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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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拾遺和歌集 巻16 歌番号1045から1049まで

2025年04月29日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻16

歌番号 1045

詞書 京極御息所、かすかにまうて侍りける時、国司のたてまつりける歌あまたありける中に

詠人 藤原忠房朝臣

原文 布累佐止尓 佐久止和比川留 佐久良者奈 己止之曽幾美尓 美恵奴部良奈留

和歌 ふるさとに さくとわひつる さくらはな ことしそきみに みえぬへらなる

読下 ふるさとにさくとわひつるさくら花ことしそ君に見えぬへらなる

解釈 古の都に咲くと見る人無く寂しく思う桜花、でも、今年こそは御幸の君にお目にかかっています。

 

歌番号 1046

詞書 京極御息所、かすかにまうて侍りける時、国司のたてまつりける歌あまたありける中に

詠人 藤原忠房朝臣

原文 者留可須美 加寸可乃々部尓 多知和多利 美知天毛美由留 美也己比止可奈

和歌 はるかすみ かすかののへに たちわたり みちてもみゆる みやこひとかな

読下 春霞かすかののへに立ちわたりみちても見ゆるみやこ人かな

解釈 春霞、春日の野辺に立ち渡り、霞が満ちる、その言葉の響きのように、野辺に人々が満ちると見える、御幸での都人達です。

 

歌番号 1047

詞書 円融院御時、三尺御屏風に、花の木のもとに人人あつまりゐたる所

詠人 かねもり

原文 与乃奈可尓 宇礼之幾毛乃者 於毛飛止知 者奈美天寸久須 己々呂奈利个利

和歌 よのなかに うれしきものは おもふとち はなみてすくす こころなりけり

読下 世の中にうれしき物は思ふとち花見てすくす心なりけり

解釈 世の中で嬉しいと思うものは、親しき友と花を眺めて過ごす、その風流の心持ちであります。

 

歌番号 1048 拾遺抄記載

詞書 清慎公家にて、池のほとりのさくらの花をよみ侍りける

詠人 もとすけ

原文 佐久良者奈 曽己奈留加遣曽 於之末留々 志川女留比止乃 者留止於毛部八

和歌 さくらはな そこなるかけそ をしまるる しつめるひとの はるとおもへは

読下 さくら花そこなるかけそをしまるるしつめる人のはるとおもへは

解釈 桜花、池の底に見える姿を残念に思われる、その姿と同じように、除目の終わった後、職得られず身を沈める人の、それが春だと思うと。

 

歌番号 1049 拾遺抄記載

詞書 上総よりのほりて侍りけるころ、源頼光か家にて人人さけたうへけるついてに

詠人 藤原長能

原文 安徒万知乃 々地乃由幾万遠 和个天幾天 安者礼美也己乃 者奈遠美留可奈

和歌 あつまちの のちのゆきまを わけてきて あはれみやこの はなをみるかな

読下 あつまちののちの雪まをわけてきてあはれ宮この花を見るかな

解釈 東路の野路の雪の間を掻き分けてこの宴に来て、感慨深くも都の花を眺めることです。

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