タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

クリニックで産むメリット

2021-11-26 20:31:20 | 産科
今週からタマル産の外来に、クリスマスツリーを飾りましたよ。
少しでもみなさんの心が暖かくなれば良いですね。
クリスマスの本来の意味までは忘れてしまったかもしれなくても。

さて、今週は4人の初産婦さんが赤ちゃんを産まれました。
そのうち3人は、他院でなら間違いなく帝王切開でしたよ。

1人は36週まで、さかごでした。
最近はこの時点で帝王切開を希望する女性が増えていましたが、
このお母さんはタマル産で外回転術を受け、それで無理ならさかごのまま産むと決められていたのです。
ですが結局36週になって、さかごから頭位になったのです。
遅くに回ったものですから、出口が硬くてお産に3日もかかりました。

あるいは予定日を2週間ほど超えて陣痛誘発をした初産婦さんも2日がかりでした。
この方も予定日超過なのに、いつまでも赤ちゃんがプカプカ浮かんでいたのですから。
他院でなら陣痛が始まる前に帝王切開で、おそらく陣痛は経験できていなかったことでしょう。

もう1人のお母さんは、胎児の首に臍の緒が強く巻いていて、大病院なら緊急帝王切開になっていたでしょうね。
タマル産では熟練の技によって、ちゃんと生まれましたよ。

クリニックだからリスクが少ないお産ばかり扱っているのだろうと思われがちです。
私は以前、兵庫県立病院で医長をしていた時に、過去10年分の医師の成績を調べてみたのですよ。
すると私だけが帝王切開率は10%ほどで、もう1人の女医先生が20%代、他の10人ほどの先生は30%代、
そして部長だけが40%代だったのです。
リスクの高いお産を扱っていても、帝王切開率は下げられるということですね。
それで今では、わずか2%ほどと、世界でもっとも低い帝王切開率になっているというわけです。

これだけ宣伝しても、若いカップルは最近は大病院志向が強くなっています。
私はもったいないな、といつも思ってしまうのです。
私が大病院を辞めて開業したのは、帝王切開ばかりで産ませてしまう逃げの考えに反発してのことなのですから。
赤ちゃんを産むのって、そんなにリスキーなことなのでしょうか?

先日、タマル産の職員の親戚の経産婦さんがタマル産で健診してカナダで産まれたのですが、
産んだその日に退院だったそうですよ。
産む時はドクターは立ち会いません。非常時には駆けつけるようですが。
いわゆる院内助産ですね。
ですが助産師さんのレベルを上げないと、日本ではなかなか外国の真似をするのは難しいでしょうね。

先ほどの夜診でも、若いカップルが、妊娠と分かるとすぐに病院を紹介してくれと言われるのです。
こんなに近くに良心的な施設が有るというのに。
いやはや可哀想に、というのが本音ですよ。

明るい話題も提供しておきましょう。

タマル産の数件隣に青山産業さんという企業が有って、
そこから頼まれて赤ちゃんの足のサイズを測ってあげたのです。
それで完成したのが、この赤ちゃん用の足袋なのですって。
これなら脱げたりせずに、お宮参りにちょうど良さそうですね。

私は大学時代に山登りをやっていたので、夏は足袋にワラジで川を登っていたのを思い出しましたよ。

男性不妊の原因

2021-11-19 20:59:12 | 不妊症
中庭のメタセコイヤの木に、クリスマスライトを飾ってみました。
ちょうど紅葉が綺麗ですしね。
それと今晩の月食は見られましたか?
夜の外来が終わったところで、間に合いましたよ。

以前は不妊外来と言えば、女性側の原因が多かったのですが、
最近受診されるカップルは、精子減少症という男性側の原因が増加しているように感じています。

以前にも書きましたが、日本ではヨーロッパで禁止されているネオニコチノイドという殺虫剤が使用されているようですね。
よくミツバチが消えたというニュースが有りますが、その原因と言われる殺虫剤です。
日本では年間50件ほど、養蜂家からミツバチが居なくなったという報告が寄せられています。
ミツバチだけでなく、島根県の穴道湖では、1993年からワカサギやウナギが突然、激減したそうです。
ネオニコが日本で使い出されたのが1992年ですから、ちょうど一致するようです。

ネオニコはニコチンに似た新しい殺虫剤で、虫の神経を麻痺させて殺すのです。
ニコチンと違って自然界に長く残留するのが特徴です。

日本では、「みどりの食料システム戦略」が公表されて、今後50年間で、化学農薬を半減させるというのです。
ですがそれでは手遅れなのは明らかですよ。
世界では日本のみが有機栽培の割合が極端に低いのですって。

私も農薬の人体への影響を体験してきました。
京大病院で研修医を指導していた時のことです。
春先に農薬を撒いていた時に、実家に帰ってきていた妊娠初期の女性が縁側に座っていたそうです。
たったそれだけなのですが、お腹の中の胎児はベトちゃん、ドクちゃんよりもひどく、
頭と胴体は1つで、足と手は2対ずつだったのですよ。

またある時は、農家の若い女性が農薬を飲んで自殺未遂を図り、
京大病院に運ばれてきた時には、胎児はすでに亡くなっており、女性は透析にて一命を取り留められました。
親よりも胎児に影響は強く現れるのですからね。

そんな特殊な話ばかりではなく、タバコを吸っている女性が妊娠したからと禁煙されます。
ですがその頃にはすでに妊娠6週くらいになっているのですよ。
すでに時遅く、流産する女性の多くはこうしたごく初期の喫煙者です。
タバコにはニコチンが含まれますが、それよりも猛毒のネオニコが、生殖細胞に影響しないはずはないのです。
にもかかわらず日本では、ネオニコは虫には毒だがヒトには影響しないと言われています。

丹波は農業の町です。
地方こそ、精子や卵子が影響を受け、子孫が残せなくなる日は早く訪れるのかもしれませんよ。
国の、遅い規制を待つ必要はないでしょうね。




子育てパパ支援金制度知ってる?

