竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

再読、今日のみそひと歌 金

2017年03月31日 | 再読、今日のみそひと...
再読、今日のみそひと歌 金

集歌809 多陀尓阿波須 阿良久毛於保久 志岐多閇乃 麻久良佐良受提 伊米尓之美延牟
訓読 直(ただ)に逢はず在(あ)らくも多く敷栲の枕(まくら)離(さ)らずて夢にし見えむ
私訳 直接に逢うことが出来ずにいる日数は多いのですが、貴方が床に就く敷栲の枕元には絶えることなく逢う日が夢に見えるでしょう。

集歌810 伊可尓安良武 日能等伎尓可母 許恵之良武 比等能比射乃倍 和我麻久良可武
訓読 如何(いか)にあらむ日の時にかも声知らむ人の膝(ひざ)の上(へ)吾(わ)が枕(まくら)かむ
私訳 どんな日のどんな時になれば、私の音を聞き分けて下さる人の膝で琴である私は音を立てることが出来るのでしょうか。

集歌811 許等々波奴 樹尓波安里等母 宇流波之吉 伎美我手奈礼能 許等尓之安流倍志
試訓 子(こ)等(と)問はぬ貴にはありとも愛(うるは)しき大王(きみ)が手馴れの子(こ)等(と)にしあるべし
試訳 家来である家の子たちを区別しない高貴なお方といっても、家来は麗しいあのお方の良く知る家の子等でなくてはいけません。

集歌812 許等騰波奴 紀尓茂安理等毛 和何世古我 多那礼之美巨騰 都地尓意加米移母
試訓 子(こ)等(と)問はぬ貴にありとも吾が背子が手馴れの御命(みこと)土に置かめやも
試訳 家来の家の子たちを区別しない高貴なお方であっても、私が尊敬するあのお方が良く知るりっぱな貴方を地方に置いておく事はありません。

集歌814 阿米都知能 等母尓比佐斯久 伊比都夏等 許能久斯美多麻 志可志家良斯母
訓読 天地の共(とも)に久しく言ひ継げとこの奇(く)し御魂(みたま)此(し)かしけらしも
私訳 天地が永遠にあるように、それと共に久しく云い継げと、この神秘的な御霊はこのようにあるのでしょう。

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再読、今日のみそひと歌 木

2017年03月30日 | 再読、今日のみそひと...
再読、今日のみそひと歌 木

集歌803 銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留多可良 古尓斯迦米夜母
訓読 銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに勝(まさ)れる宝(たから)子に及(し)かめやも
私訳 賻(はぶ)り物の銀も金も珠も、何になるのであろうか。それら特別に優れた宝も亡くなった子に及ぶことはあるでしょうか。

集歌805 等伎波奈周 迦久斯母何母等 意母閇騰母 余能許等奈礼婆 等登尾可祢都母
訓読 常磐(ときは)なすかくしもがもと思へども世の事なれば留(とど)みかねつも
私訳 「常盤のように変わることなく」と、そのようにありたいと思うのですが、人の世のことであるので、なに事もそのままに留め置くことは出来ません。

集歌806 多都能馬母 伊麻勿愛弖之可 阿遠尓与志 奈良乃美夜古尓 由吉帝己牟丹米
訓読 龍(たつ)の馬(ま)も今も得てしか青丹(あをに)よし奈良の都に行きて来むため
私訳 天空を駆ける龍の馬も今はほしいものです。青葉美しい奈良の都に戻って行って帰るために。

集歌807 宇豆都仁波 安布余志勿奈子 奴婆多麻能 用流能伊昧仁越 都伎提美延許曽
訓読 現(うつつ)には逢ふよしも無しぬばたまの夜の夢にを継ぎて見えこそ
私訳 現実には逢う手段がありません。闇夜の夜の夢にでも絶えず希望を見せてほしいものです。

集歌808 多都乃麻乎 阿礼波毛等米牟 阿遠尓与志 奈良乃美夜古邇 許牟比等乃多仁
訓読 龍(たつ)の馬(ま)を吾(あ)れは求めむ青丹(あをに)よし奈良の都に来む人の為(たに)
私訳 天空を駆ける龍の馬を私は貴方のために探しましょう。青葉の美しい奈良の都に戻って来る人のために。
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再読、今日のみそひと歌 水

2017年03月29日 | 再読、今日のみそひと...
再読、今日のみそひと歌 水

集歌796 伴之伎与之 加久乃未可良尓 之多比己之 伊毛我己許呂乃 須別毛須別那左
訓読 愛(は)しきよし如(か)くのみからに慕(した)ひ来(こ)し妹(いも)が情(こころ)の術(すべ)もすべなさ
私訳 「愛しいことは、このように」と、ばかり慕っていた愛しい貴女の亡くなられた時の、その貴女の想いを思うと、どうしようもないことです。

集歌797 久夜斯可母 可久斯良摩世婆 阿乎尓与斯 久奴知許等其等 美世摩斯母乃乎
訓読 悔しかもかく知らませばあをによし国内(くぬち)尽(ことごと)見せましものを
私訳 残念なことです。こうなると判っていたならば青葉が照り輝く美しい大和の国を、ことごとく、お見せしましたものを。

