タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

世界平和は成せるのです

2019-04-26 21:29:10 | つれづれ
明日から連休ですが、タマル産では、明日と明後日の土日は休まず外来をしていますよ。
予定日の近い妊婦さんは、来週の火曜日と水曜日、それに土曜日も予約された方の診察をします。

それで昨日は木曜日で外来はお休みだったので、
宝塚で有った、世界平和女性連合という国際NGO組織の主催による、
「海外ボランティアで世界のきずなを」という講演会に夫婦で行ってきました。

講師は高木信韻氏で、以前、うちの子どもの通っていた小学校へも来られたことが有るので、存じ上げていましたよ。
2004年からアフガニスタンへ義肢を送っている団体の活動に参加され、
無償で現地の人たちに義肢を届けておられるそうです。
地雷で足や手を吹き飛ばされるからですね。

すごく地に足を付けた活動だと思いましたよ。
一度贈れば終わりではなく、数年ごとに作り変えてあげないといけないそうです。
ある子どもは義肢でサッカーをするので、行く度に交換してあげるのだとか。
別の子は、引きこもっていたのに義肢を装着してもらったことで、顔が変わったそうです。
それこそが希望です、と仰られていましたよ。

ですが付けてもらえるのは、必要としている人のうちのほんの一握りだけで、
それが歯がゆいのですね。
私たち医療者もそうですが、1人1人に寄り添うことがやり甲斐なのです。
ただ決してすべての人を救えるわけではないのですよね。

春木氏は、今は英語で3Dプリンターの勉強をされていて、
いずれは現地でその場で制作してあげたいと考えられているようです。
そうすればたくさんの人を救えるからです。
医療で言うなら抗がん剤を開発した方が救える人が増えるというのと似ていますね。

ところでその1週間前には、世界平和サミット2019という催しが韓国で行われていたのです。
私も招かれたのですが、仕事ですからカミさんを代理に送りました。
そこにはアフガニスタンの副大統領を始め、世界中の大統領や国会議員が集まっていたのですよ。
そう、アフガニスタンの1人の子どもを救うのも希望でしょうけれど、
トップを変えてその国を変えるのもまた平和への道なのです。

うちのカミさんのお部屋係は、クリスサンタさんと言う若い女の子で、
オーストラリアとマレーシアのハーフです。
私たちの世界平和女性連合では、国際結婚を推奨しているのですよ。

後ろの宮殿が迫力ですね。

もう1人、お荷物係も付いていて、彼はブルキソファと日本人のハーフです。
名前はコーキ君と言うのです。うちの次男と同じですね、と話したのです。

やはりその表情に希望を見出せますね。
この写真は宮殿の内側ですよ。

すでに国をあげて、この平和活動に参加している国が多いのです。
最近も宗教間のテロ事件が多発していますが、
平和な世界を作るのは、国際結婚の推奨や、
異なる宗教間での対話や、貧困対策ですよ。
それには大きな意味でのボランティア活動が必要ですね。
それを始められたのが、レバレンド・ムーンという人物です。

***
国ごとに国境があり、
文化的背景があり、
風習がありますが、
これらを超えることのできる武器があるとすれば、
それは真の愛しかありません。

   レバレンド・ムーン


陣痛促進剤も使います

2019-04-24 21:32:19 | 産科
タマル産のマタニティーホールの名前は、エレズホールと言うのですよ。
それは私が名付けたのですけれどね。

エレズとは杉の木という意味です。
ちなみにタマルは、ナツメヤシの木ですよ。
エデンの園には、2本の木が有ったのですよね。
それが杉の木とナツメヤシだと思っているのは、私だけかもしれません。

1つは、生命の木であって、アダムが理想とする木です。
もう1つは、善悪を知る木であって、エバが理想とする木なのです。
だから生命の木は男性的な木で、当時レバノン杉として有名だった杉の木でしょう。
そして善悪を知る木は女性的な木で、多産を象徴する実が豊富に付くナツメヤシの木でしょうね。

この話をすれば長くなるのですよ。
それで今月は、そのエレズホールの滑り台を新しいものに変えましたよ。
さっそく子どもたちが遊んでくれました。

ところで今日も赤ちゃんが生まれましたよ。
ただしね、前期破水で、陣痛促進剤を必要としたのです。
普通はですね、陣痛から始まって子宮の出口が10センチ開いた時に破水すると、
すっと生まれるのですよ。
ところが陣痛が来る前に破水してしまうと、
せっかく陣痛が始まりかけても水が漏れるばかりで、赤ちゃんが生まれないことが多いのです。
だから前期破水の時は、陣痛をつけてあげないといけないのです。

