タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

超音波検査は妊娠中期が写りが良いのです

2019-02-27 21:22:37 | 産科
この超音波の写真は、新しくなった4Dエコーのものです。
「まぶしい」っていう感じのポーズを取っていますね。
でも音波ですから、本当はそんなことは有りませんよ。
先ほどの妊婦健診の時に余分に写真を撮らせて頂きました。

妊娠27週なのですが、これくらいが一番綺麗に写りますよ。
それは羊水の量が一番多いからですね。
多い時は1,000ミリリットル(1リットル)くらいに達します。
それが生まれる頃には700ミリリットルほどに減ってくるのです。
超音波ですから胎児との間に水が有るのが良いのですね。

先日からこの超音波画像をクラウドにアップロードするお話をしてきました。
ちょっと分かりにくいでしょうから、もう一度説明しますよ。

まず妊娠第3ヶ月の妊婦健診の時に、タマル産での分娩予約を取っていただきます。
まだ里に帰るかどうか決めておられない方は、その後でも良いのですよ。
予約を取って頂くと、特製のカードを差し上げます。


次に、その特製カードを診察室で、ドクター手渡します。
次回からは母子手帳に挟んでおいてもらえれば良いですよ。
ドクターが特製カードをカードリーダーにタッチすると、認識終了です。
よく買い物でワオンカードをかざすのに似ていますね。
スタートボタンをタッチすると録画が始まり、
同時にクラウドにアップロードされる仕組みです。



画像は特製カードに記載のID番号と、自分で決めたパスワードが有れば、
いつでもどこでもスマホやパソコンから見ることができるのです。
お爺ちゃんお婆ちゃんにもIDとパスワードを教えてあげれば、違う場所でも見れるのですよ。
ID番号は特製カードに書かれた固有のものです。
待ち時間にネットでパスワードを登録すれば、直ちに使えるようになりますよ。


若い女性なら簡単にできるのではないですか。
われわれ世代の方が手間取ってしまいそうですね。

開業20年、新しい超音波機器を導入です

2019-02-25 21:27:40 | 産科
今日からですね、新しい超音波の器械が入っているのですよ。
その名はボルソンPエイト、GEヘルスケア社の製品です。
婦人科の超音波では、今もっとも有名な会社のものです。
これでですね、妊婦健診での胎児の4D画像がより鮮明になるのです。
今、健診を受けられている方には、その違いがすぐに分かってもらえることでしょう。

タマル産は、この3月1日で、ちょうど開業20年になるのですよ。
初代超音波機器は東芝製のもので、擬似4Dが観れるというものでした。
まだ本物の4D機器はなかった時代だったので、当時としては画期的だったのです。
この機器、まだ現役でサブ機として使っています。

2台目は、スマホで有名なサムソンの超音波機器で、13年ほど前に導入しました。
これが本格的な4D機器だったのですが、今日でお別れですよ。
スペックはすごく高いのですが、さすがに厳しいですね。
他にも内診室には今まで何台もの超音波機器が出入りしています。

それに加えて先日お知らせしましたように、
3月1日からは、エンジェルメモリーのサービスも始めるのでしたね。
みなさんにお渡しするカードをかざすと、その時撮影した超音波の画像が即座に、
みなさんや、お爺ちゃんお婆ちゃんが、ネットで見られるようになるのです。

このエンジェルサービスと新しい超音波の器械がセットで始めることになりました。
それも開業20年に合わせて、また新たな次の10年に向けての意欲の表れなのです。
まあ、この辺で宣伝は終わっておきましょう。

今の産婦人科の話題は、「はしか」ですか。
我々の世代から言えば、はしかなんて当たり前の病気でしたが、
今は予防接種世代ですから、あまりかからないはずだったのですよね。
それがアジアからの観光客が増えて、これまで日本になかったタイプのはしかが急増しているのですね。

大阪で流行りだしたものですから、うちの娘からも相談が有って、
1歳になる前の孫に、はしかの予防接種を打つべきか、というものでした。
1歳まで待てば公費で済みますからね。
でもね、流行してから予防接種をしたって、効果が現れるまで2ヶ月くらいはかかるでしょう。

では妊婦のみなさんはどうでしょうか。
もちろん妊娠中は受けられませんが、これから妊娠しようとされている方など。
基本的に妊娠中に罹患しても、胎児への影響は限られています。
それでも日本産科婦人科医会では、
「妊娠中に麻しんに罹患すると、一般に重症化する」、
「流産、死産、早産の頻度が上昇する」、
「胎児奇形はないとされているが、胎児の発育異常、羊水量の異常、新生児麻しん(分娩時罹患)などの恐れがある」としています。

