タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊婦さんへの新型コロナワクチン接種を始めます

2021-08-27 20:30:45 | 産科
今、妊娠中に新型コロナに感染すると、とてもていへんなことになるのです。
まずは今通院中の産婦人科で分娩することはできません。
遠方のコロナ対応可能な病院で産むことになります。
もちろん家族の立ち合いもできませんし、何より生命の危険性が有るのですから。
それでも以前なら神戸の病院で受け入れてもらえるという話でしたが、
先日は必ずしも受け入れられるわけではないという通達が兵庫県から届いたところです。
そんな中でのコロナ感染による咳で早産してしまうまで受け入れ病院が見つからず、新生児死亡が生じたというニュースです。

早々、私は丹波篠山市に働きかけて、妊婦さんとそのご主人へのワクチンの優先接種をお願いしました。
ちょうど検討を始められていたところのようで、快く話が進みましたよ。
その代わりに私がすべての妊婦さんの予防接種をすることになってしまいました。

予防接種当日は、以前お話したように、シューベルティアーデたんば2021のオープニングセレモニーの予定でしたがキャンセルです。
前売り券も3枚買っていたのですが、このブログを読んでくださっている方、先着3名の方に差し上げます。
写真のポスターが貼ってある間に受付に声をかけてください。
ポスターが剥がれていたら終了ということですよ。

それでは新型コロナのワクチンの詳細を書きますね。
まず対象ですが、丹波篠山市にお住まいの妊婦さん全員です。
タマル産で健診を受けられている方だけではなくて、他院で健診や出産される方も予防接種させていただきます。
市の健康課からみなさんに連絡が行ったのではないですか?
妊婦さんのご主人も優先接種になりますが、ご主人に関しては内科などで受けてください。

次に丹波市の妊婦さんは丹波篠山市に住民票は有りませんが、タマル産で産む方には接種させていただきます。
既にこちらから電話を掛けさせていただきました。
丹波篠山市の予防接種を丹波市の方に優先して打つことに反対意見が有りましたが、是非にとお願いしましたよ。
丹波市では妊婦さんとご主人への優先接種は今のところ予定されていないようですので、ご主人に関しては順番をお待ちください。

予約の方法ですが、タマル産に直接電話はしないでください。
8月26日からすでに丹波篠山市のワクチン専用コールセンターで受け付けています。
WEBでの予約には対応していません。電話で妊娠しているとお伝えください。
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/taisetsunaosirase/index.html
一応8月30日までになっていますが、2クール目の接種も有るので、その後も受け付けてもらえるそうです。

接種期間は、1クール目の1回目が9月3日から18日までです。
その3週間後の同じ曜日、同じ時間に、同じタマル産で2回目の接種を受けてください。
ただし通常の診療や分娩が有りますので、このうちの9月5日(日)、9月6日(月)、9月12日(日)、9月13日(月)のお昼14時以降だけです。
用事が有ることも多いでしょうけれど、私もコンサートの予約を蹴りましたし、みなさんも段取りを付けてくださいね。
2クール目も予定されていますが、異物混入などで中止されるかもしれませんから、早めにご予約ください。

ところで世界ではアフガニスタンの情勢が気になります。
ワクチンもできなくなったようですし、女性たちの健康も心配ですね。
私たちの教会の支援で、アフガニスタンで初めての寄宿学校ができていたのですが、アフリカのルワンダに逃れられたようです。
ルワンダにも尼崎の女性たちがたくさん支援に行っているために、その縁からです。
ルワンダも悲しい歴史の有る国ですよ。何度かお話ししていますね。
日本人はワクチンが無料で受けられるという恵まれた環境に有るので、どうかお腹の子供の未来のことを思いやってくださいね。

メイフラワー方式で予防接種を

2021-08-20 21:03:17 | つれづれ
お盆は離れていた家族に会えましたか?
本当は里帰りはあまりしない方が良いとは分かっているのですけれどね。

ところで私が中学校で最初に習った英語の教科書には、メイフラワー号の話が載っていました。
新島襄先生が開祖なので、プロテスタント教育をされたわけです。
ちょうど400年前の1621年に、イギリスから異教徒であるプロテスタントの数十人がアメリカに上陸したのですよ。
8ヶ月もかけて冬を超えて上陸するまで、飢えや肺炎で多くの人が亡くなっていったのです。
その中には女性や子供も居たわけですがそちらを優先して、開拓者たちは新天地に植える穀物の種には手を付けなかったのです。

最近は新型コロナのワクチンの接種順番待ちということで、高年齢の方々から優先されています。
先日、タマル産に通院中の妊婦さんに尋ねたら、今は50歳代が受けられるのだと。
丹波市では無理なので、兵庫県のシステムに応募したところ当たったのだとか。
私の娘は神戸市から、大阪の自衛隊の大規模接種に当選したようです。
そんな中、妊娠中に感染して、咳が激しくて自宅で早産して死産だったというニュースです。
咳がひどいとお腹が張って、早産することはよく有りますからね。

もう1つニュースが有って、この春には妊娠12週以降の妊婦さんは予防接種をするように指導されました。
ところが昨日からは、妊娠初期でも赤ちゃんに影響しないので、週数に関係なく予防接種を受けるようにと変更されたのですよ。

それで兵庫県知事も新しくなられたことですし、予防接種は次に誰が優先して受けるべきでしょうか?
私が思うには、60代以上の高リスクの方が済んだら、次は妊婦さんでしょう。
インフルエンザワクチンも高齢者とともに妊婦さん優先なのですからね。
私と同じ考えの市長としては、姫路市が妊婦さん優先接種を全国に先駆けて始められましたよ。
さあ、丹波圏域の医師会や市議会はどうされますか?

