竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻1 歌番号71から75まで

2024年07月24日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 71 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 佐者美川尓 加者徒奈久奈利 也万不久乃 宇川呂不可个也 曽己尓美由良无

和歌 さはみつに かはつなくなり やまふきの うつろふかけや そこにみゆらむ

読下 沢水にかはつなくなり山吹のうつろふ影やそこに見ゆらん

解釈 沢の小川に蛙が鳴いています、山吹の花が時と共にしだれ変わって行く、その姿が小川に映って見えたのでしょうか。(名残惜しいと。)

 

歌番号 72 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 和可也止乃 也部也万不久者 飛止部多尓 知利乃己良奈无 者留乃可多美尓

和歌 わかやとの やへやまふきは ひとへたに ちりのこらなむ はるのかたみに

読下 わかやとのやへ山吹はひとへたにちりのこらなんはるのかたみに

解釈 私の屋敷の八重の山吹の花は、その一重だけでも散り残って欲しい、春の思い出として。

 

歌番号 73 拾遺抄記載

詞書 亭子院の歌合に

詠人 坂上是則

原文 者奈乃衣呂遠 宇徒之止々女与 可々美也万 者留与利乃知乃 可个也美由留止

和歌 はなのいろを うつしととめよ かかみやま はるよりのちの かけやみゆると

読下 花の色をうつしととめよ鏡山春よりのちの影や見ゆると

解釈 花の色を映して、留めてください、鏡よ。その鏡という名を持つ鏡山、春の季節が過ぎた後にも、花の盛りの姿を見えるものかと。

 

歌番号 74 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 者留可須美 堂知和可礼由久 也万美知者 々奈己曽奴左止 知利万可日个礼

和歌 はるかすみ たちわかれゆく やまみちは はなこそぬさと ちりまかひけれ

読下 春霞たちわかれゆく山みちは花こそぬさとちりまかひけれ

解釈 春霞が立ち、山際を分けて流れ行く、その山路は花が神を祝う白き幣のように散り交がっていました。

 

歌番号 75 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 止之乃宇知者 美奈者留奈可良 久礼奈々无 者奈美天多尓毛 宇幾与寸久左无

和歌 としのうちは みなはるなから くれななむ はなみてたにも うきよすくさむ

読下 年の内はみな春なからくれななん花見てたにもうきよすくさん

解釈 二十四節季では年内に既に春となっていますが、それでも暦での年は暮れて行くでしょう、せめて、花を眺めることだけでも、憂き世の言葉の響きではありませんが、浮き余った日々を過ごしましょう。

 

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