タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

2代目のヤグレーザー

2014-12-26 21:59:57 | 美容医療
三木市の颯大(そうた)くん、11月24日生まれ。
「健康に、たくましく育ってください。
入院中はゆっくり過ごせました。」

たしか3人兄弟になりましたね。
仲良く育ってくださいね。

年の瀬で、インフルエンザも流行っているので、気をつけてください。
妊婦の皆さんは、予防接種をしたので、少し安心ですね。

金曜日は、以前より美容皮膚科の話題を提供していたのですが、
最近少しさぼっていました。
それというのも、「シミ」に対する治療器である、Nd-YAGレーザーという器械の
調子が悪かったものですから、予約を制限していたことによります。
それで、もう1台、追加購入しましたので、
来年早々から休んでいた治療も再開することとなりました。

シミを薄くする器械には、レーザーの波長により3つほど種類が有ります。
工業用で使われているために、最も安くて作れるという理由で、
世界的に最も普及しているのが、このYAG(ヤグ)レーザーなのです。

ただ日本ではルビーレーザーや
アレキサンドライトレーザーと言われるものがもてはやされています。
こちらの方が高額で、器械屋さんが、保険が通るように苦労したという歴史のためです。
実際は、ヤグレーザーが最も安定しているのですが。

そこでタマル美容皮膚科では2代目のヤグレーザーとなりました。
とくにQスイッチと言って、ごく短時間のみの照射を繰り返すために、
周囲の組織を熱で傷付けにくいのが特徴です。

おおまかな流れを言いますと、
まず受診してカルテを作っていただくのがいいです。
それで予約を取っていただきます。
お昼頃に来院していただくと、空いていれば、そのまま治療できることも有ります。
ただ仕事をされている方も多いでしょうから、
2回も来るのはたいへんだ、という方については、
診察時間内に電話で予約を取っていただきましょう。

来院後に塗る麻酔クリームを塗り、25分以上お待ちいただきます。
そして照射は、さほど時間はかかりません。
赤みが出るので、1週間ほどは、熱傷の治療と同様にしていただくといいでしょう。
塗り薬をお渡しするので、それで手入れするのです。
お化粧は部分的に控える程度でいいです。
表皮がめくれてしまった場合は、湿性のテープを貼っていただくことも有ります。

1週間から10日ほどで、シミの部分の皮が、
日焼けの後のように剥がれてきます。これで完了です。
ですが、せっかく綺麗になったと思ったら、
1ヶ月ほどでまた赤黒くなってきます。
これは治療後の戻りジミと言われるものなのですが、半年程で薄くなってきます。

ということで、気になる方は、来年に予約を取ってくださいな。
それでは来年も良い年でありますように。

私からのクリスマスプレゼント

2014-12-24 21:38:47 | 婦人科


上の写真は石川県金沢市の由愛(ゆめ)ちゃん、11月24日生まれ。
「みんなから愛されますように。行動力の有る子に育ってね。
お産は辛かったですが、生まれた瞬間は幸せでいっぱいでした。
ウォーターベッドが温かくて気持ち良かったので、もう一度産みたいです。」

今日はクリスマスイブです。
子供たちが幸せに育ってくれたらいいですね。
金沢は東京から新幹線も通るので、便利になりますね。
私も学会で兼六園に行ったことが有りますよ。

皆さんにもクリスマスプレゼントをお贈りしないといけません。
それは生命のプレゼントです。
生命には霊的なものも有りますが、肉的な意味も有りますね。
その肉的な意味です。

40歳になられているとしたら、来年は乳がん検診を受けてみましょう。
たったそれだけで、皆さんの寿命がずっと増えるのです。
これが私からのプレゼントです。

アメリカでは乳がん自体が多いので、女性の70%の人が検診を受けているのです。
ところが日本で乳がん検診を受ける女性は、わずかに25%なのですよ。
ついでに言えば、子宮頸癌検診もその程度です。

アメリカでは乳がん検診は、日本と同じ40歳以上の女性が対象で、
しかも毎年マンモグラフィを受けるというのがスクリーニング検査で決まっています。
それでも70%もの女性が受けるのですね。
国によっては、全員受けるという国も有るのですよ。
日本では外国よりも少ない2年に1回のマンモなのですが、それさえ受けていないのです。

