歌番号 995
詞書 題しらす
詠人 よみ人しらす
原文 和礼者可利 和礼遠於毛者武 比止毛可奈 佐天毛也宇幾止 与遠己々呂美无
和歌 われはかり われをおもはむ ひともかな さてもやうきと よをこころみむ
読下 我はかり我をおもはむ人もかなさてもやうきと世を心みん
解釈 私だけを、その私のことを思ってくれる人が居ないでしょうか、それでもこの世が辛いものかと、試してみたいものです。(ねぇ、私の恋焦がれお慕いする貴女)
歌番号 996
詞書 題しらす
詠人 よみ人しらす
原文 安也之久毛 以止布尓者由留 己々呂可奈 以可尓之天可波 於毛飛多由部幾
和歌 あやしくも いとふにはゆる こころかな いかにしてかは おもひたゆへき
読下 あやしくも厭ふにはゆる心かないかにしてかは思ひたゆへき
解釈 不思議なことに、嫌われると逆に気持ちが馳せるような心がします、どのようにすればこの高ぶった気持ちを穏やかに出来るでしょうか。(試しに抱かれてみませんか)
注意 末句の「たゆ」を「絶つ」と取るか、万葉調に「たゆし」の心を緩めると取るかで意味は大きく違います。
歌番号 997
詞書 題しらす
詠人 よみ人しらす
原文 於毛不己止 奈寸己曽加美乃 可多可良女 志波之和須留々 己々呂川个奈无
和歌 おもふこと なすこそかみの かたからめ しはしわするる こころつけなむ
読下 おもふ事なすこそ神のかたからめしはしわするる心つけなん
解釈 心に思ったことを成就することは、神でも難しいようだ、それなら、しばし、そのことを忘れる気持ちを持たせて欲しい。
歌番号 998
詞書 とほき所に侍りける人、京に侍りけるをとこを、みちのままにこひまかりて、たかさこといふ所にてよみ侍りける
詠人 よみ人しらす
原文 多可左己尓 和可奈久己衛者 奈利尓个利 美也己乃比止者 幾々也川久良无
和歌 たかさこに わかなくこゑは なりにけり みやこのひとは ききやつくらむ
読下 高砂にわかなくこゑは成りにけり宮この人はききやつくらん
解釈 この高砂の地、その言葉の響きではありませんが、私が泣く声が大きく高くなってしまいました、都の私が恋する貴方は私が恋焦がれて泣く声を聞き届けたでしょうか。
歌番号 999
詞書 題しらす
詠人 よみ人しらす
原文 加之満奈留 徒久万乃加美乃 徒久/\止 和可三比止川尓 己比遠徒美川留
和歌 かしまなる つくまのかみの つくつくと わかみひとつに こひをつみつる
読下 かしまなるつくまの神のつくつくとわか身ひとつにこひをつみつる
解釈 鹿島にある筑摩の神、その言葉の響きではありませんが、つくつくと、我が身一つに恋の遍歴を積み重ねます。
良い所があれば、教えて下さい。
最初はyahooブログで、今回はgoo ブログが閉鎖です。長期に無料で使えるところで、良い所はありませんか。