メイフラワー号に乗っていたピリグリムファーザーズたちは、次世代に繋ぐために、自分たちの生命を犠牲にされたのです。
ついでに言うならその次は中高生でしょう。
今、丹波圏域で急増しているのが、中高生の部活がらみですからね。
新学期が始まるとさらにリスクが高まりそうです。
高校野球も感染して辞退されて、かわいそうだったでしょう?
中高生に予防接種を優先してあげて、予防接種を受けるまではオンライン授業にするというのが良いと思うのですよ。
これは私単独の意見で、医師会とは何ら関係有りませんからね。

男性不妊症の一端

2021-08-06 21:05:36 | 不妊症
今年のでかんしょ祭りは中止だそうですが、シューベルティアーデたんばの方は今年は開催されるようです。
昨年はビデオ映像だけでしたからね。
みなさんは参加されたことは有りますか?
私は何度か参加していますよ。
とくにオープニングはいつも、お隣のお菓子の里丹波さんで有りますからね。
それほど密な音楽会ではないので、間隔を取って、マスクもして、久しぶりに優雅に過ごしてみたいものです。
私は中学生の時に聖歌隊に入っていて、テナーのパートリーダーをしていたものですから、今年の四重唱はとくに楽しみなのです。
さっそくチケットを買ってみましたよ。

それでは今日の話題ですね。
新型コロナ蔓延の中では、不妊症カップルであっても、なるべくご主人には車で待機していただいています。
それでご主人に説明する機会が減っているのが現状です。
最近は、不妊症の原因は男性側が半分を占めるという認識をされている方も増えてきましたが、
以前は不妊治療は女性だけがするものだと思われていた時代も有りました。

ご主人の検査は、昔ながらの方法で、顕微鏡下に直接数を数えるというものです。
不妊専門クリニックでは、自動計数器を使っているところも有るでしょうけれど、
それでも直接数を数える方法の方が、わずか1滴で検査できるので、一般的なのですよ。
どうも詳しいレポートをもらえると、高度な検査をしているように思われるのでしょうね。

次に男性というものは、すごく精液検査の結果に一喜一憂されるのです。
量が1.5ミリリットル以上有るのか、
精子の濃度が1500万匹以上なのか、運動精子の率は高いのかといった具合です。
ですが精子の濃度は計測ごとにけっこうばらつきが有るのですよ。
だから少しでも居れば妊娠できる可能性は有るのですから、そこを説明してあげるべきですね。

それでも精子濃度が低い場合は、治療としての人工授精をします。
人工授精は精子を洗浄して、さらに濃縮し、その全量を子宮の奥まで入れることを言います。
それは子宮の入口を登れない精子が多いからですね。
いきなり体外受精を考えれば良さそうですが、体外受精では良い精子が選別できないのですよ。
人工授精の方が、卵管狭部という狭い道を登れるかどうかで、良い精子が選別されるからです。
体外受精では卵子と精子を混ぜるだけですからね。どんな精子が卵に一番に入るか分からないのですね。

夫婦生活がうまくいかない場合でも、精子を男性が1人で採取することは、案外とできることが多いのです。
それを持参されるだけで1時間ほどで人工授精が完了します。
タマル産では、この時に人工授精キットを使用しているので、通常は2〜3回洗浄するところを1回の洗浄で済ませることができ、
そのため時間も短くて済むし、洗浄するごとに正常精子が減ってしまうことも食い止めることができるのです。
少しでも成功率を高めるようにしているのですよ。

夫婦生活の回数が3日に1回までなら妊娠しやすいのですが、4日以上開くと自然の妊娠率は落ちるのです。
とくに排卵期にはこの原則を知っていると、タイミングが取りやすいですね。
人工授精の日に、精子の濃度が低いと、「今日は調子が悪かった、疲れていた」という言い訳が返ってくるのですが、
実は今日の精子は、今から3ヶ月前から作られてきたものなのです。
毎日5千万から1億匹も精子を製造しているのです。
だから今日調子が悪くても、それが影響するのは、3ヶ月先なのですよ。
というか、一時的なことはほとんど影響しないとも言えるのです。

夫婦生活の回数が少ないか、まったくないカップルでも、とりあえず1人授かれば、
それ以後は自然に夫婦生活ができるようになって2人目は自然に授かったというカップルも居られますよ。
もちろん1人授かれば、逆に夫婦生活の回数が少なくなって、妊娠しにくくなることも有るのですが。
2人目不妊ということにもなりますね。

結論じみたことを言うならば、男性はすごく精子濃度を気にするもので、
自分でネットで検査キットを買って調べる人も居るくらいです。
あるいはクリニックで検査をしてもその結果の数値をすごく気にすることも有ります。
ですが検査とはけっこうアバウトなものなので、結婚して1年もすれば自然に妊娠することも多いので、
1年経って妊娠しなければ、たとえ精子濃度が正常であっても、人工授精を受けるのは意味が有ると思うのですよ。