確かに、検査には擬陽性というものが有って、本当の癌を見つけるために、
その10倍程度の正常の女性が精密検査に回っていると言われます。
検査そのものにも問題は有るわけです。
今日本では、若い女性に超音波がいいか、マンモグラフィがいいか、という
大規模な調査が行われています。また結果が出ることでしょう。

それではどんな女性が乳がんに罹り易いのでしょうか。
遺伝的なものも有りますね。
親戚に乳がんの人が居れば、確率が上がります。
家族制の遺伝子のお話は先日したところですね。

他にも危険因子が有ります。
タバコとお酒は乳がんの危険因子です。
タバコを吸う女性は1.9倍、乳がんになりやすいのです。肺がんばかりじゃ有りません。

赤ちゃんを産んだことの無い女性は乳がんの確率が上がります。
子宮体がんもそうです。
赤ちゃんを産むのに子宮が大きくなって、授乳するのに乳腺が発達した方がいいということです。

脂肪の摂取は欧米化の食事であって、やはり欧米人のように乳がんになりやすいのです。
いつも言うように、脂肪は日本人んいは必要有りません。
牛乳、ヨーグルト、ケーキ、チーズ、バター、食用油などですね。
私はなるべく避けていますよ。
運動不足や、野菜、フルーツの摂取不足もリスク因子です。

日本と欧米の乳がんの最も違うところは好発年齢で、
日本の場合は40歳代後半から50歳代が多いのですよ。
欧米は40歳代は少ないのです。
日本の女性で最もなりやすい癌が乳がんですから、これはぜったいに受けるべきですよ。
20代から発症する場合が有り、30歳で増加して、40代後半がピークなのです。
子宮頸癌は20代、30代が急増していますから、乳がんもますます低年齢化するでしょう。

今日はイブですから一般的なお話になりました。

神様がなぜ存在されるのでしょうか。
何ゆえにいらっしゃろうとするのでしょうか。
愛ゆえにいらっしゃろうとするのです。
それゆえ愛の相対が必要なのです。
ですから全知全能なる神様は、
愛の相対を創造しなければならなかったのです。
創造の本質的な理想を、
愛を中心として創造を始めたということを
これまで私たちは知らなかったのです。
愛ゆえにすべての被造世界が創造されたのです。

   レバレンド・ムーン


人工授精に戸籍謄本?

2014-12-22 21:34:42 | 不妊症


上の写真は篠山市西古佐の敬也(ゆきや)くん、11月24日生まれ。
「田んぼの中を走り回るくらいに元気に育ってください。
お姉ちゃんが妹が欲しいと願っているので、女の子が欲しいです。」

とても頑張っていますね。だって4人目を産んだところですからね。
5人目は女の子希望なのですね。
もし違ったら、お姉ちゃんに早く産んでもらわないといけませんね。

私も小さい頃は田んぼで走り回っていました。
私の育った所も、まだまだ田んぼが多かったですからね。
今、実家に帰ってみると、殆どそんな面影は無くなってしまっていましたが。
おたまじゃくしやカエル、ザリガニなんかを捕まえたりしていましたよ。
野壺に落ちて死にかけたことも有りますよ。
もっとも死にかけたのは、他にも有ります。

さて、年末ですね。今日は不妊治療に対する医療機関のリスクというものをお話しましょう。
日本産婦人科医会報に載っていた裁判事例からの考察です。
そんなに難しいことはないので、引用してみましょう。

ある結婚している男性が、不倫相手の女性との間に子供を懐妊したというのです。
そんなことは、まれに有る話かもしれません。
ところが妊娠したのが、人工授精だったというのですね。
不倫相手の女性が男性の精子を持って来て、それで人工授精をしてもらうよう、
婦人科の医師に渡したのです。
しかも同意書に2人のサインが有ったのですよ。

ただし婚姻関係に無いとは、婦人科の医師は想像もしていなかったのです。
不倫相手の女性は子を出産して、さらにその男性は認知もしているのです。
それで結局、男性の妻がこのことに関して婦人科医を訴えたというのですね。
何かメロドラマのようですが、どうしてご主人を訴えずに、婦人科医を訴えたのでしょう?
もちろん、その方が慰謝料を取れるからです。

