竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

今日のみそひと歌 金曜日

2014年10月31日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 金曜日

集歌4196 月立之 日欲里乎伎都追 敲自努比 麻泥騰伎奈可奴 霍公鳥可母
訓読 月立ちし日より招(を)きつつうち偲ひ待てど来鳴かぬ霍公鳥(ほととぎす)かも
私訳 四月になった日から、呼び招きながら、慕って待っているが、飛び来て鳴かない、ホトトギスよ。

集歌4197 妹尓似 草等見之欲里 吾標之 野邊之山吹 誰可手乎里之
訓読 妹に似る草と見しより吾が標(し)めし野辺し山吹誰れか手折(たお)りし
私訳 愛しい貴女に似ると云う草として眺めたときから、私が標を付けた野辺の山吹、誰が手折ったのでしょうか。

集歌4198 都礼母奈久 可礼尓之毛能登 人者雖云 不相日麻祢美 念曽吾為流
訓読 つれもなく離(か)れにしものと人は云へど逢はぬ日多(まね)み念(おも)ひぞ吾がする
私訳 「思いのままにならなくて縁が無くなった」と貴女は云うけれど、その貴女に逢えない日々が多く、貴女を慕っています。私は。

集歌4199 藤奈美能 影成海之 底清美 之都久石乎毛 珠等曽吾見流
訓読 藤波の影なす海し底清み沈(しづ)く石(いは)をも玉とぞ吾が見る
私訳 藤波の影を映す海の底が清らかで、沈んでいる石をも、玉のように私は眺める。

集歌4200 多胡乃浦能 底左倍尓保布 藤奈美乎 加射之氏将去 不見人之為
訓読 多胡の浦の底さへにほふ藤波をかざして行かむ見ぬ人しため
私訳 多胡の入江の底まで色付ける藤波の花をかざして行きましょう。この景色を眺められない人のために。

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今日のみそひと歌 木曜日

2014年10月30日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 木曜日

集歌3235 山邊乃 五十師乃御井者 自然 成錦乎 張流山可母
訓読 山辺(やまのへ)の五十師(いつし)の御井(みゐ)はおのづから成れる錦を張れる山かも
私訳 山辺の五十師にある御井は、自ら織りあげた錦を広げたような山に向い合うでしょう。

集歌3238 相坂乎 打出而見者 淡海之海 白木綿花尓 浪立渡
訓読 逢坂をうち出でに見れば淡海(あふみ)の海(み)白(しら)木綿花(ゆふはな)に浪立ちわたる
私訳 貴女と共に逢う逢坂山を越えてやって来て見ると、貴女に逢う、淡海の海に白い木綿の花のような白く浪が立っている。

集歌3241 天地乎 歎乞祷 幸有者 又見 思我能韓埼
訓読 天地を嘆き乞(こ)ひ檮(の)み幸(さき)くあらばまた還(かへ)り見む志賀の唐崎
試訳 天神地祁の今を嘆き、今後の神々に幸あることを乞い祈り願う。願いが叶うことがあれば、また見ましょう。昔、元明天皇の父親であられた天智天皇が治められた近江朝廷があった志賀の唐崎よ。

集歌3244 阿胡乃海之 荒礒之上之 少浪 吾戀者 息時毛無
訓読 阿胡(あご)の海の荒礒(ありそ)の上のさざれ浪吾が恋ふらくはやむ時もなし
私訳 阿胡の海の荒磯の上を越えて行くさざれ浪、その浪と同じように私が貴女を想う恋心は止む時はありません。

集歌3246 天有哉 月日如 吾思有 君之日異 老落惜文
訓読 天なるや月日のごとく吾が思へる君の日に異(け)に老ゆらく惜しも
私訳 天空にある月や太陽のように私が思える貴い貴方が、日ごと一層に年老いて行くのが惜しいことです。

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今日のみそひと歌 水曜日

2014年10月29日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 水曜日

集歌2380 早敷哉 誰障鴨 玉桙 路見遺 公不来座
訓読 愛(は)しきやし誰し障(さ)ふれかも玉桙し道見忘れて公(きみ)し来まさぬ
私訳 ああ愛おしい。誰かが邪魔をしているのでしょうか。それとも御門の立派な桙を建てる宮中への道を忘れたようで貴方が遣って来ません。

集歌2381 公目 見欲 是二夜 千歳如 吾戀哉
訓読 公(きみ)し目し見まく欲(ほ)りしてこの二夜(ふたよ)千歳(ちとせ)し如し吾(あ)し恋ふるかも
私訳 貴方の姿を直接にお目にしたいと思って、お逢いするまでのこの二夜がまるで千年のように感じるように私は貴方に恋い焦がれています。

集歌2382 打日刺 宮道人 雖滿行 吾念公 正一人
訓読 うち日さす宮道(みやぢ)し人し満ち行けど吾(われ)し思(も)ふ公(きみ)ただひとりのみ
私訳 日が輝く宮殿への道を人はあふれるように歩いて行くが、私がお慕いする男性はただ一人、貴方だけです。