2021-11-12 20:31:01 | つれづれ
11月半ばとあって、もう年末の準備にかからなくてはなりません。
写真は来年のカレンダーを作ってみたものです。
毎年この世界地図のカレンダーを皆さんに差し上げているのですよ。
12月1日から配布予定です。
印刷会社は四国の世界地図という会社なのですが、収益の一部をカンボジアでの井戸掘りのボランテイア資金とされています。
だから間接的なボランティアということになるのですね。

年末と言えば年末調整のための書類作りですよ。
タマル産も職員が多いので、本日、もう配布したのです。
その中で今年変わったものと言えば、寡婦や未婚の母子への所得税減税でしょうね。
離婚するカップルが増えたために、生活に困窮する人が増えているからですね。
やはり家族制度は大切なものです。
夫婦別姓など、家族制度を破壊する制度には断固として反対しないといけませんよ。
ついでに言うと、HPVに感染するのは、健全なカップルとは言えませんからね。

今日の産婦人科関係のニュースでは、HPVワクチンの積極的勧奨が再開されることに決まったというのです。
コロナワクチンのおかげで、他のワクチンに興味を持たれる方が増えたのは良いことですよ。

ところで今、タマル産では看護師さんが1人、育休で休んでいます。
タマル産では希望者全員に育休を取得していただいているのですよ。
ただし残念ながら育休明けに仕事を継続される方は少ないのが現状です。
みなさんの職場では育休がもらえますか?
もしくはご主人は育休をもらえるでしょうか?

実は会社としては男性職員に育休を取ってもらうと57万円も会社がもらえるのですよ。
2回目からは減額されるので、導入奨励金ですね。
「子育てパパ支援助成金」というものです。
女性のように1年や2年でなくて、たったの5日以上で良いのですから、会社に導入してもらえるよう説得してください。
と言うか、会社側は職員に請求されると断ってはいけないことになっています。
もし断ればSNSで袋叩きになって、会社が潰れるかもしれないほどです。

追記です。
妊婦産専用のインフルエンザワクチンの予約接種は先週に終了し、残りは早い者勝ちとしていましたが、明日で終了になりそうです。
もう1つ、クレジットカードの読み取り機をバージョンアップしたために、JCBのみ取扱が一時中断していましたが、1週間後の金曜日より従来通り使用できるようになります。



兵庫は全国最下位です

2021-11-05 20:39:49 | つれづれ
今週は中学生のトライやるウィークでしたよ。
昨年はコロナでパスしましたから久しぶりですが、たったの2日間だけでした。
生徒たちも短かったと感想を述べていました。
1人の子は将来は助産師になりたいのですって。
この子たちは私が14年前に取り上げたのです。
引率の先生も、里帰りするまで妊婦健診はタマル産ででしたね。

他院では医師に取り上げてもらったとは言いますが、実際は助産師さんに取り上げてもらっているのです。
吸引分娩の時くらいでしょう?あるいは帝王切開の一瞬でしょうか。
タマル産では文字通り、医師である私が取り上げますからね。
もう丹波地域だけでも4千人くらいの赤ちゃんを取り上げてきたかな。
タマル産に勤務する職員も、何人も私が取り上げてきたのです。

あと千人、2千人と、取り上げ続けられるでしょうか。
先のことは分かりませんね。

さて、1つ話題を提供しておきましょう。
兵庫県から転出する人が転入する人を上回る「転出超過」が、
昨年1年間で46都道府県の中でワースト1位だったと言うのです。
生まれる人や亡くなる人の自然減の人数ではなくて、引っ越しして出て行ってしまう人のことですよ。
その前の年はベベから4番目だったのですが。

ただし兵庫県に魅力を感じなくなったというよりは、
若者が大学や就職で大阪や東京に出て行って帰って来ないということが主因のようです。
それは転出超過人数のうちの8割は、20〜24歳の若者だからです。

さらに兵庫県では県南東部とそれ以外の地域格差の拡大も言われています。
雇用が少ない、通える大学もない、ということでしょうか。
新しくなった知事の政策に期待しますよ。

ですが人任せだけではいけませんね。
丹波篠山市にも大学は必須でしょう。
市立病院なんかどうでもよろしい。私立病院がいくつも有るのですから。

丹波市には看護学校が有りますが、丹波篠山市にも看護学校を作るように、市長に提言したことも有ります。
せっかく兵庫医大を誘致したのですからね。
豊岡には兵庫県立但馬技術大学校が有りますね。
大学校と言っても4年生では有りません、職業訓練校です。
農業では、もっと兵庫県立篠山東雲高等学校を発展させても良いでしょう。
大学まで格上げして、ロボットテクノロジーを導入してはいかがですか。
砂漠の中のイスラエルだって、農業先進国ですよ。
農業はこれからの主要産業になると言われていますからね。
これで雇用も大学も一挙両得ではないですか。