竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

拾遺和歌集 巻1 歌番号26から30まで

2024年07月11日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 26 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 徒美多武留 己止乃可多幾八 宇久飛寸乃 己恵者留留乃部 和可那奈利个利

和歌 つみたむる ことのかたきは うくひすの こゑするのへの わかななりけり

読下 つみたむることのかたきは鴬の声するのへのわかななりけり

解釈 摘み集めるのが難しいのは、鶯の鳴き声がする野辺での若菜でした。(鶯の鳴き声に気を取られますから。)

 

歌番号 27 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 武女乃者奈 与曽奈可良美武 和幾毛己可 止可武者可利乃 加尓毛己曽志免

和歌 うめのはな よそなからみむ わきもこか とかむはかりの かにもこそしめ

読下 梅の花よそなから見むわきもこかとかむはかりのかにもこそしめ

解釈 梅の花は離れた場所から眺めましょう、私の妻が、これはどなたの香りですかと、咎めるほどに、梅の香りが私の衣に染み付くといけませんから。

 

歌番号 28 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 曾天多礼天 以左和可曽乃尓 宇久比寸乃 己徒多日知良須 武女乃者奈美武

和歌 そてたれて いさわかそのに うくひすの こつたひちらす うめのはなみむ

読下 袖たれていさわかそのにうくひすのこつたひちらす梅の花見む

解釈 袖を垂らし、私の屋敷にやって来て、鶯が木を伝い飛び回って散らす、その梅の花を見ましょう。

注意 拾遺抄では詠人は大和守藤原永平朝臣

 

歌番号 29 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 兵部卿元良親王

原文 安佐万多幾 於幾天曽美川留 武女乃者奈 与乃万乃可世乃 宇之呂女多左尓

和歌 あさまたき おきてそみつる うめのはな よのまのかせの うしろめたさに

読下 あさまたきおきてそ見つる梅の花夜のまの風のうしろめたさに

解釈 早朝に起き出して眺めました、その梅の花は夜の間に吹いた風に散ってはいないかと気がかりで。

 

歌番号 30 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 みつね

原文 不久可世遠 奈尓以止比个无 武女乃者奈 知里久留止幾曽 加者万佐利个留

和歌 ふくかせを なにいとひけむ うめのはな ちりくるときそ かはまさりける

読下 吹く風をなにいとひけん梅の花ちりくる時そかはまさりける

解釈 吹く風を花を散らすとして、どうして嫌ったのでしょうか、梅の花の、その散り来る時に、花の香りは一層に増してきました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする