タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

男性も風疹抗体検査を受けられることになりました

2019-01-30 21:10:06 | 婦人科
写真は、丹波市氷上町の南実(みなみ)ちゃん、12月26日生まれ。
「南の島のように、温かくて広い心を持った子になってください。
お産は思った以上に痛かったですが、みなさん親切で安心して産めました。」

初めてのお産の感想は、痛かったという方も多いですが、
そんなことはすぐに忘れてしまいますからね。

今日もつい先ほど、夜の診察が終わってから、初めてのお母さんがお産されましたよ。
首にへその緒が2回も巻いているのが分かっていて、おまけに大きかったものですから、
難産になりましたが、事前に分かっていたので頑張れましたよ。
でも産んだらもう忘れてしまったことでしょう。

昨日のニュースを紹介しておきましょう。
昨今、風疹が流行っていますから、妊婦さんのご主人はとくに積極的に風疹の予防接種を受けるのが良いのでしたね。
それで厚生労働省は、39歳から56歳の男性に対して、とりあえず予防接種の前に、
自分が抗体を持っているかどうかの検査を受けることにしたそうです。
それで抗体価が低ければ、風疹の予防接種を受けるという、2段階方式にしたようです。
抗体検査も予防接種も無料になるようなのですよ。

予算の関係か、予防接種が足りなくなる恐れからか、はたまたお父さんになる年齢層からか、
2019年度はとりあえず対象者の内の、39歳から46歳に対して通知が行くようです。
2020年度は、残りの対象者になるのでしょうか。
それでも1610万人の男性が対象になるようですから、大きな事業ですね。

ですが、妊婦のご主人でもないのに、通知が来たからと言って、平日にわざわざ検査に行って、
それからまた結果を聞きに行って、それで予防接種を受けるだなんて、
そんなまどろっこしいことをしてくれる男性がどれほど居るのでしょうね。
たいして自分にはメリットが無いのですからね。

だいたい風疹の予防接種が本当に足りるのでしょうか。
今でもタマル産でさえ、なかなか予防接種が入ってこないのですからね。
それが一斉にとなると、おそらくまた次の問題が起こってくることでしょう。

根本的には、数十年前からの厚生労働省のミスですよ。
風疹の予防接種を女の子にしかしてこなかったのですからね。
集団で免疫を獲得するためには、男性にもしておかないといけないですよね。

例えば今問題になっているのが、子宮頸がんの予防接種です。
日本でだけ、副作用が多かったのではないかと問題になり、
厚生労働省は積極的な接種を推奨しないということになったのですからね。
もともとこの問題も、性行為でうつるヒトパピローマウィルスの根絶を狙ったものですから、
本来は若い女性だけでなく、男性にも打つべきものなのですよ。
実際に国によってはそうしている国も有るのですから。

ここでも世界に遅れて日本だけが、子宮頸がん後進国だと言われています。
他国はもうどこでも、子宮頸がんワクチンを打つのが普通なのですよ。
ですが自分だけ打つのもどうでしょう。
みな一斉に打たないと、やはり集団でもメリットが得られないのですよね。
だから早く厚生労働省は、重い腰を上げてほしいものです。
だって、ものすごい勢いで、ヒトパピローマウィルスが広まっていますからね。

もちろん一番良いのは、フリーセックスの撲滅であることは間違い有りません。
処女と童貞のまま、結婚するのが一番良いことです。


不妊治療は一般不妊治療から

2019-01-28 21:42:12 | 不妊症
親バカですが、今年娘から来た年賀状を載せてみました。
それと同時に、みなさんから届いた年賀状も片付けてみましたよ。
これから当選番号チェックをしないといけませんね。

大阪に住む娘も結婚して1年経っても妊娠しなかったので、
近くの扇町ARTレディースクリニックの朝倉先生のところに行くことを勧めたのです。
朝倉先生とは、同じ先生に師事した仲ですからね。
タイミング指導だけで結局すぐに妊娠したのですよ。
だから不妊で受診をためらっているカップルが居られたら、1年して妊娠しなければ不妊外来を受診するべきです。
案外と簡単に妊娠してしまうことも有りますからね。
もちろん女性の年齢にもよるので、35歳を過ぎていればすぐにでも行くべきでしょう。
最近は男性の精子も年齢の影響を受けることが言われていますよ。

今日もタマル産の不妊外来では、2人の方が妊娠されました。
1人は他院で1年ほど漢方薬だけで治療をされていて、
結局たいした検査も受けておられませんでしたよ。
それでしびれが切れて、タマル産の不妊外来に転院されてきた方でした。
それから数ヶ月で運良く妊娠されて良かったです。

大きな声では言えませんが、タマル産より北には不妊外来は有りません。
よく福知山市民病院の先生からは、不妊患者さんを当院に紹介してこられます。
その他のクリニックや病院の先生は、自分のところでキープされてしまうのですよ。
患者さんのことを考えれば、自分の不得意な分野に手を延ばすべきではないと思うのですよ。
漢方薬だけで治療されるクリニックは、本来婦人科の先生ではないのですけれどね。

それでタマル産でも同じです。
一般不妊治療だけを範疇にしているので、
長くても1年で妊娠しなければ、次の体外受精や顕微受精に紹介しています。
ですがいきなり体外受精に進まなくても、一般不妊治療だけで63%のカップルが妊娠されています。
これは今年の1月16日の「2017年の不妊症治療成績」というタイトルのブログをチェックしてください。

とにかく不妊治療はスピードが勝負なのです。
まずは不妊検査を1ヶ月で終了して、この間にタイミング治療を1ヶ月から3ヶ月くらい行い、
それで妊娠しなければ各種の排卵誘発剤を3ヶ月くらい試してみて、
その次は注射薬の排卵誘発剤を試していきます。これは最大で6ヶ月としています。
これらと組み合わせて適宜、精子濃縮人工授精を年齢に応じて2回から6回行います。
こういうのを階段を登るような治療という意味で、ステップアップ治療と呼ぶのですよ。

これで1年以内に2/3のカップルでは妊娠されるというわけです。
それでも妊娠しない場合と、初めから無精子症の人などはすぐに体外受精をお勧めするのです。
いきなり体外受精では、費用がかかりますし、あまり自然な方法とは言えませんからね。

不妊の検査まででは、おそらく3万円程度しか費用はかかりません。
初めの内服治療もそれほど費用はかからないのです。
注射や人工授精はもう少し費用がかかりますが、全部合わせても体外受精1回分の費用もかかりません。

東京都ではこれまで女性が35歳までのカップルには、一般不妊治療に対して5万円の補助が有ったのですが、
これからは40歳までのカップルに助成を拡大するそうですよ。
全国的に体外受精に関しては43歳までの助成に対して助成金が充実してきましたが、
一般不妊治療に対しても助成を広げられたことは良いことです。
だって、そちらの方が対象者が多いのですから。
またいきなり体外受精をするカップッルばかりになると、費用対効果が良くないですからね。

京都府でも一般不妊治療に対して、男性にも女性にも助成が有ります。
だから福知山からたくさんタマル産に来られているので、
3月にたくさん書類を書かないといけないのですよ。

それに比べてわが兵庫県では、一般不妊治療に対して助成がまったく無いのです。
今日もある患者さんが、人工授精は保険が利かないので受けたくないと言われました。
では何だったら良いのでしょうね。
これもわずかな助成だけで治療をする気になったのに、と思うと残念ですよ。

今、不育症を疑う患者さんが入院されています。
篠山市では昨年からようやく全額、検査に対しての助成制度が始まったので良かったのです。
丹波市さんには前回の会議で要望したのですが、真面目に考えてもらっているのでしょうか?

さあ、思い立ったらすぐに、不妊外来の門を叩いてくださいね。
ただし間違ってはいけないのは、産婦人科だったらどこでも良いということではないということです。

土に足をつけ平和と地球環境を学ぶ

2019-01-25 20:59:46 | つれづれ
写真は、篠山市黒岡の涼寧(すずね)ちゃん、12月17日生まれ。
「優しく穏やかな子、人の痛みが分かる子に育ってください。」

3人目は初めて、タマル産ででしたね。
お産では予期せぬことも有りましたが、安全第一ですからね。

神戸のumieには、行ったことが有りますか?
アンパンマンランドの隣ですよ。
私もたまに遊びにいくのですけれど、そこのさらに隣の、ひょうごボランタリープラザ セミナー室で、
明日の1月26日の土曜日、午後1時半あら3時50分まで、あるセミナーが有ります。

