竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

今日のみそひと歌 金曜日

2014年02月28日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 金曜日

集歌3994 之良奈美能 与世久流多麻毛 余能安比太母 都藝弖民仁許武 吉欲伎波麻備乎
訓読 白波の寄せ来る玉藻世の間(あひた)も継ぎて見に来む清き浜辺(はまび)を
私訳 白波が寄せ来る、その寄せ来る玉藻、藻の節(よ)の言葉のひびきではないが、人のこの世(よ)に居る間も絶えず眺めに来たい。この清らかな浜辺を。

集歌3995 多麻保許乃 美知尓伊泥多知 和可礼奈婆 見奴日佐麻祢美 孤悲思家武可母
訓読 玉桙の道に出で立ち別れなば見ぬ日さまねみ恋(こひ)しけむかもむかも
私訳 立派な鉾を立てる官道に出で立って、貴方と立ち別れしたら会えない日々が多く、恋しいことでしょう。

集歌3996 和我勢古我 久尓敝麻之奈婆 保等登藝須 奈可牟佐都奇波 佐夫之家牟可母
訓読 吾(わ)が背子が国へましなば霍公鳥(ほととぎす)鳴かむ五月(さつき)は寂しけむかも
私訳 私の尊敬する貴方が故郷の国へ行かれたら、ホトトギスが鳴くでしょうこの五月は、寂しいことでしょう。

集歌3997 安礼奈之等 奈和備和我勢故 保登等藝須 奈可牟佐都奇波 多麻乎奴香佐祢
訓読 吾(あれ)なしとな侘(わ)びわが背子霍公鳥(ほととぎす)鳴かむ五月(さつき)は玉を貫(ぬ)かさね
私訳 私が居ないと淋しがらないで、私の尊敬する貴方、ホトトギスが鳴くでしょう五月は薬玉を貫いて下さい。

集歌3998 和我夜度能 花橘乎 波奈其米尓 多麻尓曽安我奴久 麻多婆苦流之美
訓読 吾(わ)が屋戸(やと)の花橘を花ごめに玉にぞ吾(あ)が貫(ぬ)く待たば苦しみ
私訳 私の家の花橘を、花もいっしょに薬玉として私が貫く、貴方の御帰りを待つと辛い。

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今日のみそひと歌 木曜日

2014年02月27日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 木曜日

集歌3052 垣津旗 開澤生 菅根之 絶跡也君之 不所見項者
試訓 杜若(かきつばた)咲く沢生ふる菅(すが)し根し絶ゆとや君し見えぬ今日(きよふ)は
試訳 杜若が咲く沢に生える菅の根が切れ絶える、そのように仲が切れ絶えると云うのですか。愛しい貴方の姿がお見えにならない、今日は。

集歌3053 足桧木乃 山菅根之 懃 不止念者 於妹将相可聞
訓読 あしひきの山菅(やますげ)し根しねもころし止(や)まず思はば妹し逢はむかも
私訳 葦や桧の生える山の山菅の根、その言葉のひびきではないが、ねもころに(ねんごろに)絶えることなく恋い焦がれると、愛しい貴女に逢えるでしょうか。

集歌3054 相不念 有物乎鴨 菅根乃 懃懇 吾念有良武
訓読 相(あひ)念(も)はずあるものをかも菅(すが)し根のねもころごろし吾が思へるらむ
私訳 私のことを愛してくれないでしょうに、菅の根、その言葉のひびきではないが、それでも、ねもころごろに(ねんごろに)私は恋い焦がれているでしょうか。

集歌3055 山菅之 不止而公乎 念可母 吾心神之 項者名寸
試訓 山菅(やますげ)し止(や)まずに君を思へかも吾が心神(こころと)し今日しは無(な)きし
試訳 山菅の、その言葉のひびきではないが、止まずて(止むことなく)貴女のことを恋い焦がれているからか。私の正気の気分は、今日はありません。

集歌3056 妹門 去過不得而 草結 風吹解勿 又将顧
訓読 妹し門(かど)行き過ぎかねに草結ぶ風吹き解くなまたかへり見む
私訳 愛しい貴女の家の門を通り過ぎることが出来なくて、願いを掛ける草を結ぶ。風が吹き結び目を解くな。また、やって来て、願いを確かめたいから。

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今日のみそひと歌 水曜日

2014年02月26日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 水曜日

集歌2205 秋芽子乃 下葉赤 荒玉乃 月之歴去者 風疾鴨
訓読 秋萩の下葉(したは)黄葉(もみち)ぬあらたまの月し経ぬれば風し疾(いた)みかも
私訳 秋萩の下葉は黄葉した。月が改まって月が経ち替わったので、冬の寒風が強く吹くからか。

集歌2206 真十鏡 見名淵山者 今日鴨 白露置而 黄葉将散
訓読 真澄鏡(まそかがみ)南淵(みなみふち)山(やま)は今日もかも白露置きに黄葉(もみち)散るらむ
私訳 願うと見たいものを見せると云う真澄鏡、その鏡を見ると云う、見名淵(南淵)山は、今日もまた白露を木々に置くから、黄葉して散り舞がうでしょう。

