講習会に、私とタマル産の助産師で行ったお話はしました。
その後、講師の小児科の医師と助産師さんを招いて、再度、全スタッフが講義と実習を受け、
試験にパスしたのですよ。
赤ちゃんの蘇生人形まで買ったのですから、意気込みがお判りいただけますでしょうか。
その後も半年ことに、院内で実習をしているのですよ。
半年もすれば、けっこう忘れていたりして、手がなかなか動かないですからね。
こうして、数年に1回有るか無いかの緊急時に、常日頃から備えているのです。

この新生児蘇生法は、新生児仮死で生まれた赤ちゃんを蘇生するものです。
酸素を使ったり、アンビューバッグと呼ばれる、酸素を送るバッグの使用法などです。
これは世界的に標準化されてきているのですが、数年毎にまだまだ改良されているのですよ。
新生児の蘇生法なんて、すでに出来上がったものだとお考えでしょうが、
まだまだ発展途上なのです。

そしてここにきて、母体の蘇生法も標準化する動きが出てきました。
お産というものは、普通に進むものだと思われているでしょうが、
突然、脳出血が起こったり、産後に弛緩出血が起こったり、
羊水塞栓症で心肺が停止したり、DICで血が固まらなくなったり、と
いろんなことが起こり得ます。

ですが、今までは、標準的な治療法というものは無く、
施設毎に治療法もまちまちであったわけなんです。
それで日本産婦人科学会の会長の小西教授の京都大学が中心となって、
京都プロトコールなるものを作り上げ、これを日本中に広めつつあるところです。

運営母体は京都のハシイ産婦人科の橋井先生なのですが、
この先生は私の1学年上の先生で、研修医時代に1から指導していただいた先生なのです。
そしてその時の病棟の副医長の先生が、
先ほどの現京都大学教授かつ日本産婦人科学会の会長なのですから、
非常に懐かしく、慕わしいのですよ。

さっそく研修会の、タマル産での開講に申し込んだのですが、
いつ実施していただけるかは未定です。
もしくは大きな研修会にこちらから参加しないといけないか、とも考えているところです。
いずれにしても、母体の救命方法でさえ、皆さんの考えているほどには、
まだまだ一般化されているものではない、ということなのですね。
ですが、求められているものは完璧なものなんです。
ここが世間と医療者との、大きな認識の違いなのですけれど。



難病指定医師に指定されました

2015-05-25 21:05:57 | 不妊症


上の写真は丹波市春日町の秀翔(しゅうと)くん、4月6日生まれ。
「周りを笑顔にする、明るく優しい子にそだってください。
リラックスしてお産することができました。ウォーターベッドも気持ち良かったです。
スタッフの方と話しがしやすくとても良かったです。料理もすべておいしかったです。」

お姉ちゃんに弟くんが生まれたのですよね。
次もリラックスしたお産がしたいそうですよ。

今日も月曜日なので、不妊症の続きですよ。
今日、ようやくタマル産の理事長である私に、
難病の患者さんに対する「難病指定医」に指定したとの通知書が届いたのです。
これでようやく積極的に男性不妊も治療できますよ。

その前に難病のお話をしておきましょう。
今年から「難病」と言われる病気に、たくさんの疾病が加わりました。
詳しくは厚生労働省のページでご確認ください。
http://www.nanbyou.or.jp/

今年からいっぺんにたくさんの病気が難病に指定されました。
とくに医療費の助成が有る、「指定難病」が大幅に拡大されたのです。
その中でも不妊症に関係するところだけを指摘すると、
下垂体性TSH分泌亢進症、
下垂体性PRL分泌亢進症、
下垂体性ゴナドトロピン(LH、FSH)分泌亢進症、
下垂体前葉機能低下症、などが指定難病に指定されたことなんです。

それぞれの病気の意味は、脳みそにぶら下がっている袋のような臓器が下垂体なのですが、
ここでホルモンを作って、貯めておく、製造所兼貯蔵庫が有ります。
亢進症はTSHやPRL、LH、FSHなどが単独や複合的に上昇するものです。
低下症の方はひっくるめて前葉機能低下症となっているように、
全体に働きが落ちることが多いのです。

これを解釈すると、男性不妊が指定疾患になるものだという噂だったのですが、
女性でも、検査の値によっては、難病の指定疾患の指定を受けられそうですね。
ただし手続きはややこしいし、妊娠するまでのことなのですが、
意欲の有る方は、申請した方がずっとお得ですね。
指定疾患に指定されると、生計中心者(たいていはご主人)であれば、
月に上限5,770円で済むのですから。
女性の場合なら、月額11,550円までの自己負担で済みます。
これは上限なので、前年度の所得税によって、段階的にそれよりも低くなります。

お金の話しばかりで恐縮です。
申請に必要な書類は、特定疾患医療受給者証交付申請書を保健所に取りに行きます。
保健所でもらった臨床調査個人票を、タマル産で書いてもらいます。
外来の混み具合によって、すぐに書けないことも有りますよ。
同じく保健所でもらった臨床調査個人票の研究利用に関する同意書に自分でサインします。
それから市役所に行って、住民票か世帯調査書をもらいます。
健康保険証もコピーを忘れずに。
最後は、生計中心者の課税証明書などの課税状況を確認できる書類をコピーして、
保健所に持っていけば完了です。

医師に治療を勧められたら、保健所で書類を揃える、と覚えておいてくださいね。
これらの難病のお話はまた来週です。

ために生きる人になる

2015-05-22 20:51:52 | つれづれ


上の写真は山口県宇部市の純奈(じゅんな)ちゃん、4月3日生まれ。
「人のために生き、愛情の深い子に育ってください。
初めてのお産でたいへんでしたが、みなさんに助けられて無事生まれて良かったです。
食事もおいしかったし、マッサージも良かったです。」

ちょうど、タマル産でのベビーラッシュの時でしたね。
せっかく山口県から里帰りしてこられたのに、
あまりお世話できなかったのじゃないかと、心苦しいですよ。
それでも賑やかで、楽しかったかもしれませんが。
今は逆に赤ちゃんが1人になってしまって、病棟が寂しくなっていますからね。

この、人の「ために生きる」精神というのは、とくに良心的な人は強いのではないですか。
必要が有れば、自分を犠牲にしてまで、他のために生きるのはすばらしいことですね。

そこで今日は久しぶりに、レバレンド・ムーンの講演の中から抜粋してみましょう。

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天国は家庭から始まります。
おじいさんとおばあさんは神様の代わりです。
お父さんとお母さんは現世を代表しています。
子女は未来です。
ですから家庭には過去と未来が縮小されています。
おじいさんとおばあさんは過去の神様、
お父さんとお母さんは現在の神様、
子女は未来の神様です。

このように真の愛の核を中心として1つになった家庭は
神様の愛によって永遠に保護されます。
神様の愛の相対として
永遠不滅の立場、永生の立場となるのです。

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