竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

今日のみそひと歌 金曜日

2014年01月31日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 金曜日

集歌3968 宇具比須能 伎奈久夜麻夫伎 宇多賀多母 伎美我手敷礼受 波奈知良米夜母
訓読 鴬の来(き)鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも
私訳 鶯がやって来て鳴く、その山吹は、すこしも貴方の手が触れずにその花を散らすことは決してないでしょう。

集歌3970 安之比奇能 夜麻佐久良婆奈 比等目太尓 伎美等之見氏婆 安礼古悲米夜母
訓読 あしひきの山桜花(さくらはな)一目だに君とし見てば吾(あれ)恋(こ)ひめやも
私訳 葦や檜の生える山の、その山桜の花を一目だけでも、貴方と思ってみたら、どうして私はこんなに貴方に会いたいと思うでしょうか。

集歌3971 夜麻扶枳能 之氣美等眦久々 鴬能 許恵乎聞良牟 伎美波登母之毛
訓読 山吹の茂み飛びくく鴬の声を聞くらむ君は羨(とも)しも
私訳 山吹の茂みを飛び潜る鶯の鳴く声を聞いているでしょう、その貴方が羨ましい。

集歌3972 伊泥多々武 知加良乎奈美等 許母里為弖 伎弥尓故布流尓 許己呂度母奈思
訓読 出で立たむ力を無(な)みと隠(こも)り居て君に恋ふるに心神(こころと)もなし
私訳 出で立つと思う気力が無いと部屋に隠り居て、貴方に会いたいと思うが、その気力が湧きません。

集歌3974 夜麻夫枳波 比尓々々佐伎奴 宇流波之等 安我毛布伎美波 思久々々於毛保由
訓読 山吹は日(ひ)に日に咲きぬ愛(うるは)しと我が思ふ君はしくしく思ほゆ
私訳 山吹は日一日と咲きます。うるわしいと私が思う貴方のことは、しきりに気に掛ります。

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今日のみそひと歌 木曜日

2014年01月30日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 木曜日

集歌3032 君之當 見乍母将居 伊駒山 雲莫蒙 雨者雖零
訓読 君しあたり見つつも居らむ生駒山雲なたなびき雨は降るとも
私訳 貴女の里のあたりを眺めながらここに居ましょう。見晴らしを隠すように、生駒山に雲よ棚引びくな、例え、雨が降ったとしても。

集歌3033 中々二 如何知兼 吾山尓 焼流火氣能 外見申尾
訓読 なかなかに何か知りけむ吾が山に燃ゆる火気(ほのけ)の外(よそ)に見ましを
私訳 中途半端に、どうして、私は貴方に出会ったのでしょうか。私の故郷の山の噴火し燃え上がる炎のように、遠くから私は拝見しただけなのに。

集歌3034 吾妹兒尓 戀為便名鴈 胸乎熱 旦戸開者 所見霧可聞
訓読 吾妹子に恋ひすべながり胸を熱(あつ)み朝戸(あさと)開(あ)くれば見ゆる霧かも
私訳 私の愛しい貴女に恋い焦がれてどうしようもなくて、焦がれる胸が熱いので朝に戸を開けると、一面に立ち込めている霧よ。

集歌3035 暁之 朝霧隠 反羽二 如何戀乃 色舟出尓家留
試訓 暁(あかとき)し朝霧隠(こも)りかへらばに何しか恋の色付(にほひ)出でにける
試訳 暁の朝霧に何もかにもが立ち隠っているように、想いを隠していたのに、反って、どうした訳か、霧の中を舟出するように恋い焦がれる雰囲気がほのかに立ち上ってしまいました。

集歌3036 思出 時者為便無 佐保山尓 立雨霧乃 應消所念
訓読 思(も)ひ出(い)でし時はすべ無(な)み佐保山(さほやま)に立つ雨霧(あまきり)の消(け)ぬべく思ほゆ
私訳 貴女を想い出す時は、どうしようもない。佐保山に立つ雨霧が消え失せるように、この身が消え失せるように感じられます。

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今日のみそひと歌 水曜日

2014年01月29日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 水曜日

集歌2185 大坂乎 吾越来者 二上尓 黄葉流 志具礼零乍
訓読 大坂(おほさか)を吾(あ)が越え来れば二上に黄(もみち)葉(は)流る時雨(しぐれ)降りつつ
私訳 大阪を私が越えてやって来ると、二上山の渓流にもみじの葉が散り流れる。時雨が降る中を。

集歌2186 秋去者 置白露尓 吾門乃 淺茅何浦葉 色付尓家里
訓読 秋されば置く白露に吾(あ)が門(かと)の浅茅(あさぢ)し末葉(うらは)色づきにけり
私訳 秋がやって来ると置く白露に、私の家の門に浅茅の穂先の葉は色付いてきた。