新時代の日本を考える兵庫フォーラムというところが主催なのですが、
案内人は私もよくしる西垣さんという方です。
毎月開催されていて、どなたでも自由に参加できるのですよ。
ただし会費は千円要りますが、umieの駐車場を3時間無料で使用できます。

記念すべき第100回のテーマは、
土に足をつけ平和と地球環境を学ぶ
〜日本古来の文化や知恵を世界へ
というものです。

講師はバハラム・イナンル氏で、1964年イラン・テヘラン生まれの方です。
イラン・イラク戦争で愛する親族や友人を失った経験を持ち、
平和な日本文化に憧れて1995年に来日、阪神淡路大震災に際し、
横浜からボランティアで神戸を訪れ、被災下の人々の姿に感銘を受け、
神戸の北区に移住されたのです。

子供のアレルギー問題を契機に保田茂・神戸大学名誉教授に出会い、有機農業の大切さを学び、
現在は次世代に持続可能な地球環境を引き継ぐことを目的に、
さまざまなイベントやワークショップを開くNPO法人を開設されていらっしゃいます。

外国人から見た日本の良さを世界へ発信していこうとされる姿に、
私たちも何ができるか学びたいものです。

以上は明日の案内をもとに書いてみました。
もしみなさんもボランティア活動とはどんなものか、興味が有る方は覗かれてみてはいかがでしょうか。


追伸です。
タマル産では、職員には産休や育児休暇、そして年休も全消化しています。
また比較的小規模な施設ですので、職員が不足しやすいのです。
そこで今回、看護補助さんの募集を再開することにしました。
素人で、医療の経験がまったく無い方でも可能です。

1つ条件は夜勤ができて、土日も半分近く勤務可能な方です。
年齢は問いませんよ。
常勤で働ける方を募集しています。
給料は良い方だと思いますよ。
先着順で選考しますので、興味の有る方はぜひお問い合わせを。


マクドナルドは手術の名前です

2019-01-23 20:58:16 | 婦人科
写真は、丹波市春日町の玲(れい)くん、12月17日生まれ。
「真っすぐで誠実、美しい人になってください。
お産は、みなさんの言葉が嬉しかったです。」

2人目でしたね。一姫二太郎くんですよ。
お姉ちゃんも赤ちゃんを抱いているのが、かわいらしいでしょう?

先日、県立こども病院から紹介状の返事が来ました。
と言っても2年ほど前に紹介した方のもので、すぐにはピンと来なかったです。
そのお母さんは三つ子を産まれたのです。
早産だったので、3人とも小さく生まれたようです。
元気に育ってくれると良いのですが。

不妊治療ではたまに双子になることが有ります。
自然妊娠の場合は1%くらいなのですが、排卵誘発剤を使用すると5%くらいと上昇します。
注射の排卵誘発剤では、15%くらいだったと思います。
でも三つ子は滅多におこらないのですが、ゼロにはなりませんね。

こども病院ではあまりされないようですが、多胎妊娠の時は子宮の出口を縛るという方法も有ります。
そうすることによって少しでも早産を防げると思うのですよ。
タマル産では来月、2人の妊婦さんの子宮の出口を縛る手術を予定しています。
適応は2人とも、子宮頸部異形成という子宮頸がんの前癌状態に対して、子宮の出口の一部を切除されているからです。

今日も産後の1ヶ月健診で来院された母子が居られるのですが、
妊娠前から前癌状態だったのですが、タマル産の不妊外来で妊娠され、
赤ちゃんを産んだ後にもう一度子宮頸がんの検診をしたのです。
結果が良くなっていなければ、やはり子宮の一部を取らないといけないでしょう。
そうなると次は早産しやすくなります。
それに加えて、子宮の頸部から分泌される分泌液が減るので、妊娠しにくくなるのですよ。

子宮頸部を切除した後に不妊症になることはよく有って、
そういう場合は人工授精をすると妊娠しやすくなります。
そして早産を予防するためには、妊娠中に子宮の出口をテープで縛るのですよ。

手術の仕方は、タマル産ではマクドナルド手術という方法でしています。
正しくはマクダナゥと発音するのでしょうか。
関西ならマクドの方が良いかもしれませんね。
もう1つ、シロッカーという術式も有るのですが、膀胱を剥がすのに時間もかかるし、
効果はあまり変わらないと思いますよ。