医療者から見ると当たり前のことなのですが、
初めてお産する女性にとっては、陣痛促進剤を受け入れにくいらしいのです。
今日産まれたお母さんも、ちょっと抵抗を持っておられましたよ。
それでも赤ちゃんを無事に産んだ後は、喜んでおられました。

ニュースでは陣痛促進剤を使ったことで死産してしまったり、
脳性麻痺になったり、あるいはお母さんが亡くなったと報道しているらしいのです。
それは昔からそう報道されるのです。
「陣痛促進剤による被害を考える会」という団体が有って、
産婦人科医療を目の敵にしていますからね。
そしてマスコミも裁判所も、この方達の味方です。

ですが本当にその団体は妊婦さんたちの味方になっているのでしょうか。
医療者は妊婦さんを不幸に陥れようとしているとでも言うのでしょうか?
そんなはずはないでしょう。
すべての医療者は、自分たちの生活を犠牲にしてでも、妊婦さんの味方ですよ。
ところが現実は、行き過ぎた批判にいつも対峙しているのです。

現実は、前期破水した時に陣痛促進剤を使用することで、
世界中のお母さんたちが無事に赤ちゃんを産んでいるのです。
もちろんお産ですから不幸な結果になることも有るでしょうけれど、
それは自然分娩でも起こることだし、
ましてや帝王切開になるともっと母児ともへの危険が高まるのです。
帝王切開って、みなさんが思っているよりずっと危険な手術ですからね。

ということで、タマル産では他院に比べて陣痛促進剤を使用することはずっと少ないのですが、
それでも使用することは有るのです。
使用するのは、前期破水した時、
さかごでも経膣的に赤ちゃんを産む時、
胎児が大き過ぎてなかなか生まれない時、
妊娠高血圧症候群などの病気になって、早期に赤ちゃんを産まないといけない時などです。

赤ちゃんなんて簡単に産めると思っておられるでしょうけれど、
とくに初めてのお産はたいへんです。
何もせずに産めるのは3人のうちの2人くらいですよ。
やはり3人に1人は、医療介入が入ってくるのですからね。
他院ではそれが帝王切開だったりするので、
お産を事前に勉強しておくというのは必要なことですね。

今日、赤ちゃんを産まれたお母さんは、勉強不足でしたと言われていました。
できればお産の当日になって慌てないように、
タマル産の毎週のソフロロジーのクラスに参加されると良いですよ。

***
愛の力は、原子爆弾の威力よりも大きく偉大です。
愛は人間に死から新しい生命を賦与しますが、
原子爆弾は人間にただ死をもたらすだけです。
原子爆弾は創造ではなく、
審判であり破滅です。
世界を1つに一致させるのは武力を伴った力ではなく、
真の愛なのです。

   レバレンド・ムーン


摂食障害の治療

2019-04-22 21:37:55 | 婦人科
今日は暑い1日でしたね。
タマル産の飛行機公園の雲南黄梅も一気に咲きましたよ。

もうすぐゴールデンウィークですが、4月28日の日曜日までは通常通り外来をしています。
世間では27日の土曜日までしょうね。
そして外来の再開は、5月7日の火曜日からです。
ただし妊婦健診と不妊外来はこの限りではなく、
4月30日(火)と5月1日(水)、それに5月4日(土)の3日間は、
ご予約の方に限り診察していますよ。

さらに脱毛や美顔の美容皮膚科ですが、
連休中でも5月4日(土)は、特別に開けていますからね。
もうすぐ夏本番ですから、今のうちに脱毛は済ませておきたいですよね。

もちろん陣痛の妊婦さんや緊急の方は、電話連絡のうえ、ご相談ください。
ただし緊急性が無さそうな場合は、5月7日(火)以降にご来院くださいね。

それでは今日の話題です。
前回は婦人科の話題で、月経不順のお話をしました。
追加ですが、若い女性でも、抗うつ剤や抗精神薬を飲まれていると、月経不順を起こしやすいです。
降圧剤でも月経不順になりますが、若い女性で飲まれている方は少ないでしょうしね。
抗うつ剤は、産後の母乳分泌不全のお母さんに処方すると、よく出るのです。
産後のうつ傾向にも効くので一石二鳥ですよ。
ですがタマル産でたまに処方するのは、プリンペランという制吐剤です。