風疹よりはずっと胎児への影響は少ないのですが、
風疹の予防接種をするなら、これからは風疹だけでなく、風疹麻疹ワクチンを打った方が良いでしょう。

ということで、タマル産では今まで費用の関係もあるので、
産後1ヶ月健診で該当者には風疹ワクチンをお勧めしていたのです。
篠山市にお住まいの方は半額の3,000円で受けられますからね。
ですがこれからは風疹麻疹ワクチンをお勧めします。
助成が有るのでこちらも半額の6,000円で受けられますしね。

4月まで待てば、私の年齢より下の男性は、風疹が無料で受けられそうなのですが、
そんなことは期待せず、今からでも行動を開始してくださいよ。


ドイツでもマイクロRNA検査

2019-02-22 21:27:21 | 婦人科
https://www.tamar.jp/nyuugan
今日は、タマル産のホームページから抜粋してみました。
「これからは血液検査で乳がん検診」というテーマのものです。
何度かお話していますが、血液検査が最も優れたスクリーニング方法なのですよね。

まだ知らない人のために、再度お話しておきましょう。
今日のネットのニュースの記事です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190222-00000016-jij-sctch
ヤフーニュースですよ。
やはり同じような題で、「血液検査で乳がん判定=早期発見、体の負担減-独」
というものです。
乳がんの早期発見には、血液検査がマンモグラフィーなどよりずっと感度が良いというニュースです。

どうしてみなさんはマンモグラフィーが良いと思われているのでしょうか?
それはわずか10年ほど前に、触診や超音波よりも、マンモの方が優れていると決められたのです。
経緯はもうひとつ不明瞭なのですよ。
だって、実は乳がんは検診よりも、自分で触って見つける女性がずっと多いのです。
だから触診がマンモに優れるのです。
外人さんなら乳房が大きいのでマンモも良いのですが、
日本人には適さないとよく言われますね。

次に超音波検査がはずされた理由も判然としません。
マンモならば放射線被曝してしまうので、2年に1回以上はしてはいけないのです。
ですが超音波検査ならば、被曝しないので、毎週したって構いませんからね。

それでも超音波やマンモは画像診断と呼ばれます。
他にもCTやMR、PET検査などが有りますが、これらも画像診断と呼ばれます。
目で見えるほどの大きさにならないと分かりません。
一番好感度のPET検査でも5ミリ以上と言われます。
マンモなんて、見落とすことも多いのです。

それで結局、目で見えない、あるいは癌になる前から分かる方法は無いのか、ということで、
この血液検査が有るのですよ。
ならばなぜ皆しないのでしょうか?

それはマンモにだけ助成金が流れているからです。
だってマンモグラフィーより良いものが有るなら日本中のマンモグラフィーは必要なくなりますよね。
そうなれば医療機関が大赤字になるでしょう?
誰かが儲けているのですね。

それでドイツだって、血液検査になりそうなのです。
ちなみに血液検査とは、腫瘍マーカーなどではなく、
マイクロRNAとかミアテスト、あるいはリキッドバイオプシーと呼ばれる、
乳がんから分泌される癌の遺伝子そのものを計測するのです。
この遺伝子はリボゾームという袋に包まれていて血液中でも安定しているので、
測定に誤差が生じにくいのですね。

今日もタマル産には、ミアテストの検査に来られた方が居られました。
ちなみに費用は25,000円と安くは有りませんが、
自由診療なので、人間ドックなどでは7万円と設定しているところも有ります。
タマル産は日本中探しても安い方ですよ。
検査は広島大学発のベンチャーに送付して行っています。

こちらも子宮頸がんと合わせて、ぜひ受けていただきたいものです。

子宮頸がん検診は全員が受けないといけません

2019-02-20 21:10:22 | 婦人科
写真は、大阪市都島区の総一(そういち)くん、2月6日生まれ。
「一番良い選択をしていって欲しいという願いを込めて名付けました。
お産は痛かったです。」

初めてのお産でしたが、ご主人はお仕事でしたからね。
ご主人が居るだけで、お産は楽になるものですよ。
そのご主人、なんとうちの次男の同級生だとか。

今週、来週と先回お話したように、マクドナルド手術が続きます。
マック派かマクド派かはさておき、
最近は子宮頸部の異形成や初期のガンの若い女性がすごく多いのです。
妊娠前に子宮頸部を一部取っている人が多いので、
妊娠するためには人工授精が必要だし、
妊娠してからもこのように、子宮頸管を縛る手術が必要になるのですよ。