集歌2207 吾屋戸之 淺茅色付 吉魚張之 夏身之上尓 四具礼零疑
訓読 吾(あ)が屋戸(やと)し浅茅(あさぢ)色づく吉隠(よなばり)し夏身(なつみ)し上に時雨(しぐれ)降るらし
私訳 私の家の庭の浅茅が色付く、吉隠の夏身の丘に時雨が降るようだ。

集歌2208 鴈鳴之 寒鳴従 水茎之 岡乃葛葉者 色付尓来
訓読 雁鳴し寒し鳴きしゆ水茎(みずくき)し岡の葛葉(ふぢは)は色づきにけり
私訳 雁が鳴く季節に、寒々と雁が啼いた時から水茎の岡の葛葉は黄葉しました。

集歌2209 秋芽子之 下葉乃黄葉 於花継 時過去者 後将戀鴨
訓読 秋萩し下葉(したは)の黄葉(もみち)尾花継ぎ時(とき)過ぎゆかば後(のち)恋ひむかも
私訳 秋萩の下葉の黄葉の風情を尾花の風景に継いで時が過ぎゆくと、後でひどくその景色を思い浮かべるでしょう。

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今日のみそひと謌 火曜日

2014年02月25日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと謌 火曜日

集歌1321 世間 常如是耳加 結大王 白玉之緒 絶樂思者
訓読 世間(よのなか)し常かくのみか結(ゆ)ひし大王(きみ)白玉し緒し絶(た)ゆらく思へば
私訳 世の中とはこんなものでしょうか。私と契りを結ばれた貴方様。その言葉のひびきではありませんが、結んだ白玉の紐の緒が切れるように、貴方様との縁も絶えてしまうと思うと。

集歌1322 伊勢海之 白水郎之嶋津我 鰒玉 取而後毛可 戀之将繁
訓読 伊勢(いせ)海(うみ)し白水郎(あま)し島津(しまつ)が鰒(あはび)玉(たま)採りに後(のち)もか恋し繁けむ
私訳 伊勢の海の海人のいる島の入り江のアワビの中の玉よ。それを採った後にも、恋する心は一層増すでしょう。

集歌1323 海之底 奥津白玉 縁乎無三 常如此耳也 戀度味試
訓読 海(わた)し底(そこ)沖つ白玉よしをなみ常かくのみや恋ひわたりなむ
私訳 海の底深く隠れている白玉よ。それを採る方法がなくて、いつもこのように恋い焦がれる思いだけが続いていく。

集歌1324 葦根之 懃念而 結義之 玉緒云者 人将解八方
訓読 葦(あし)し根しねもころ念(も)ひに結(ゆ)ひ期しし玉し緒と云はば人解(と)かめやも
私訳 葦の根のように心を尽くして恋い慕って結び誓った玉の紐の緒ですと云ったなら、他の人があえてその紐を解くでしょうか。

集歌1325 白玉乎 手者不纒尓 匣耳 置有之人曽 玉令泳流
訓読 白玉を手には纏(ま)かずに匣(はこ)のみに置(お)けりし人ぞ玉泳(およ)がする
私訳 白玉を肌身である手に巻かずに、大切なものとして箱の中にしまって置いた人こそ、その玉を水の流れに漂わせてしまう。

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今日のみそひと歌 月曜日

2014年02月24日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 月曜日

集歌419 石戸破手力毛欲得手弱寸女有者為便乃不知苦
訓読 石戸(いはと)破(ふ)る手力(たぢから)もがも手(た)弱(よわ)きし女(をみな)しあれば術(すべ)の知らなく
私訳 お籠りになった石戸を引き破る手力が欲しい。手力の弱い女であるので石戸を引き破り再び王に逢う方法を知りません。

集歌421 逆言之 狂言等可聞 高山之 石穂乃上尓 君之臥有
訓読 逆言(およづれ)し狂言(たはごと)とかも高山し巌(いはほ)の上に君し臥(こ)やせる
私訳 逆言です。それとも狂言でしょうか。高山の巌の上に貴方がいらっしゃる。

集歌422 石上 振乃山有 杉村乃 思過倍吉 君尓有名國
訓読 石上(いそのかみ)布留(ふる)の山なる杉群(すぎぬら)の思ひ過(す)ぐべき君にあらなくに
私訳 石上の魂を振るという布留山にある杉群の思いを過ぎてしまうような思い出の中の貴方ではないのに。

集歌424 隠口乃 泊瀬越女我 手二纏在 玉者乱而 有不言八方
訓読 隠口(こもくり)の泊瀬(はつせ)娘子(をとめ)が手に纏(ま)ける玉は乱れてありと言はずやも
私訳 人の隠れると云う隠口の泊瀬の娘女の手に捲いている美しい玉が紐の緒が切れて散らばっている、そのように王の火葬された遺骨が初瀬の山に散骨されたとでも言うのでしょうか。

集歌425 河風 寒長谷乎 歎乍 公之阿流久尓 似人母逢耶
訓読 河風し寒き長谷(はせ)を嘆きつつ君し歩(ある)くに似る人も逢へや
私訳 河風の寒い泊瀬で亡くなった人を想い嘆げきながら貴方は彷徨っていた、そのような貴方に似た人に逢へるとでも云うのでしょうか。

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