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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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拾遺和歌集 巻18 歌番号1159から1163まで

2025年05月30日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻18

拾遺和歌集

 

巻十八:雑賀

 

歌番号 1159

詞書 延喜二年五月中宮御屏風、元日

詠人 紀貫之

原文 乃不与利遠 知遠者志良寸毛 々止世乃者 留乃者之女者計 不尓曽安利个留

和歌 きのふより をちをはしらす ももとせの はるのはしめは けふにそありける

読下 昨日よりをちをはしらすももとせの春の始はけふにそ有りける

解釈 昨日より以前のことは知らない、これからの百年の春の始めは、今日のこの時にある。

 

歌番号 1160 拾遺抄記載

詞書 屏風に

詠人 伊勢

原文 者累/\止 久毛為遠左志天 由幾布祢乃 由幾須衛止遠久 於毛本由留可奈

和歌 はるはると くもゐをさして ゆくふねの ゆくすゑとほく おもほゆるかな

読下 はるはると雲井をさして行く舟の行末とほくおもほゆるかな

解釈 はるばると雲井を指して行く舟の行方は遠くと思えます。

注意 詞書の「屏風」の持ち主により歌の解釈は持ち主の将来が遥か長いことを寿ぐとします。ただ、何時の時の、誰の屏風かは、解釈者次第です。

 

歌番号 1161

詞書 九条右大臣の五十賀、屏風に、竹ある所に花の木ちかくあり

詠人 もとすけ

原文 者奈乃恵呂毛 止幾者奈良奈无 奈与多計乃 奈可幾与尓遠久 川由之加々良者

和歌 はなのいろも ときはならなむ なよたけの なかきよにおく つゆしかからは

読下 花の色もときはならなんなよ竹のなかきよにおくつゆしかからは

解釈 花の色は常盤であって欲しい、なよ竹の長い節(よ)に置く露、その言葉の響きのように、これまでの長い世に齢を置く、このようにこれからもあるのならば。

 

歌番号 1162

詞書 ためあきらの朝臣、きのかみに侍りける時に、ちひさきこをいたきいてて、これいのれ、いのれ、といひたるうたよめといひ侍りけれは

詠人 もとすけ

原文 与呂徒世遠 加曽部武毛乃者 幾乃久尓乃 知比呂乃者万乃 万佐己奈利个利

和歌 よろつよを かそへむものは きのくにの ちひろのはまの まさこなりけり

読下 よろつ世をかそへむ物はきのくにのちひろのはまのまさこなりけり

解釈 萬代を数えるものは、紀国の千尋の浜の真砂を数えるもの、その言葉の響きではありませんが、まさに貴方の子であります。

 

歌番号 1163

詞書 東宮のいしなとりのいしめしけれは、三十一をつつみて、ひとつにひともしをかきてまゐらせける

詠人 よみ人しらす

原文 己遣武左者 飛登日毛加部武 左々礼以之乃 加者留美奈止留 与者日以久与曽

和歌 こけむさは ひろひもかへむ さされいしの かすをみなとる よはひいくよそ

読下 こけむさはひろひもかへむさされいしのかすをみなとるよはひいくよそ

解釈 この石に苔が生したら、また、石を拾って換えましょう、さざれ石の数を、皆、読み取るのに、一体、齢は幾代ほどでしょうか。

注意 句の頭「こひさかよ」は「請ふ栄代」でもあります。

 

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