集歌2187 妹之袖 巻来乃山之 朝露尓 仁寶布黄葉之 散巻惜裳
訓読 妹し袖(そで)巻来(まきき)の山し朝露に色付(にほふ)黄(もみち)葉(は)し散らまく惜しも
私訳 愛しい貴女の袖を巻く、その巻来の山の朝露に色付く黄葉が散ってしまうのが残念です。

集歌2188 黄葉之 丹穂日者繁 然鞆 妻梨木乎 手折可佐寒
訓読 黄葉(もみちは)し色付(にほひ)は繁(しげ)し然(しか)れども妻(つま)梨(なし)し木を手折(たお)り插頭(かざ)さむ
私訳 黄葉の色付きは素晴らしいけれど、妻無しの私は、妻梨の木の枝を手折って髪飾りにしよう。

集歌2189 露霜乃 寒夕之 秋風丹 黄葉尓来毛 妻梨之木者
訓読 露(つゆ)霜(しも)の寒き夕(ゆふへ)し秋風に黄葉(もみち)にけりも妻(つま)梨(なし)し木は
私訳 露や霜の置く寒い夕べの秋風に黄葉したようです。寒さが募る妻の無い、妻梨の木は。

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今日のみそひと謌 火曜日

2014年01月28日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと謌 火曜日

集歌1301 海神 手纏持在 玉故 石浦廻 潜為鴨
訓読 海神(わたつみ)し手に纏き持てし玉ゆゑし磯し浦廻(うらみ)し潜(かづき)するかも
私訳 海神が手首に纏って持っている玉なので、磯浜の浦で潜水して採るのでしょう。

集歌1302 海神 持在白玉 見欲 千遍告 潜為海子
訓読 海神(わたつみ)し持てる白玉見まく欲り千遍(ちへ)し告りし潜(かづき)する海人
私訳 海神の持っている白玉を見たいと思って、何遍も宣言して潜水する海人よ。

集歌1303 潜為 海子雖告 海神 心不得 所見不云
訓読 潜(かづき)する海人(あま)し告るとも海神(わたつみ)し心し得じし見ゆといはなくに
私訳 潜水して玉を採ろうとする海人は宣言しますが、海神の許しを得ないと逢ったと宣言することは出来ません。

集歌1304 天雲 棚引山 隠在 吾忘 木葉知
訓読 天雲し棚引く山し隠りたる吾し忘れし木し葉知るらむ
私訳 天雲が棚引いている山のように、姿を隠し籠って、忘れられてしまった私。その山の木の葉のことを知っていますか。

集歌1305 雖見不飽 人國山 木葉 己心 名着念
訓読 見れど飽ず人国山し木し葉し己(おの)が心し懐しみ思ふ
私訳 見つめても見飽きぬ人、その言葉のひびきのような、人国山の木の葉。その木の葉だけが、私は心の底から心惹かれて恋い焦がれます。

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今日のみそひと歌 月曜日

2014年01月27日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 月曜日

集歌399 妹家尓 開有花之 梅花 實之成名者 左右将為
訓読 妹し家(へ)に咲きたる花し梅の花実にし成りなばかもかくもせむ
私訳 尊敬する貴女の家に咲いた花の、梅の花(家持)が実として成長したならば、どうにかしましょう。

集歌400 梅花 開而落去登 人者雖云 吾標結之 枝将有八方
訓読 梅し花咲きに散りぬと人は云へど吾が標(しめ)結(ゆ)ひし枝(えだ)にあらめやも
私訳 梅の花は咲いてから散って逝くと世の人は云いますが、散って逝くのは私が標しを結んだ枝であるはずがありません。

集歌401 山守之 有家留不知尓 其山尓 標結立而 結之辱為都
訓読 山守(やまもり)しありける知らにその山に標(しめ)結(ゆ)ひ立てに結(ゆ)ひし恥(はぢ)しつ
私訳 山の番人が居るのを知らないで、その山に誓いの標しを結び立てたので、密かな誓いを人に示すと云う恥をかきました。

集歌402 山主者 盖雖有 吾妹子之 将結標乎 人将解八方
訓読 山主(やまもり)はけだしありとも吾妹子(わぎもこ)し結(ゆ)ひけむ標(しめ)を人解(と)かめやも
私訳 山の番人がいるにしても、私の尊敬する貴女が結んだその誓いの標しを、誰か他の人が解くことがあるのですか。

集歌403 朝尓食尓 欲見 其玉乎 如何為鴨 従手不離有牟
訓読 朝(あさ)に日(け)に見まく欲(ほ)りするその玉を如何(いか)にせばかも手ゆ離(か)れざらむ
私訳 毎朝毎日見たいと深く思う、その玉をどのようにすればこの手から離れずに済むのだろう。

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