集歌798 伊毛何美斯 阿布知乃波那波 知利奴倍斯 和何那久那美多 伊摩陀飛那久尓
訓読 妹(いも)が見し楝(あふち)の花は散りぬべし吾(わ)が泣く涙いまだ干(ひ)なくに
私訳 愛しい貴女が見た楝の花。その(妹に)逢いたいと思う思い出の花は、もう、散り去ったでしょう。私の泣く涙は未だに乾くことがないのに。

集歌799 大野山 紀利多知和多流 和何那宜久 於伎蘇乃可是尓 紀利多知和多流
訓読 大野山(おほのやま)霧立ち渡る吾(わ)が嘆く沖瀟(おきそ)の風に霧立ち渡る
私訳 大野の山に霧が立ち渡って逝く。私の嘆きの溜息が風となり霧が立ち渡って逝く。

集歌801 比佐迦多能 阿麻遅波等保斯 奈保奈保尓 伊弊尓可弊利提 奈利乎斯麻佐尓
訓読 ひさかたの天道(あまぢ)は遠しなほなほに家に帰りて業(なり)を為(し)まさに
私訳 死んでから逝く遥かな天への道は遠い。今はおとなしく家に帰って仕事にお励みなさい。
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再読、今日のみそひと歌 火

2017年03月28日 | 再読、今日のみそひと...
再読、今日のみそひと歌 火

集歌790 春風之 聲尓四出名者 有去而 不有今友 君之随意
訓読 春風し音(おと)にし出(で)なばありさりに今ならずとも君しまにまに
私訳 春風が音を立てて吹き出したら、気迷いも吹っ切れるでしょう。今すぐではありませんが、良き返事は貴方のお気の召すままに伝えてください。

集歌791 奥山之 磐影尓生流 菅根乃 懃吾毛 不相念有哉
訓読 奥山し磐(いは)蔭(かげ)に生(お)ふる菅し根の懃(ねもころ)吾(われ)も相(あひ)念(おも)はざれや
私訳 山奥の磐の陰に生える菅の根のように人は気が付かないが、ねんごろに、私も貴方を尊敬して慕わないことがあるでしょうか。

集歌792 春雨乎 待二師有四 吾屋戸之 若木乃梅毛 未含有
訓読 春雨(はるさめ)を待つにしあらし吾が屋戸(やと)し若木(わかき)の梅もいまだ含(ふふ)めり
私訳 貴方の家の梅の花も春雨をきっと待っているのでしょう。私の家の若木の梅も、未だに蕾のままです。

集歌793 余能奈可波 牟奈之伎母乃等 志流等伎子 伊与余麻須万須 加奈之可利家理
訓読 世間(よのなか)は空(むな)しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり
私訳 人の世が空しいものと思い知らされた時、いよいよ、ますます、悲しいことです。

集歌795 伊弊尓由伎弖 伊可尓可阿我世武 摩久良豆久 都摩夜左夫斯久 於母保由倍斯母
訓読 家に行きて如何(いか)にか吾(あ)がせむ枕(まくら)付(つ)く妻屋(つまや)寂(さぶ)しく思ほゆべしも
私訳 貴女の家に行って、どのように私はしましょうか。貴女が亡くなられ横になっている妻屋で寂しく想ったとしても。

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再読、今日のみそひと歌 月

2017年03月27日 | 再読、今日のみそひと...
再読、今日のみそひと歌 月

集歌785 吾屋戸之 草上白久 置露乃 壽母不有惜 妹尓不相有者
訓読 吾が屋戸(やと)し草(かや)し上(へ)白く置く露の身も惜(を)しからず妹に逢はずあれば
私訳 私の家の萱草の上に白く置く露のように儚い私の身も惜しくはありません。愛しい貴女を抱けないならば。

集歌786 春之雨者 弥布落尓 梅花 未咲久 伊等若美可聞
訓読 春し雨(め)はいや頻(し)き降るに梅の花いまだ咲かなくいと若(わか)みかも
私訳 春の雨は、こんなにしきりに降りますが、梅の花は、まだ、咲きません。まだ、とても、花芽が若いからでしょうか。

集歌787 如夢所 念鴨 愛八師 君之使乃 麻祢久通者
訓読 夢ごとそ念(おも)ほゆるかも愛(は)しきやし君し使(つかひ)の数多(まね)く通(かよ)へば
私訳 まるで夢のように感じられるでしょう。尊敬する貴方から(実際は久須麿の娘)の便りをもたらす使いが頻繁に通って来ると。

集歌788 浦若見 花咲難寸 梅乎殖而 人之事重三 念曽吾為類
訓読 末(うら)若(わか)み花咲き難(かた)き梅を植ゑに人し事(こと)繁み念(おも)ひぞ吾(あ)がする
私訳 まだ若くて花は咲き難い、そのような梅の木を植えると「色々な出来事が多いなあ」と、私は感じています。

集歌789 情八十一所 念可聞 春霞 軽引時二 事之通者
訓読 情(うら)くくそ念(おもほ)ゆるかも春霞たなびく時に事(こと)し通(かよ)へば
私訳 今は待ち遠しく切なく感じられます。やがて、春霞が棚引く季節になったら、きっと、貴方から私がお願いしている貴方の娘への求婚の了承が伝えられると思うと。
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