今年、体外受精を受けるのに、婚姻関係でなくても受けられるようになった、
というニュースが有ったのをご存知でしょうか。
時代も代わりました。以前は婚姻届けを確認しないといけなかったのです。
それほど厳重で有ったわけです。
ところが今は、赤ちゃんが出来たら結婚するけれど、それまではしなくてもいいというのです。
恋人同士の同意だけで、体外受精を受けられてしまうのですよ。
外国では同姓婚で、女性の場合なら、精子バンクで精子を買って来ても、妊娠できるのです。

そんな時代になりましたが、先の裁判事例では、婦人科医はどうなったでしょう。
慰謝料の8千万円の請求に対して、200万円が認められ、
裁判費用の一部も支払わなければならなかったようです。
おかしな話ですね。
人のためと思って施術したら、この通りです。
裁判長曰く、戸籍謄本で婚姻関係を確認すべきだった、と。
やってられないね、とその婦人科医は言ったかどうか。
私なら、この裁判長は罷免にしたいところですが、それは最高裁だけですね。

私も戸籍謄本どころか、人工授精の同意書も取っていませんでしたが、
なんとも契約社会になってしまったものです。
これからはトラブルの回避まで考えておかないといけませんね。




サイトメガロウィルスって知っていますか

2014-12-19 21:59:54 | 産科
写真は篠山市大沢の緒実(つぐみ)ちゃん、11月16日生まれ。
「たくさんの人と出会い成長し、人と人を結びつけられる様な人になってください。
とても早く産まれ出てきて、自分が一番びっくりしています。
みなさん優しくて嬉しかったです。」

研究時代に仕事で、イタリアに皆で行ったのですよ。
今ではそのうちの2人が大学教授ですからね。
メニューはイタリア語でよくわからないのです。
なんとなく、TARUTARUというのは読めたので、タルタルソースを連想して注文しました。
出て来たのは、大きなお皿いっぱいの、生のミンチでした。
そう、西洋人は生の肉を食べるのです。

それで西洋人はたいてい、トキソプラズマ抗体が陽性です。
要するにかかったことが有るので、抗体を持っているという意味です。
ところが日本人は普通、トキソプラズマ抗体が陰性なのです。
生魚は食べますけれど、逆にアメリカ人なんか、生の魚は食べませんよ。

先日、妊婦さんで、生の肉を食べたからトキソプラズマの検査がして欲しいと言われました。
そうですね、妊娠中にあまり罹りたくないのが、
TORCH(トーチ)です。
トキソプラズマ(T)、その他(OTHERS)、風疹(RUBELLA)、サイトメガロウィルス(C)、
そして単純ヘルペスウィルスです。
その女性はやはり、抗体が陰性でしたけれどね。

今日はその中の1つ、サイトメガロウィルスについてです。
風疹は全員検査をすることになっていますが、
このサイトメガロウィルスは胎児に悪影響を及ぼすのですが、
むしろ検査は奨めないのです。
日本で敢えて検査をしている施設は僅か4.5%の施設でしかないのです。
それは検査の解釈が難しくて、かえって混乱させる恐れが有るからです。
胎児が正常なのに、中絶なんてされたらかわいそうでしょ?

それでも少し知識を持っておきましょう。
というのもこの11月に厚生労働省の研究が発表されたところですから。

まずサイトメガロ感染症には、70%のお母さんは子供の頃に罹っていて、
30%のお母さんだけ罹っていません。
この罹っていないお母さんが、妊娠中に初めて罹ると、
赤ちゃんが先天性に感染していることが有るのです。

感染経路は上の子からの感染が多いのです。
だから2人目の妊娠でリスクが上がるのですよ。
上の子のおむつ替えの時とか、キスをするとかで感染します。
だからこれらの時に、妊娠中は注意をしてください。