さらに月経不順の女性では、体重を急激に落とした場合や、
タバコを吸っている女性なども月経不順を来たしやすいです。
この2つ、一見別の症候のように思われるでしょうけれど、
摂食障害、あるいは神経性食欲不振症と呼ばれる疾患と同様にも捉えられます。
摂食障害の女性はよく喫煙されたり、飲酒されたりしますよ。

体重が落ちガリガリなのに、自分ではそうは思っておられません。
これが1つ目の問題点で、自分だけが太く見えるという視覚と認識の障害なのです。

それと太ること、というか正常女性の体型になることを極度に恐れられています。
これは2つ目の問題点で、治療によって体重を強制的に増やされるのではないかという恐怖感を抱くのです。

月経が始まるのは、標準体重の93%になった頃からなのですよ。
女性ホルモンのエストラジオールなら、35ピコグラム/mL以上です。
女性のマラソン選手も体重が少ないので、無月経になりがちです。
ようは体重なのですよ。

逆に言うと、この体重を標準に近づけるという目標を持ちにくいのです。
ですから治療の動機付けが難しいのですね。
自傷行為をするような重症例は、心療内科や精神科の専門の先生に診てもらいますよ。
とりあえずは、3ヶ月に1回は月経が来て、子宮内膜が退縮しないようにする、
というのが婦人科的な治療なのですよね。


***
愛は、小さいと言えば極めて小さいものであり、
大きいと言えば極めて大きいものです。
愛し合う者同士は、
目が一度だけ瞬きをすれば、
天地がひっくり返るように感じ、
また愛する人が一度にっこり笑う表情をするだけでも、
天地が出たり入ったりするように感じます。

   レバレンド・ムーン



1歳ですでにスマホ依存

2019-04-19 21:26:43 | つれづれ
写真は、丹波市市島町の一翔(いっさ)くん、3月20日生まれ。
「スケールの大きな人になってください。
生まれた瞬間は本当に感動しました。
みなさん親切で、何でも話せたので心強かったです。」

あっという間にもう、3人目になりましたね。
産むのもたいへんかもしれませんが、育てるのはもっとたいへんですからね。
そして子育ての期間というのは、後から振り返ればほんの一瞬のことのように感じるものです。

私が取り上げた孫も、このゴールデンウィークの子供の日で満1歳になります。
娘が動画や写真を送ってきてくれるのは良いのですが、
そろそろスマホへの興味を持ち始めているようですよ。

日本医師会の広報によると、
乳幼児でもスマホ依存になるので、悪影響に注意しましょう、というのが有りました。


グラフにした方が分かりやすいので、図をアレンジしてみました。
半数以上のお母さんが、スマホを使った子育てをしているようです。
子どもは1歳を過ぎるとスマホを上手に扱うこともできるようになります。
待合室や診察室でも、ぐずる子に持たせているお母さんもよく居られますね。

確かにそれで静かにはなるのですが、
いつも使わせているとスマホをせがんで、取り上げると泣いて暴れるようになるのです。
これがスマホ依存の始まりで、結局かえって子育てがたいへんになるのですよ。

乳幼児がスマホを長い時間見ていると、言葉の発達が遅れるし、
目の発達への影響も危惧されています。
夜間にスマホを見せると、画面の強い光が体内時計の発達を乱すので、
睡眠パターンも崩れがちです。

これは私たちの時代で言えば、テレビを見過ぎるとダメと言われたのと同じです。
いつの時代も新しいものは、一長一短が有るということでしょうね。
あるいは今の親の世代で言えば、ゲームをし過ぎるとダメと言われたのではないですか。

ではどう対処すれば良いのでしょうか。
外出する時は、お気に入りの絵本やおもちゃを持ってでかけると良いですね。
それにも増して、お母さんがスマホ依存になっていないか、
今一度考えてみてはいかがでしょうか。
食事中には使っていませんか?
子どもとの対話を重視しているでしょうか?

