竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

今日のみそひと歌 金曜日

2015年07月31日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 金曜日

集歌4407 比奈久母理 宇須比乃佐可乎 古延志太尓 伊毛賀古比之久 和須良延奴加母
訓読 ひな曇り碓氷(うすひ)の坂を越えしだに妹が恋しく忘らえぬかも
私訳 薄ら曇る碓氷の坂を越える時に、愛しい貴女が恋しく忘れられない。

集歌4409 伊弊婢等乃 伊波倍尓可安良牟 多比良氣久 布奈埿波之奴等 於夜尓麻乎佐祢
訓読 家人(いへひと)の斎(いは)へにかあらむ平(たいら)けく船出はしぬと親に申さね
私訳 家の人が祈ってくれたためか、平穏で船出したと、親に伝えて欲しい。

集歌4410 美蘇良由久 々母々都可比等 比等波伊倍等 伊弊頭刀夜良武 多豆伎之良受母
訓読 み空行く雲も使と人は云へど家づと遣(や)らむたづき知らずも
私訳 美しい空を流れいく雲も人への伝えと人は云うけれど、家への土産を託し遣るつてがありません。

集歌4411 伊弊都刀尓 可比曽比里弊流 波麻奈美波 伊也之久〃〃二 多可久与須礼騰
訓読 家づとに貝ぞ拾へる浜波はいやしくしくに高く寄すれど
私訳 家への土産に貝を拾った、その浜の波は、一層に次々に高く打ち寄せるけれど。

集歌4412 之麻可氣尓 和我布祢波弖氏 都氣也良牟 都可比乎奈美也 古非都々由加牟
訓読 島蔭に吾が船泊(は)てて告げ遣(や)らむ使(つかひ)を無みや恋ひつつ行かむ
私訳 島隠れに私が乗る船は停泊して言伝を家に告げて遣りたい、その使いが無いのか。故郷を恋焦がれて、このまま旅行くだろう。

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今日のみそひと歌 木曜日

2015年07月30日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 木曜日

集歌3487 安豆左由美 須恵尓多麻末吉 可久須酒曽 宿莫奈那里尓思 於久乎可奴加奴
訓読 梓弓(あづさゆみ)末(すゑ)に玉巻きかく為為(すす)ぞ寝(ね)なな成(な)りにし奥(おく)を兼(か)ぬ兼(か)ぬ
私訳 梓弓の弓末に飾りの玉を巻く、そのように大切にしてきて共寝もないままになってしまった。先々まで大切にしようと思っていたのに。

集歌3488 於布之毛等 許乃母登夜麻乃 麻之波尓毛 能良奴伊毛我名 可多尓伊弖牟可母
訓読 生(を)ふ楉(しもと)この本山(もとやま)の真柴(ましば)にも告(の)らぬ妹が名像(かた)に出(い)でむかも
私訳 伸びる若枝。この本山の真柴、その言葉のひびきではないが、しばしば(=しきりに)口に出すこともない愛しいお前の名前が、占いの形に出てしまうのだろうか。

集歌3489 安豆左由美 欲良能夜麻邊能 之牙可久尓 伊毛呂乎多弖天 左祢度波良布母
訓読 梓弓(あづさゆみ)欲良(よら)の山辺(やまへ)の繁(しげ)角(かく)に妹ろを立ててさ寝(ね)処(と)払ふも
私訳 梓弓が良い、その言葉のひびきのような、欲良の山辺の茂みの陰にいとしいお前を立たせて、寝床の草を払ったよ。

集歌3490 安都左由美 須恵波余里祢牟 麻左可許曽 比等目乎於保美 奈乎波思尓於家礼
訓読 梓弓(あづさゆみ)末(すゑ)は寄り寝む現在(まさか)こそ人目を多み汝(な)を間(はし)に置けれ
私訳 梓弓の末のように末には寄り添って寝よう。ただ今は、人目が多いのでお前を知り合いと恋人の間の中途半端にしているけど。

集歌3491 楊奈疑許曽 伎礼波伴要須礼 余能比等乃 古非尓思奈武乎 伊可尓世余等曽
訓読 楊こそ伐(き)れば生えすれ世の人の恋に死なむをいかに為(せ)よとぞ
私訳 楊ならば伐ってもまた生えるのに、世の人が恋に死にそうになるのを、どのようにしろと云うのか。

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今日のみそひと歌 水曜日

2015年07月29日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 水曜日

集歌2574 面忘 太尓毛得為也登 手握而 雖打不寒 戀之奴
訓読 面(おも)忘(わす)れだにもえすやと手(て)握(にぎ)りに打てども懲(こ)りず恋し奴(やつこ)
私訳 せめて、貴女の姿を忘れるだろうと、手を握り締めて頭を殴ってみても、懲りないなあ、恋の虜には。

集歌2575 希将見 君乎見常衣 左手之 執弓方之 眉根掻礼
訓読 めづらしき君を見むとこそ左手(ひだりて)し弓取る方(かた)し眉根(まよね)掻(か)きつれ
私訳 めったに逢えない貴方に逢いたいと思ったから、殿方が左手で弓を持つ方の眉を掻きました。