妊娠の5ヶ月ごろになったら、入院のうえ、脊髄麻酔をして手術しています。
局所麻酔でして日帰りという施設も有ると思いますが、
タマル産では手術後、1〜2日はお腹の張りが無いかを確認してから帰ってもらっています。

切迫早産の治療としては、以前にも書きましたが、
最近の流行りは切迫早産用の膣に入れるペッサリーという処置です。
ですが私は昔からこのマクドナルドに習熟しているので、これで十分だと思っています。
妊娠36週ごろになれば、このテープを切って除去します。
切った翌日に陣痛が始まる方も居られますが、しばらく保つことも有ります。
場合によってはテープが有っても、妊娠の途中で陣痛が来れば、仕方なくテープを早めに切って、
転院しないといけないということも、過去には有りました。

最近は子宮頸がんの初期の妊婦さんが、とても増えてきました。
それでこんな手術もしないといけないようになるのでしょうね。
みなさんはちゃんと子宮頸がん検診を受けていますか?
若い女性では一番多い癌ですからね。


世界平和は家庭から

2019-01-21 21:19:14 | つれづれ
写真は、滋賀県湖南市の楓香(ふうか)ちゃん、12月8日生まれ。
「自然と人を惹きつけるような魅力有る人になってください。
分娩台でないウォーターベッドでの自然な形のお産が経験できて、嬉しかったです。」

お姉ちゃんの時は他院でのお産だったのですが、今回は里帰りでタマル産では初めてだったのですよね。
滋賀県は私の故郷なので、とても懐かしいのですよ。
今日なんて、その滋賀県の先輩の産婦人科の先生から、たまたま美容医療の相談の電話が有りました。
これからの少子化の時代、サービス業としては何でも取り入れていかなくてはなりませんからね。

今日はもう1本、別の電話が有りました。
UPF兵庫という事務局からのものです。
UPFとは、Universal Peace Fedararion(世界平和連合)の略で、国際NGO団体なのです。
その下にUPF日本や、UPF兵庫というのが有って、そのUPF兵庫の会長がなんと私なのですね。

ただ名前ばかりで、なかなか神戸までは参加できる機会が減ってきたので、
世代交代として、次の会長にバトンタッチするという連絡でした。
次の会長も神戸の精神科のドクターで、タマル産にも何度か訪れられたことが有るのですよ。
ということで、私なりには1つ仕事をやり終えた、という気分ですが、
まあ生きている限り、あるいはうちの子供たちにも、この運動を推進していくつもりです。

それでそのUPFとは、どんな活動をしているのでしょうか。
ホームページを見ていただければ一目瞭然です。
http://upf-jp.org/
できればその中でも、トップページのUPF紹介ビデオを見てもらいたいところです。

みなさんは、グレイテスト・ショーマンは観ましたか?
ヒュージャックマンは歌も踊りも最高でしたよ。
今、来日されているようですね。
日本通だと紹介されていますが、以前はオーストラリアという映画にも主演されていましたよ。
第二次世界大戦下の恋愛映画です。
そう、日本とオーストラリアは戦争していたのですからね。
なかなか日本に対する憎しみの心は消えないのではないでしょうか。

UPFの活動の1つに、世界平和は家庭から、という教育方針が有ります。
とくに国際結婚を奨励しているのですよ。
そして日本人とオーストラリア人との結婚と教育が、オーストラリアの対日感情を良くしたと言われています。

いきなり世界平和だなんてと言われても漠然としているでしょうけれど、
とりあえず自分の家庭から成し遂げれば良いのです。
たとえば子供たちに、結婚の価値を教えるとかですね。
結婚は自分のためだけにするものではなく、相手のためにするものなのです。
そこに新しい生命が宿るのです。

最近は自分のための結婚だと思っている人が多いのではないですか。
だからなかなか相手も決まらない?
相手が決まるまでいろんな人と付き合うのですか?
もちろんそうではなくて、価値観の合う人と純潔のまま結婚できればベストです。
もちろん離婚なんて考えられませんね。
子供のことを思えば、親が離婚するなんて、子供の価値観が確立できませんから。

まあ、そんな当たり前のことを当たり前に言える社会が必要ですよ。
今はイレギュラーな価値観ばかりが報道されますけれどね。
理想的な結婚観こそが必要なのではないですか。