一番良いのは、結婚まで処女と童貞で居ることなのですが、それは理想論かもしれません。
二番目に良いのは、男女ともに中学生の間に、ヒトパピローマウィルスの予防接種を受けることです。
女子だけではダメですよ。
風疹のように女子だけに打った時代が有ったからこそ、
今になって中年男性に追加で打たないといけなくなったのです。
集団として免疫を付けないといけませんからね。
ですが、一度フェイクニュースが流れた後では、なかなか理解が得られないようです。

それでは仕方がないので、全女性が子宮頸がん検診をきっちりと受ければ良いのです。
ですが受診率が低いのですね。
妊娠されたことの有る女性は、たいてい一度は子宮頸がん検診を受けています。
妊娠したことが無い、あるいは未婚の女性こそ、受けて欲しいですね。

もし婦人科を受診するのが恥ずかしいと考えられるなら、
自己採取はどうでしょうか?
むかしの自己採取は細胞診という検査だったのですが、
今の自己採取はヒトパピローマウィルスを直接検査するので、
きっちりと膣の奥まで細胞を取らなくても、
膣の粘液だけでも検査できますからね。

もちろん保険適応ではないので、会社の検診や、あるいは通信販売を使う手も有りますね。
7千円くらいでできるようですからね。
ちなみに産婦人科で検査する、最近の液状化検体細胞診(LBC法)と、
ヒトパピローマウィルスのPCR検査ではどちらがスクリーニング検査として優れているかと言えば、
実は後者なのですよね。

最近のイングランドの研究では、57万人の女性を対象として比較したところ、
PCR検査の方が30〜40%も高感度だったようです。
それでイングランドでは後者になっていくようですよ。

日本ではいわゆる市町村の子宮頸がん検診であるLBC法をしていて、
篠山市では無料か1,200円でできますよ。
助成が有るので実際は5,000円ほどかかっています。
これで引っかかれば保険適応となり、PCR法ができます。

もし希望で初めから PCR法で受けたければ、通販も有りますが、
タマル産でも自由診療で7,000円でできますからね。

結論として、どんな方法でも良いので、毎年子宮頸がん検診を受けないといけません。
とくに若い女性は。
乳がんなんかよりよっぽど多い疾患なのですからね。

子宮頸がんも手遅れになれば、
子宮の横の尿管が詰まります。
すると尿毒症になって生命を落とすのです。
この時期にはかなり腰痛もひどくなって、麻薬の助けも必要になります。

もう少し長生きしてもらおうとすれば、人工膀胱という手も有ります。
背中に針を刺して管を直接腎臓に通すのです。
これをするともう1年くらい生きられますよ。
でも、そんなことにならないように、まずは検診です。
繰り返しますが、原因はフリーセックスの世の中のせいですからね。

人口動態と働き方改革

2019-02-18 21:36:24 | つれづれ
写真は、丹波市柏原町の柚菜(ゆずな)ちゃん、1月9日生まれ。
「健やかに美しく、明るく元気いっぱいの女の子になりますように。
お産はすごく速くてびっくりだったけど、初めてのウォーターベッドで産後ゆっくり休めました。」

3人目にして初めてタマル産でのお産だったのですよね。
ウォーターベッドや、お料理に満足いただけたようです。

さて毎年、年初には日本の人口動態のお話をしているのですよ。
私が生まれた昭和36年は、年間に生まれる赤ちゃんは150万人ほどでした。
私の通っていた小学校なんて、生徒数は2,000人を超えていましたからね。
その後12年ほど出生数はさらに増えていき、
昭和48年の今から半世紀前は、赤ちゃんの数は200万人を超えたのです。

ですがその後は急激に減っていったのですが、それはその前の世代の人口減少によるもので、
その結果、平成28年には出生数が100万人を切りました。
この時は非常にショックでしたよ。
昨年の赤ちゃんの数は92万人ほどと、さらに減少が続いています。

赤ちゃんの人数は、この5年で89.4%への減少です。
そしてこの5年間の婚姻件数は、同様に89.3%への減少ですから、
出生数の減少は、いろいろと原因が言われますが、
何より結婚するカップルが少なくなったことが一番の原因ということになります。

私も同窓会に行くと、女性陣が独身のことが多いのですよ。
とくに高学歴の女性や女医さんは、結婚していないのですね。
自分のキャリアを磨く時期と結婚して妊娠する時期がオーバーラップしているからですね。

ついでに今話題なのが、働き方改革です。
タマル産への納入業者の薬問屋さんは、残業が認められなくなったので定期的にお休みをされるとのことですよ。
ところが医師の時間外労働は、上限が2,000時間までに決まったようですね。
どうも過労死の2倍まで働け、というもののようです。
医者の不養生、とはよく言ったものです。
これでは若い女医さんも、結婚なんてしていられませんね。