これはなかなか難しい問題ですよ。
我が家でもテレビは見せないという教育をしてきましたが、
大学生になると結局、ゲームにはまっていたりしますからね。
それでも成人するまでは子育ては親の使命ですしね。

***
真の愛とは、
永遠に共にいても、
ただただうれしい愛です。
永遠に共にいても、
共に住んでも、
共に見ても、
共に話しても、
共に感じても、
共に聞いても、
ただただうれしい愛です。

   レバレンド・ムーン


へその緒4重巻

2019-04-17 21:16:21 | 産科
写真は、篠山市西吹の優妃(ゆうあ)ちゃん、3月13日生まれ。
「思いやりのある優しい子に育ってください。
お産は想像以上の痛みでした。
みなさん優しく丁寧で、過ごしやすかったです。」

初めてのお産でしたが、そんなに痛かったですか?

つい先ほども赤ちゃんが生まれたところです。
なんと、首に4回もへその緒が巻いていましたよ。
事前に複数回巻いているのは分かっていたので、
経産婦さんでしたが、ウォーターベッドではなく、分娩台でお産していただきました。
リスクの有るお産では、吸引分娩や急な帝王切開になることも有るからです。

ですが2人目だったので、少し心音は下がりましたが、大きな問題は有りませんでしたよ。
それでも最後は素早く生まれるようにお手伝いはしたのです。

私の経験では、4回巻いているのが過去最高ですよ。
京大病院での研修医の1年目に、他院で妊娠後期に子宮内胎児死亡となって搬送されたお母さんが初めてでした。
赤ちゃんのお爺ちゃんは産婦人科の先生で、自分のクリニックで健診されていたのですよね。
とても辛い経験だったと思うのですよ。

子宮の中で胎児が亡くなってしまうと、2週間以内に分娩にしてあげないと、
お母さんに悪さをしてしまうのです。
それは血液が固まらなくなる、DICという病気を引き起こすのです。
それで陣痛を付けて、産ませてあげたのですよ。
私にとっても、その時の記憶は今でも影響していますよ。

かと言って、妊娠中の胎児の首にへその緒が巻いていることは頻繁に有って、
4人に1人と言われています。私の実感では3人に1人くらいだと感じています。
事前に分かっていると、つい先ほどのように分娩台でお産したり、
いつもよりより慎重に分娩監視装置の波形を注意したりしているのですよ。

お産の時まで何も無ければ、陣痛が始まってから注意すれば良いのですが、
妊娠中の中期とか後期では、注意しようが無いのですよ。
タマル産ではすでに数千人の赤ちゃんが生まれています。
その中で数人は、妊娠中に亡くなった赤ちゃんです。
だから率にして千人に1人くらいの割合でしょうね。

みな思い出せますよ。
柏原で開業していた時は、双胎のお産もしていました。
あるお母さんの赤ちゃんは、双胎で1人の胎児がへその緒のせいで亡くなったことが有ります。
それでもう1人の赤ちゃんのために帝王切開したことが有りますよ。
亡くなった子は、神戸大学まで搬送して病理解剖をしたのです。
残念ながらこの時は、ご両親の理解が得られませんでした。
居たたまれない気持ちが、誰かに罪を着せようとするのでしょう。

篠山に転居してからは、3人居られました。
1人は外国から嫁がれたお嫁さんで、初めてのお産でしたが、
陣痛が来かけてから遠のいて、家で待機されていた時です。
本当の陣痛で来院された時には亡くなっていたのですよ。

みなさんはお産にはどんなイメージをお持ちでしょうか。
初めてのお産なら、とてもワクワクした気持ちでしょうか。
それともお産はとても怖いと感じておられるでしょうか。
それはどちらも正解だと思うのですよ。
ほとんどの場合は無事に生まれて、お産のことなんて、痛かったね、で終わってしまうものだからです。
ですが、ごくごくまれに、お産に悪い思い出が残ってしまうものなのです。

それでもね、すぐにまた赤ちゃんを妊娠することはできるのですよ。
よく流産した時など、その時はとても残念がられるのですが、
次に妊娠して出産までしたなら、苦労を乗り越えた満足感も出てくるものです。
どうかみなさんにも、良き人生経験をしていただきたいと思っています。

***
愛は最高の価値を持っています。
真の愛さえ引っ張っていけば、
神様もついてくるし、
世界もついてくるし、
みなついてきます。
愛の場でなら、
すべてのものがみなついてきます。

   レバレンド・ムーン