集歌2576 人間守 蘆垣越尓 吾妹子乎 相見之柄二 事曽左太多寸
訓読 人(ひと)間(ま)守(も)り葦垣(あしかき)越しに吾妹子(わぎもこ)を相見しからに事(こと)ぞさだ多(おほ)き
私訳 人の目を盗んで葦の垣根越しに愛しい私の貴女の体を抱き寄せた、そのときから貴女と私の間にはいろいろな出来事が起きた。

集歌2577 今谷毛 目莫令乏 不相見而 将戀羊月 久家真國
訓読 今だにも目(め)な乏(とも)しめそ相見ずに恋ひむ遥(は)る月久(ひさ)しけまくに
私訳 逢っている今だけでも顔を隠さないでくれ。互いに逢えずに恋い焦がれた遥かなこの一月の間は長かったのだから。

集歌2578 朝宿髪 吾者不梳 愛 君之手枕 觸義之鬼尾
訓読 朝寝(あさゐ)髪(かみ)吾(われ)は梳(けづ)らじ愛(うる)はしき君し手枕(たまくら)触れてしものを
私訳 朝の寝乱れ髪を私は梳くことはしません。愛しい貴方の腕枕にこの私の髪が触れたのですから。

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今日のみそひと謌 火曜日

2015年07月28日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと謌 火曜日

集歌1697 家人 使在之 春雨乃 与久列杼吾乎 沾念者
訓読 家人し使にあるらし春雨の避くれど吾を濡らすと思(も)へば
私訳 雪は天からの使いと云います。貴女の住む家の人の使いなのでしょう。冷たい春の雨を避けようと思うけれど、それでも春雨が私を濡らすと思うと。

集歌1698 炙干 人母在八方 家人 春雨須良乎 間使尓為
訓読 炙(あぶ)り干す人もあれやも家人し春雨すらを間使にする
私訳 濡れた衣を焚火に炙って干す人もいますが、貴女の住む家の人の便りのような春雨さえも、便りの使いと思いましょう。

集歌1699 巨椋乃 入江響奈理 射目人乃 伏見何田井尓 雁渡良之
訓読 巨椋(おほぐら)の入江響(とよ)むなり射目(いめ)人(ひと)の伏見が田井に雁渡るらし
私訳 巨椋の入江に鳴き声が響く。射目に身を隠す人が伏す、その伏見の田井に雁が飛び渡るようだ。

集歌1700 金風 山吹瀬乃 響苗 天雲翔 雁相鴨
訓読 秋風し山吹し瀬の響るなへに天雲翔ける雁し逢ふかも
私訳 秋風に山吹の浅瀬の川音が響き渡ると、天雲を飛び翔ける雁が見えるでしょう。

集歌1701 佐宵中等 夜者深去良斯 雁音 所聞空 月渡見
訓読 さ夜中と夜は深けぬらし雁し音し聞ゆる空し月渡る見ゆ
私訳 真夜中へと夜は深けたようだ。雁の鳴き声が聞こえる空に月が渡り往くのが見える。

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今日のみそひと歌 月曜日

2015年07月27日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 月曜日

集歌809 多陀尓阿波須 阿良久毛於保久 志岐多閇乃 麻久良佐良受提 伊米尓之美延牟
訓読 直(ただ)に逢はず在(あ)らくも多く敷栲の枕(まくら)離(さ)らずて夢にし見えむ
私訳 直接に逢うことが出来ずにいる日数は多いのですが、貴方が床に就く敷栲の枕元には絶えることなく逢う日が夢に見えるでしょう。

集歌810 伊可尓安良武 日能等伎尓可母 許恵之良武 比等能比射乃倍 和我麻久良可武
訓読 如何(いか)にあらむ日の時にかも声知らむ人の膝(ひざ)の上(へ)吾(わ)が枕(まくら)かむ
私訳 どんな日のどんな時になれば、私の音を聞き分けて下さる人の膝で琴である私は音を立てることが出来るのでしょうか。

集歌811 許等々波奴 樹尓波安里等母 宇流波之吉 伎美我手奈礼能 許等尓之安流倍志
試訓 子(こ)等(と)問はぬ貴にはありとも愛(うるは)しき大王(きみ)が手馴れの子(こ)等(と)にしあるべし
試訳 家来である家の子たちを区別しない高貴なお方といっても、家来は麗しいあのお方の良く知る家の子等でなくてはいけません。

集歌812 許等騰波奴 紀尓茂安理等毛 和何世古我 多那礼之美巨騰 都地尓意加米移母
試訓 子(こ)等(と)問はぬ貴にありとも吾が背子が手馴れの御命(みこと)土に置かめやも
試訳 家来の家の子たちを区別しない高貴なお方であっても、私が尊敬するあのお方が良く知るりっぱな貴方を地方に置いておく事はありません。

集歌814 阿米都知能 等母尓比佐斯久 伊比都夏等 許能久斯美多麻 志可志家良斯母
訓読 天地の共(とも)に久しく言ひ継げとこの奇(く)し御魂(みたま)此(し)かしけらしも
私訳 天地が永遠にあるように、それと共に久しく云い継げと、この神秘的な御霊はこのようにあるのでしょう。

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