歌番号 1359
詞書 不記
詠人 不記
原文 与乃奈可乃 万毛利尓堂乃武 安川佐由美 可美乃多可良尓 以満之川留可奈
和歌 よのなかの まもりにたのむ あつさゆみ かみのたからに いましつるかな
読下 よのなかのまもりにたのむあつさゆみ神のたからにいましつるかな
解釈 世の中の守りの武器として信頼を寄せる梓弓、神の宝に護っているのでしょうか。
歌番号 1360
詞書 不記
詠人 不記
原文 和可久佐乃 以毛々乃利多利 和礼毛乃利 不祢可多不久奈 不祢可世不久奈
和歌 わかくさの いもものりたり われものり ふねかたふくな ふなかせふくな
読下 わかくさのいもものりたりわれものりふねかたふくなふなかせふくな
解釈 若草のように初々しい貴女も乗っている、私も乗っている、どうか舟よ傾くな、舟に風吹くな。
歌番号 1361
詞書 返し
詠人 源重之
原文 己乃己尓天 己々呂遠佐奈久 止者寸止毛 於也乃於也尓天 宇良武部之也者
和歌 このこにて こころをさなく とはすとも おやのおやにて うらむへしやは
読下 このこにて心をさなくとはすともおやのおやにてうらむへしやは
解釈 この子にあって、無事を祈ることをしなく、神に問うことをしなくても、先祖の思し召しのことだから、舟に乗り合わせたことを恨むべきではない。
歌番号 1362
詞書 題不知
詠人 読人不知
原文 由女乃宇知乃 者奈尓己々呂遠 川个天己曽 己乃与乃奈可者 於毛比之良留礼
和歌 ゆめのうちの はなにこころを つけてこそ このよのなかは おもひしらるれ
読下 夢のうちの花に心をつけてこそこのよのなかはおもひしらるれ
解釈 夢の中で花に気持ちを乗せるので、この世の中(男女関係の意味)の思い通りにならないことを思い知らされる。
以上で、拾遺和歌集の紹介は終了です。