集歌2383 世中 常如 雖念 半手不忌 猶戀在
訓読 世し中し常(つね)かくのみし思へどもはて忌みえずし猶(なほ)恋ひしけり
私訳 人の世の中は、やはり、このようなものかと思ってみたけれど、それでも貴方への片恋心を忌むことが出来ず、それにまして、貴方に恋しています。

集歌2384 我勢古波 幸座 遍来 我告来 人来鴨
訓読 我が背子は幸(さき)く坐(いま)せし遍(まね)く来(き)て我(われ)し告げ来(こ)む人し来ぬかも
私訳 私の大切な貴方が無事で居ますと、何度も遣って来て、私に告げに来る人だけでも来ないものでしょうか。

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今日のみそひと謌 火曜日

2014年10月28日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと謌 火曜日

集歌1499 事繁 君者不来益 霍公鳥 汝太尓来鳴 朝戸将開
訓読 事(こと)繁(しげ)み君は来(き)まさず霍公鳥(ほととぎす)汝(なれ)だに来鳴け朝(あさ)戸(と)開(あ)けなむ
私訳 物事が多くてあの御方は御出でにならない。ホトトギスよ、お前だけでも飛び来て「カツコヒ、カツコヒ」と啼け。そうしたら、朝に戸を開けましょう。

集歌1500 夏野乃 繁見丹開有 姫由理乃 不所知戀者 苦物曽
訓読 夏し野の繁みに咲ける姫(ひめ)百合(ゆり)の知らえぬ恋は苦しきものぞ
私訳 夏の野の繁みの中に咲く姫百合のように人に知られることなく、密やかにする恋は辛いものです。

集歌1501 霍公鳥 鳴峯乃上能 宇乃花之 厭事有哉 君之不来益
訓読 霍公鳥(ほととぎす)鳴く峯(を)の上(うへ)の卯の花し厭(う)きことあれや君し来まさぬ
私訳 ホトトギスが啼く峰の頂で咲く卯の花の、その憂きことがあるのでしょうか、お慕いする御方が御出でにならない。

集歌1502 五月之 花橘乎 為君 珠尓貫 零巻惜美
訓読 五月(いつつき)し花橘を君しため玉にそ貫(ぬ)けし散らまく惜しみ
私訳 五月に咲く花橘を御出でにならない貴方のために薬玉として紐を通した。花が散ってしまうのが残念で。

集歌1503 吾妹兒之 家乃垣内乃 佐由理花 由利登云者 不謌云二似
訓読 吾妹児(わぎもこ)し家の垣内(かきつ)のさ百合(ゆり)花(はな)後(ゆり)と云へるは謌(うた)はずに似る
私訳 私の愛しい貴女の家の垣の内にある百合の花、その後(ゆり)と貴女が私に云うのは、まるで、貴女が私に「謌」の字の如く「可(愛して)可(愛して)と言わない」のことと同じです。

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今日のみそひと歌 月曜日

2014年10月27日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 月曜日

集歌609 従情毛 我者不念寸 又更 吾故郷尓 将還来者
訓読 情(こころ)ゆも我(われ)は念(も)はずきまたさらに吾(あ)が故郷(ふるさと)に還(かへ)り来(こ)むとは
私訳 心からも私は思いませんでした。いまさらに、私が自分の里に一人で帰って来ようとは。

集歌610 近有者 雖不見在乎 弥遠 君之伊座者 有不勝目
訓読 近くあれば見ねどもあるをいや遠く君し座(いま)さば有りかつましめ
私訳 近くに住んでいましたら貴方にお目にかかることもあるでしょうが、こんなに一層に遠くに貴方が住んでいらっしゃると、お目にかかることはもう無いでしょう。

集歌611 今更 妹尓将相八跡 念可聞 幾許吾胸 欝悒将有
訓読 今さらに妹に逢はめやと念(おも)へかもここだ吾が胸(むね)欝悒(いぶせ)くあるらむ
私訳 今、また更に、貴女に逢わないと心に決めたからでしょうか。私の心は重くふさぎこんでいるのでしょう。

集歌612 中々者 黙毛有益呼 何為跡香 相見始兼 不遂尓
訓読 なかなかは黙然(もだ)もあらましと何すとか相見そめけむ遂(と)げざらまくに
私訳 本当は何もしないでいることも出来たのに。どうして貴女と愛し合ってしまったのか、添い遂げることが出来ないのに。

集歌613 物念跡 人尓不見常 奈麻強 常念弊利 在曽金津流
訓読 もの念(おも)ふと人に見えじとなまじひに常に念(おも)へりありぞかねつる
私訳 物思いをしていると人からは見えないようにと生半可に我慢して、貴方を常に慕っています。生きているのが辛くてたまりません。

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