ただし妊娠中に初めて罹っても、確かに胎児も感染しやすいのですが、
それでも胎児に先天性に異常が出る確率は風疹のように高くはないのです。
異常とは胎児の体重が小さいとか、頭が小さいとか逆に大きいとか、
白内障や、けいれん、難聴、精神遅滞などです。

だから妊娠中に検査をしたとして、初めての感染だったとしても、
赤ちゃんに影響が出るのは、僅か3~7%程度しかないのですから。
さらに中絶なんかを考えるより、
生まれてから、抗ウィルス薬を投薬すると、さらに効果的だと言われます。
そういう理由で、妊娠中の初期のスクリーニング検査には入っていないのですね。

最後に抗体の読み方だけを書いておけば、
子供の頃に罹っている場合は、サイトメガロウィルスの抗体でも、
IgMというのが陽性になります。抗体が有るという意味ですね。
感染の初期だけIgGが上昇します。
だからIgMが陽性でIgGが陰性の場合が古い感染で、リスクが無いわけです。

IgGが陽性だと最近の感染です。
さらにIgGの中でもIgG avidityという抗体は極く初期にだけ陽性になります。
だから感染してすぐかどうかは、スクリーニングでIgGが陽性の人にだけ、
IgG avidityを調べるのです。
結局、サイトメガロは今のところ調べなくていのです。

ピルに続いてミレーナも保険適応有り

2014-12-17 21:47:13 | 婦人科
篠山市栗柄の夢希(いぶき)くん、11月14日生まれ。
「夢と希望を持って歩んでいってください。
皆優しくて、きちんと指導してもらいました。」

そうですね、うちの助産師さんたちは、ちゃんと指導しているでしょう?
毎回、毎日、何十年でも同じことでも、1人1人に説明しているのですね。
ただ、助産師でも学んできた環境が違うので、違うことを言うかもしれませんが、
それはそれ、いろんな意見が有るのだと理解していただければ。

さて、水曜日なので、婦人科の話題を致しましょう。
これも何度かお話したことが有るのですが、
月経困難症に対して、「ミレーナ52mg」なるものが新たに保険適応になったという話です。
52mgと言うくらいだから、何かの薬だとお思いでしょう。
確かに女性ホルモンでも黄体ホルモンというホルモンの合成品で、
正確にはレボノルゲストレルと言います。
しかもこれを子宮内避妊具に塗り付けたものなのです。
塗るというと語弊が有って、カプセル状にくっつけたものです。

これまでも過多月経に対して、保険適応となっていたのです。
その前は自由診療で、7、8万円していたのです。
それが今では診察料と処置料と器具代で、それの3割負担で、1万円ほどです。
なんと安くなったのでしょう。
それでも入れたい場合は予約をお願いします。常時在庫はしていませんので。

ただし避妊目的はダメですからね。
あくまで月経が多くて辛い場合や、月経痛がひどい場合ですよ。
もちろん子宮筋腫であまり大きい子宮だと、取った方がいいのです。

先日、タマル産で赤ちゃんを産んだことの有る女性が来院されました。
産後に子宮筋腫を指摘していたのですが、長い間、来院されていなかったのです。
その方のお姉さんも子宮筋腫で40歳代なのでしょう。
他院で偽閉経療法と言って、月経を半年間止める治療をされているそうです。
ですが、それも更年期様の症状が出て、満足はされていないとの由です。
だから自分もその治療はしたくない、ということで、他院で定期検診のみされていました。

月経の量がすごく多いということもない、
お腹から腫瘍を触るのも、それほど気にならない、というので有れば、
死ぬまで持っていても、確かに問題は無いのかもしれません。
少し前の時代では妊娠3ヶ月大の子宮は取った方がいいとか、
過多月経が有れば、手術と、何でも手術の時代が長かったですからね。

それで、子宮の中に特殊なリングを入れるだけで、
痛みが強い、あるいは量が多い場合は保険が利くのですから、使用してもいいのでは。
普通のリングでは逆に月経の量が増えますからね。
若い女性では、ピルというのも症状が強い場合には、保険で処方できますよ。
リングを入れるのは、赤ちゃんを産んだことの有る方、という制限は有ります。

困ったことと言えば、ちょっとサイズが大きいので、入れる時に難しいな、
と感じていることくらいでしょうか。