竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

拾遺和歌集 巻2 歌番号94から98まで

2024年07月31日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻2

歌番号 94

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 止幾和可須 布礼留由幾可止 美留万天尓 加幾祢毛多和尓 左个留宇乃者奈

和歌 ときわかす ふれるゆきかと みるまてに かきねもたわに さけるうのはな

読下 時わかすふれる雪かと見るまてにかきねもたわにさける卯の花

解釈 時節の区分も無く降れる雪かと見間違えるまでに、垣根の枝もたわわに咲いている卯の花です。

 

歌番号 95

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 者留加遣天 幾可武止毛己曽 於毛飛之可 也万本止々幾須 於曽久奈久良无

和歌 はるかけて きかむともこそ おもひしか やまほとときす おそくなくらむ

読下 春かけてきかむともこそ思ひしか山郭公おそくなくらん

解釈 春の季節からそれを聴こうと思っていた、そのホトトギスは季節を遅れて鳴くのだろうか。

 

歌番号 96 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 者徒己衛乃 幾可万本之左尓 本止々幾須 与不可久女遠毛 左末之川留可奈

和歌 はつこゑの きかまほしさに ほとときす よふかくめをも さましつるかな

読下 はつこゑのきかまほしさに郭公夜深くめをもさましつるかな

解釈 初声を聞きたいと願っていた、そのホトトギスは夜遅くに目を覚ましたのでしょうか。(夜明け間近くに鳴いています。)

 

歌番号 97

詞書 夏山をこゆとて

詠人 久米広縄

原文 以部尓幾天 奈尓遠可多良无 安之比幾乃 也万本止々幾須 比止己恵毛可那

和歌 いへにきて なにをかたらむ あしひきの やまほとときす ひとこゑもかな

読下 家にきてなにをかたらむあしひきの山郭公ひとこゑもかな

解釈 屋敷に来て、鳴けば何を語るのでしょうか、葦や檜の生い茂る山に住むホトトギスよ、一声でも聴きたいものです。

 

歌番号 98

詞書 延喜の御時の御屏風に

詠人 つらゆき

原文 也万佐止尓 志累比止毛可奈 本止々幾須 奈幾奴止幾可波 川計尓久留可尓

和歌 やまさとに しるひともかな ほとときす なきぬときかは つけにくるかに

読下 山さとにしる人もかな郭公なきぬと聞かば告げに来るかに

解釈 山里に知り合いでもいないでしょうか、ホトトギスが啼いたと聞けば、わたしの許に告げに来るでしょうに。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする